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井田 能成 院長の独自取材記事

井田メンタルクリニック

(北九州市小倉北区/平和通駅)

最終更新日:2024/04/11

井田能成院長 井田メンタルクリニック main

平和通駅より徒歩3分、魚町銀天街すぐそばのビルの中に「井田メンタルクリニック」はある。久留米大学医学部精神科講師、小倉蒲生病院院長など、精神科・心療内科の病院における勤務医経験を経て、2022年に井田能成(よししげ)先生が開院したクリニックだ。井田院長は「今の社会を支えている働き盛りの世代の皆さまが、心の病気を早い段階で治療できて、社会復帰できるような環境をつくりたい」という強い思いがあり、同院の開院を決意したとのこと。幅広い精神科・心療内科の経験をもとに、心のケアを行うカウンセリングや、必要に応じて、本人の意思を大切にした投薬治療を織り交ぜながら、心の健康をめざすそうだ。今回は、井田院長の開院までの経緯や診療のポリシーなど幅広く話を聞いてきた。

(取材日2024年3月27日)

働く人々の心のかかりつけ医をめざして

クリニック開院への思いをお聞かせください。

井田能成院長 井田メンタルクリニック1

久留米大学医学部精神科の講師として約10年、小倉蒲生病院院長を20年と務める中で、精神科・心療内科の治療を幅広く扱ってきました。入院病床もある大きな病院なので、精神科・心療内科の中でも重度の方や難治性の方、そして認知症で来られる方が多かったのです。そこでもやりがいを感じて治療に専念をしていたのですが、精神科・心療内科の病状が軽い状態で治療を提供し、患者さん本人が望む社会復帰のお手伝いができる医師になりたいという思いが強くなったのです。その中でも特に、学生さんや働き盛りの現役世代の皆さまが、また前向きな気持ちで社会との接点を持てる環境づくりをしていきたいと思い、北九州の中心街で開業する決意をしました。

勤務医時代と比べて、患者層に違いはありますか?

勤務医時代は50代以上の方を診ることが多かったのですが、当院を開院してからは多くの患者さんが、学生さんや20代30代の若い方ですね。治療に通っていただく中で、患者さんの気持ちや体調をうまく改善につなげて社会に復帰していただけるよう努めています。社会への復帰の仕方にも、復学や復職、転職など多くの道があります。重度の状態になる前に、あらためて社会との接点を提供していくことに、当院の存在意義があると思っています。できる限り早い段階で病気を発見して早期治療、もっと言えば、より大きな病気の予防まで見据えた治療にも関わることができれば理想です。初診の方には、生活環境や既往歴や家族構成などをしっかりと伺い、本人が気づけていない部分や、不安に思っていることを明確にしたり、悩みを解消するための方法を考えたりと、二人三脚で病気の出口に向かえるような診療を行っています。

丁寧な診療を心がけられているからこそ、一人ひとりに向き合う時間を取られているのですね。

井田能成院長 井田メンタルクリニック2

特に初診の方には時間をしっかり取るようにしていますね。当院にはカウンセラーはおらず、すべて院長である私が患者さんの話を伺って対応するようにしています。再診の方は短い時間で状況確認をして診療が終わるケースもあると思いますが、少し調子が悪い場合や相談したいことがある場合などは、その理由や心のとげとなったものをきちんと伺う時間を確保するようにしています。そのため、基本的に当院では予約制としていますが、少し待ち時間が発生する場合もあります。できる限りゆとりのある予約状況をめざしながら、少しでも患者さんが来やすいクリニックにしていきたいですね。

小さな悩みやつらさであっても、遠慮なく話してほしい

どのような主訴の患者さんが通われていますか?

