運動時のケガや衝撃から歯を守るための
スポーツ用マウスガード
おきた歯科小児歯科クリニック
(福岡市東区/香椎駅)
最終更新日:2025/05/21


- 自由診療
コンディショニングの一環として歯科に通うアスリートは少なくない。歯の痛みや噛みしめがパフォーマンスに大きな影響を及ぼすからだ。そこで普及し始めたのが、スポーツ用マウスガード。運動時の外傷や噛みしめによる破折などから歯を保護してくれるアイテムで、プロアスリートはもちろん、アマチュア、運動部の生徒・学生など幅広い競技レベルの選手が活用している。そうした中、長年にわたりオーダーメイドのスポーツ用マウスガードを作製してきた「おきた歯科小児歯科クリニック」の沖田直紀院長は「接触のあるスポーツだけではなく、筋力トレーニングなど歯を強く噛みしめる場合は使用したほうが良い」と呼びかけている。今回はそんな沖田院長に、スポーツ用マウスガードのメリットなどを踏まえ、作製までのフローを聞いた。
(取材日2023年2月6日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qスポーツをする時にマウスガードをつけるメリットは何ですか?
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A
第一に外傷予防が大きなメリットです。スポーツをする上でケガはつきものですが、マウスガードをつけることで、転倒やほかの選手との接触から自分の歯を守ることはもちろん、相手にケガをさせるリスクを低下させます。加えて、噛み合わせの安定や、強い食いしばりから自分の歯を保護する役割もあります。パフォーマンスが向上するといった正確なエビデンスはありませんが、マウスガードをつけていることで思い切ったプレーにつながるということはあるでしょう。またラグビーやサッカーといったコンタクトのあるスポーツだけではなく、球技など外傷のリスクがあるスポーツや強く食いしばる筋力トレーニング中の装着などもお勧めしています。
- Q既製品とオーダーメイドの違いや、買い替えのタイミングは?
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A
最も大きな違いは、歯の型を採って作るかどうか。お店に売られている既製品は自分の歯に合わないケースがあり、運動中に外れないように常に噛んでかなくてはなりません。そのため喋りづらく、チームメイトとのコミュニケーションが難しくなります。一方、歯科医院で作るオーダーメイドのマウスガードは、お口にフィットするように歯型を採って作ります。交換のタイミングは使う頻度にもよって異なります。常に運動をしているアスリートでもワンシーズンは十分使用できますし、1年ほど使用することも可能かと思います。ただ、やわらかい素材なので垂直方向の力には強いのですが、ギリギリと歯を擦り合わせる動きが多いと裂けることがあります。
- Qスポーツ中に息苦しさなどはないのでしょうか?
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A
しっかりと歯型を採って作れば、息苦しさを感じることはありません。スポーツ用マウスガードは基本、上の歯にしかつけませんから、最初のうちは違和感があるかもしれませんが、すぐに慣れてプレーに集中できますよ。歯科治療で口の中に器具を入れた際に嘔吐反射を起こす方は、嘔吐してしまうのではと不安に思うでしょうが、問題なく装着することができるようにスポーツ用マウスガードの厚みや長さなどを細かく調整できます。また当院のスポーツ用マウスガードは、25種類もの色のバリエーションがあり、チームのロゴなども入れたデザインにできますから、見た目を気にされる方でも気軽にご相談ください。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診で希望をヒアリング
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まずは口の中をチェックし、虫歯や歯周病の状態などを調べる。その上で種目やポジションなど競技についてヒアリング。スポーツ用マウスガードの形状や色を決めていく。また現在使っているものがあれば、それをベースに改善したいところなどを細かく確認する。
- 2必要に応じて治療を行い、その後歯型を採取
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検診で虫歯などの問題が見つかれば先に治療を行い、口腔内に問題がないことを確認してから上下の歯型を採る。スポーツ用マウスガードは歯茎の部分も覆うため、大きく型を採って模型を作製していく。
- 3スポーツ用マウスガードを作製する
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EVAという合成樹脂材料を加熱して模型に押しつけ、スポーツ用マウスガードを作っていく。一人ひとりの口腔内の特徴や好みに合わせて形状を調整。歯型を採ってから1〜2週間で完成する。試合など特別な理由がある際は、急ぎの対応を行うケースも。
- 4実際に装着して微調整を行う
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スポーツ用マウスガードが完成したら、実際に装着して細かな調整を行っていく。基本的には装着した際の感覚に合わせ、痛いところがないか、噛み合わせに違和感がないかをチェック。削りながら微調整を行う。
- 5メンテナンスや経過観察でコンディションを維持
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コンディションと口腔内の健康を維持するため、定期的に検診を受ける。また、何かトラブルがあれば適宜対応しているという。スポーツ用マウスガードの状態や使用感などを見ながら、再作製のタイミングを見極めていく。穴があいたり、破けたりしておらず、機能上問題がなければ継続して使用可能。
自由診療費用の目安
自由診療とはスポーツ用マウスガード/5000円(小・中学生)、 8000円(高校生)、 1万3000円(デザインなし) 1万5000円(デザインあり)
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。