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高田 健太郎 院長の独自取材記事

まるクリニック

(台東区/三ノ輪駅)

最終更新日:2022/12/08

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東京メトロ日比谷線・三ノ輪駅から徒歩5分ほど。2022年9月に開業した「まるクリニック」は、訪問診療に特化したクリニックだ。クリニック名の「まる」は、患者や家族、地域、スタッフから「まる」をもらうという診療理念を表しているという。明るい笑顔が印象的な高田健太郎院長は、産婦人科の医師として経験を積んだ後、東京都内の在宅医療クリニックでの勤務を経て、生まれ育った地元で開業。患者や家族に親身に寄り添う診療を心がけている。「患者さんやご家族の多くは当院に連絡するまでに大変な思いをされてきています。ですから、まずは私たちが『患者さんやご家族の味方』だとわかっていただき不安を解消できるよう努めています」と優しく語る高田院長に、開業したきっかけや診療理念、診療の際の心がけ、今後の展望など幅広く聞いた。

(取材日2022年10月4日)

患者や地域から「まる」をもらえるクリニックをめざす

まずは医師をめざしたきっかけをお聞かせください。

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私はここ台東区で生まれ育ちました。周りにご高齢の方も多く、子どもの頃から医療や福祉にも興味を持っていたのですが、高校では文系を選択し、社会学部に進学。卒業後は「さまざまな業種や職種の方と関わりたい」と思い、人材企業に就職しました。その仕事にやりがいを感じていたのですが、入社3年目に祖父が要介護になり、私も介護に携わるように。その際、さまざまな医療職や介護職の方々と関わる中で、人の本質に関わる医療への思いが強くなっていきました。また、「マザーテレサの家」などで身寄りのない方の看取り支援のボランティアも経験しました。その中で治療方針を決めたり意思決定したりする医師の仕事に魅力を感じ、医師をめざすことを決意。学士編入制度を活用して鹿児島大学医学部に入学しました。医学部の勉強は仕事に直結しているため、楽しく学べたことを覚えています。

その後の経歴や開業までの経緯も教えてください。

医学部卒業後は、神奈川県の市民病院で研鑽を積みました。研修医に多くの責任が委ねられていたため、今でも役立つたくさんの経験ができました。産婦人科を選択したのは、患者さんに「おめでとう」と言えることや、内科的治療から手術まで幅広い診療に携われることに魅力を感じたからです。また当時、私自身子どもを授かり、産婦人科で患者家族の立場を経験していたというのもあります。産婦人科では婦人科がんの治療も行いましたが、退院後の患者さんを十分にフォローできないもどかしさを感じていました。そうした中、訪問診療にも携わるようになり、「自分がやりたいのはこれだ」と感じ、東京都内の在宅医療クリニックに転職。「自分だったらこうしたい」という思いが次第に大きくなり、当院の開業を決意しました。

クリニックの診療理念を教えていただけますか?

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当院は、3つの「まる」をコンセプトに掲げています。1つは患者さんやご家族からの「まる」。訪問診療をご利用されるのは、何らかのお困りがあるから。そのお困りを解決して豊かな人生を送れるようサポートし、「来てもらって良かった」と思っていただけるクリニックをめざしています。2つ目は地域からの「まる」。訪問診療は地域の医療職や介護職、行政の方々などと協力し合って成り立つもの。そうした方々からも、「一緒に働けて良かった」と感じてもらいたいのです。3つ目はスタッフからの「まる」。スタッフたちが自分の家族や大切な人に誇れるようなクリニックでありたいと思っています。訪問診療の分野で経験を積んできたスタッフたちから、「まる」をもらえたらうれしいですね。

患者や家族の困り事や希望に寄り添う診療を心がける

台東区の地域の印象や患者層についてお聞かせください。

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台東区周辺は下町情緒が漂う地域。昔ながらの町並みが今でも残っています。子どもの頃と比べて大きく変化した場所もありますが、いまだに変わらない場所も多いですね。当院をご利用される患者さんのほとんどは、75歳以上の後期高齢者の方々。年齢層としては、60代~70代の方もいらっしゃいますが、80代~90代の方が多いでしょうか。大半の方が認知症を患っており、体はお元気でもお一人で病院に通うのが難しいという方もいます。また心臓や肺の病気を患っている方、高齢のために動けない方、末期がんを患う方もいらっしゃいますね。生活支援や痛みの緩和など、それぞれのお悩みに合わせて患者さんをサポートするよう努めています。

患者さんと接する際にはどんなことを心がけていますか?