井田能成院長 井田メンタルクリニック3

不眠の方、気分が落ち込んだりやる気が出なかったりとうつ状態の方、会社や学校に行きたくない、何をしても楽しくない、などのような症状の方が半数を占めています。その他、パニック障害や発達障害などのご相談もありますね。職場や学校など一定の環境での不適応が原因となる適応障害の方も多く来られています。診療後、新たな気づきや具体的な対応策などが鮮明になる方や、まだもやもやが取れないという方もいるかと思います。心の病は暗いトンネルの中にいるような気持ちにもなると思いますが、その出口を一緒に探して導ける存在として、治療を提供していければと考えています。

どのようなレベルの主訴や悩みから相談に来ていいのでしょうか。

自分が小さな悩みだと思っていることであっても、何でも相談しに来てください。心のかかりつけ医のようなイメージです。自分だけで解決できない悩みやつらさがあるときは、ぜひご来院ください。例えば以前、職場でのパワーハラスメントに悩んでいるという方がいらっしゃったケースがありました。具体的にお話を伺っていくと、医師以外の誰にもまだ相談をしておらず、どうすればいいのかわからないという状態でした。少しずつひもとく中で、気軽に相談できる別の上司の方がいらっしゃるようで、そこへの相談をお勧めしたところ、投薬なども不要だったケースがあります。何がきっかけで解決するのか、本人が不明瞭になっているケースも多いので、そこに手を差し伸べることが私たちの役割です。

カウンセリングの他に、投薬治療も行うのでしょうか。

井田能成院長 井田メンタルクリニック4

必要に応じてお薬も使っていきます。適応障害のケースでしたら、お薬を使うことなく環境を変えることで改善がめざせるケースもありますよ。しかし、うつ症状が強く出てしまうと、健康的な脳の状態と比べると、脳の機能が低下してしまうのです。そんなときは、心も体も活動がしやすい状態をつくるために、まずは脳の機能を健康的な状態に近づけることをめざし、お薬を活用していきます。風邪をひいた時に、免疫力を上げて体の状態を整えることが大切とされているように、まずは脳の状態を整えていくイメージですね。本来の健康的な状態をめざして治療した上で、状況を見ながらお薬の量を減らしていくように努めていきますよ。

スタッフ全員で、患者の心のサポートに注力する

先生が診療の際に心がけていることを教えてください。

井田能成院長 井田メンタルクリニック5

精神科・心療内科という一般的には少々行きにくい場所へお越しいただいているので、少しでも患者さんの思いをくみ取れるよう、お話を伺っています。このストレス社会の世の中で、ほとんどの方が大なり小なり不安・ストレスを抱えています。その不安・ストレスが風船のように膨らんで大きくなっていき、自分自身にのしかかってくることで、さまざまな病気を発症してしまうのです。そのストレスの風船を少しでもしぼめて帰っていただけるよう、お話を聞く際はアイコンタクトを大切にしたり、ここで話をして大丈夫なのだと思える環境を診療室でもつくっています。ただでさえ慣れない環境で、緊張してお話しいただく患者さんが多いので、何でも話してもらえるように笑顔で優しく対応できるようにしています。

先生がクリニックのスタッフの皆さんに、日頃から伝えていることなどはありますか。

患者さんと接するのは私だけではありません。受付や看護師などスタッフの対応も、精神科・心療内科の診療では重要です。そこでスタッフに日頃から、患者さんを一番大切に考えて行動すること、きちんとあいさつをすること、業務内での報告・連絡・相談を大切にすること、の3つを伝えています。特に大切なのは1つ目。患者さんにとって居心地良い環境とは、便利でストレスのないクリニックとはどんなものかを一緒に考えています。私とスタッフ一人ひとりがしっかりと連携して、患者さんが「また来たい」と思えるようなクリニックを心がけています。今いるスタッフには、こうした方針を深く理解してもらっており、良いクリニックになっていると自負していますよ。

最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。

井田能成院長 井田メンタルクリニック6

生きていく中で、小さな不安が生まれる要因はたくさんあります。同じ不安であっても、それを感じる人にとって重大さも異なります。だからこそ、他人と比べることなく自分がつらいとき、自分が生きづらいと感じたときに気軽に当院に来てほしいです。どのような小さな問題であっても、私が丁寧に相談に乗りますので、少し勇気がいるかもしれませんが、ご予約の電話をかけてほしいです。その勇気の一歩を私たちは応援しますし、病気の改善だけでなく、生きやすくなるための社会的制度や情報のお話も積極的に行っています。私の信念としては、来ていただいた患者さん全員に幸せな人生を送ってほしいというものが一番中心にあります。そのために、まずは当院のドアを開けて、お話をしに来ていただきたいですね。

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