池澤 佑典 院長の独自取材記事
Y’s歯科クリニック
(豊中市/豊中駅)
最終更新日:2024/07/12

曾祖父から続く歯科医師の家庭で育った「Y’s歯科クリニック」の池澤佑典院長は、幼少の時から歯科医師になりたいと目標を持っていたという。子どもから高齢者まで、幅広い年代の患者たちが通院しやすいよう、ビルの1階にありバリアフリー仕様の同院。間接照明の院内は、緊張しがちな歯科医院で少しでも落ち着いてゆったり過ごしてもらえるようにとの配慮だ。池澤院長は、口腔外科を専門に学び外科的処置を得意とし、親知らずの抜歯などの難症例にも対応している。一般歯科からインプラント治療、小児矯正、審美歯科など幅広い診療内容で、妻の池澤千穂先生やスタッフとともに、治療だけでなくできるだけ歯を残すための予防歯科にも注力している。同院の診療方針や力を入れている治療など、たっぷり話を聞いた。
(取材日2024年7月4日)
患者に寄り添った痛みに配慮した治療と丁寧な説明
歯科医師をめざされたのは、どのようなきっかけですか?

わが家は曾祖父から代々歯科医師で、僕が4代目です。父の仕事を見て育ち、歯科医師の仕事が小さい頃から身近だったことが、歯科医師をめざす大きなきっかけだと思います。子どもの頃、僕の歯は父が治療してくれていていました。そんな父の仕事に対し「すごいな」と感じていたことも、きっかけの一つかもしれませんね。歯列矯正も父にお願いしたのですが、歯科医師の仕事はこんなに幅広いのだなと感動したことを覚えています。
開業までの経緯と、院内のこだわりについてお聞かせください。
ありがたいことに近くで開業している父の歯科医院にたくさんの患者さんに来ていただき、予約が取りづらい状況でした。父から学んだ私が新しく歯科医院を立ち上げることで、そんな患者さんのお役に立てるのではないかと考えて開業しました。また、父とともにこの地域の皆さんのお口の健康を守っていきたいと思ったことも理由です。当院は幅広い年齢層の患者さんが通いやすいように、ビルの1階でバリアフリー設計を採用しました。ベビーカーもそのまま入ることができます。院内は間接照明を多く使ったので、患者さんに落ち着いた雰囲気で過ごしていただきたいですね。診療室は半個室が3部屋、完全個室が2部屋です。親知らずの抜歯やインプラント治療などの外科的処置をする際などに、個室を利用しています。土曜日の午後も診療を行っていますので、平日忙しくてご来院が難しい方も利用しやすいのではないかと思います。
先生が診療時に心がけていることはありますか?

歯科医院はどうしても痛い治療をする場所というイメージがあるので、できるだけ痛みを減らすような診療を心がけています。麻酔液を温める、細い針を使うなど、麻酔の手技にもこだわって痛みが少なくなるような打ち方を考慮しています。また、診療時には専門用語を多用せず、できるだけわかりやすい言葉で丁寧な説明を行っています。治療中に写真を撮り、それを見せながら説明し、視覚情報を利用することで、よりわかりやすくなるように工夫しています。そして現在の口の状態や今日どんな治療を行ったのか、もし痛みが出たらどうしたら良いのか、今後はどんな治療をする予定かを含めて、できるだけ詳しく説明するように努めています。
虫歯治療から矯正まで、できる限り歯を残すようめざす
注力されている治療について教えてください。