患者さんやご家族の多くは、当院に連絡するまでに大変な思いをされてきています。ですから、まずは「私たちが患者さんやご家族の味方だ」ということをわかっていただくよう努めていますね。患者さんやご家族のご希望が医学的に間違ったものでなければ、できる限りかなえて差し上げたいと思っています。例えば、患者さんの唯一の楽しみがお酒であれば、「お酒を飲めるようにするにはどうすればいいか」を一緒に考えます。それでご家族には、「患者さんと何をしたいか」をお尋ねするようにしていますね。また、「今までできていたことができなくなった」「少し動きが悪くなった」など、患者さんの少しの変化にも目ざとくあるようにしています。変化に気づくためにも、世間話を交えるなど何でも話しやすい雰囲気づくりを心がけていますね。

介護職などとの連携についても教えていただけますか?

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ケアマネジャーさんなどからご依頼があるということは、お困りがあるということ。訪問診療の開始までにはさまざまな手続きが必要になり、一定の時間がかかるため、まずはできる限りその日のうちに患者さんのお宅に伺うよう努めています。そしてその際に必要な書類を作成し、関係者がすぐに動き始められるようにもしています。訪問診療を始めてからは、ケアマネジャーさんやヘルパーさんと緊密に連携するよう心がけていますね。私たちが患者さんを訪問するのは月2~4回ほど。介護職の方々のほうが患者さんの日頃の生活をよくご存じなんです。そうした方々から患者さんのご状況を教えていただけるよう、連絡ノートを活用するなど意見交換しやすい環境づくりに努めています。

自分を育ててくれた台東区周辺の人々に恩返ししたい

クリニックの診療体制についてお聞かせください。

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現在、私と看護師、相談員の3人体制で訪問診療を行っています。3人そろって患者さんのお宅に伺う時もあれば、そのうちの2人で伺う時も。看護師に1人で行ってもらうこともあります。実は今いるスタッフたちは、開業前から「こういう訪問診療がしたいね」と話し合ってきた間柄。3人ともいろいろなクリニックで診療に携わる中、「自分だったらこうしたい」という思いを強く持っていて、思い描いていた理念がかなりの部分一致していたんです。3つの「まる」というコンセプトも、開業前に3人で話し合っていた内容がベースとなっています。患者さんのお宅に伺うメンバーは日によって異なりますが、誰が行っても大丈夫だという安心感がありますね。

診療でお忙しい中、どのようにリフレッシュされていますか?

3人の子どもたちや愛犬と戯れて、しばしリラックス。家族と過ごす時間が一番の癒やしです。また当院では、患者さんのお宅に伺う際には自転車で移動しますので、クリニックにいる時はスタッフたちがリラックスして過ごせるよう、床に人工芝を敷いています。その芝生の上で、毎朝3人でストレッチを行っているんです。自転車移動で体が資本ですので(笑)。ストレッチの際、天井を見上げるので、3つの「まる」を含むクリニックのスローガンを天井に貼り出し、毎朝目に入るようにしています。

今後の展望も教えてください。

ここは人と人のつながりが密な地域。子どもの頃の私を知っている方々も多くいらっしゃいます。「自分を育ててくれた台東区の地域の方々に恩返しをしたい」という思いは強いですね。近年、訪問診療を行うクリニックは増えてきたものの、まだまだ患者さんやご家族のニーズに応えきれていないのが現状。今後も地域の患者さんやご家族のニーズにお応えするよう努めていきたいと思っています。また、この先患者さんやスタッフの数が増えたとしても、開業時に思い描いた診療理念やコンセプトを追求し続けていきたいと強く願っています。 

最後に読者に向けたメッセージをお願いします。

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お困り事も含めて、何でも気軽にお声かけいただければ幸いです。「近くを通ったから寄ってみた」といった理由でお越しいただいても構いません。どんなことでも、どうぞお気軽にご相談ください。

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