口腔外科を専門に学んだので、外科的処置は得意ですし、好きですね。親知らずの抜歯は経験や技術を必要とするので、一般の歯科医院では行わずに総合病院を紹介されることも多いかと思います。遠くの総合病院まで行くのは患者さんには負担が大きいと思うので、当院では親知らずの抜歯にも対応しています。もちろん外科的処置だけでなく、虫歯治療や小児矯正など幅広い治療を行っています。特に「自分の歯できる限り残す」という観点から、小児矯正に注力しています。また、頑張って治療してもどうしても歯を残せなかった患者さんのために、インプラント治療も行っていますのでご相談ください。
お話にあった「できる限り歯を残す」ことについて、詳しく教えてください。
患者さんから「この歯はもう抜くしかないと言われたのですが」と相談を受けることがありますが、僕はできる限りご自身の歯を残すような治療をしたいと思っています。もし自分が患者さんの立場なら、できれば歯を抜きたくないだろうと思います。自分が嫌だという思うことは患者さんにもしたくないですから。もちろんいろいろと手を尽くしても最終的には歯を抜くしかないようなケースもありますが、根っこの治療をすることで、できるだけ歯を残すよう努力しています。歯を抜くことは患者さんの心理的ダメージも大きいでしょうし、自分の歯が残っていることは認知症の予防にもつながるといわれているので、できるだけ歯を抜かない治療を心がけています。
お子さんの患者さんも多く、矯正にも注力されていらっしゃるんですね。

歯を守る、抜かなければいけない歯を減らす目的からも小児矯正に注力しています。マウスピース型装置を用いた矯正、床矯正、ブラケットを取りつけるタイプの矯正、口の中のトレーニングなど、歯並びや噛み合わせを整えるための方法は数多くあります。お子さんの年齢やお口の状態によって向き不向きがあるので、それぞれのお子さんに合ったアプローチ方法を提案しています。最近は親子で一緒に歯列矯正に通われる患者さんもいらっしゃいますよ。「子どもの歯科検診はいつ頃から?」という質問を受けることもありますが、3歳くらいを目安に受診いただければ、歯の磨き方や噛み合わせなども含めたアドバイスをさせていただきます。小さい頃から親御さんと一緒に定期検診を受けることで、歯科医院に慣れることができ、自分の口の中への意識も高まっていくでしょう。
スタッフとともに。目標は予防型の歯科医院
パートナーの千穂先生も歯科医師で、一緒に勤務されていらっしゃるんですね。

妻の千穂先生は週3~4日当院で勤務しています。小さなお子さんですと、男性の歯科医師に慣れていないことも多いので、千穂先生が診ることが多いですね。基本的には治療による分担制ではなく、2人とも幅広い歯科診療を担当しています。職場が同じなので、家でも患者さんの話をすることが多く、患者さんの情報共有をしやすいことは、一緒に働いているメリットですね。千穂先生は小児矯正や入れ歯治療が得意で、僕は先ほどお話ししたように外科的処置を得意としているので、それぞれの得意な分野を発揮しつつ、お互いに助け合えるのも良い面です。千穂先生の存在を心強く思っています。
歯科衛生士さんたちとの連携は、どのように行っているのでしょうか?
スタッフとはコミュニケーションを密に取るようにしています。院内ではもちろんですが、時にはみんなで食事に行くなど、お互いざっくばらんに意見を言い合える環境づくりに努めています。現在4人の歯科衛生士が勤務してくれていて、メンテナンスやホワイトニングなどは一緒に練習する機会を設けるなど、スタッフ教育にも力を入れています。スタッフ同士お互い得意なことを教え合い、協力しながら成長を続けてくれています。僕の患者さんへの説明で、ちょっとわかりにくいことがあればフォローしてくれるなど、頼もしい存在ですね。一方的に僕からみんなに伝えるようなトップダウン形式にならないように、これからも意見を交わしながらチームみんなで頑張っていきたいです。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

まだ開院して2年くらいなので、今は治療で通院される患者さんが多いのですが、将来的には当院に通っている患者さんは、虫歯がなくや歯周病も進んでいない状態で、定期的にメンテナンスに通っていただく予防型の歯科医院にすることが目標です。そのためにも、磨きやすい口の中、悪くならないような口の中をつくっていけるようにしたいですね。特に何年も歯科医院へ行っていない方は、来院自体のハードルが高くなっていると思うので、そんな方々にも「歯科医院は決して痛いことをする場所ではない」ことをお伝えしたいです。痛みなどの治療後にしっかり予防していくことが大事だということも、併せて啓発していきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント/36万3000円~、歯列矯正(ワイヤー)/36万円3000円~、マウスピース型装置を用いた矯正/36万円3000円~、床矯正/17万6000円~、小児矯正/17万6000円~、ホワイトニング/1万6500円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。