今井 裕樹 院長の独自取材記事
なんばJクリニック
(大阪市中央区/なんば駅)
最終更新日:2025/05/07

「なんばJクリニック」は2022年9月に千日前通り沿いにあるビルの5階に開業した。同院までは大阪メトロ御堂筋線のなんば駅から徒歩2分と、アクセス抜群である。診療時間は「なんばでお店を構える方でも気軽に来られるように」との今井裕樹院長の思いから、月曜日・祝日を除き、火曜日から土曜日は14時~21時、日曜は14時~18時にしている。開業してみると、会社勤めの人も土日の診療に多く訪れるそう。また、患者の時間を無駄にしないように予約を優先しているが、予約なしでも診療可能。標榜科目は内科と皮膚科で、患者の困り事全般に幅広く対応するため、特別に何か一つの診療に注力する形を取っていない。「受診のハードルを下げて、もっと気軽に来てほしい」と話す今井院長に、クリニックについて詳しく話を聞いた。
(取材日2022年9月27日)
なんばでお店をやっている人も気軽に来られる診療時間
今井先生は「なんば」という土地に思い入れがあると伺いました。

出身が大阪の和泉市なので、学生の頃からなんばにはよく遊びに来ていました。大学は富山でしたが、卒業してからまたよく通うようになり、私にとって非常になじみのある場所となりました。ひいきにしている店もたくさんありますし、お店の方やお客さん同士の知り合いも増えました。その中で「長いこと医者にはかかっていない」なんて話を聞く機会も多く、個人経営で特に夜にお店をやる方は時間の制約があってなかなか受診できないんだと気がつきました。普通のクリニックだと平日でも午後は新患を受けつけていなかったり、土曜は午前中しかやっていなかったり、日曜は休みだったりしますので、時間が合わない方も多いんです。
それでちょっと変わった診療時間になったのですね。
そうです。当院は、火曜日から土曜日は14時~21時、日曜日は14時~18時という診察時間を取っています。もともとはお店を経営されている方が気軽に来られるようにとこの時間にしたのですが、開業してみると、会社にお勤めの方も土日に来られるケースが多いことがわかりました。きっと、皆さん平日は遅くまで仕事をされて、土曜日の午前中は疲れて寝ていたりするんだな、と思うと少しでもお役に立てているのではないかと感じられうれしいです。
診療内容について教えてください。

標榜科目は内科と皮膚科です。内科では一般内科として風邪、胃腸炎をはじめ、高血圧、脂質異常症、糖尿病、高尿酸血症(痛風)といった生活習慣病、花粉症などのアレルギー疾患などを診ています。生活習慣病では、基本的には生活習慣の改善を第一に行って、それで改善しない場合は薬物療法となります。ただ、無理して健康習慣を続けようとしても挫折してしまうことが多いので、患者さんには楽しく続けられることを探していただきたいと思っています。花粉症は初めに血液検査を行って、スギ、ヒノキ、ブタクサなどのアレルゲンを特定します。治療は抗ヒスタミン薬やステロイドを用います。
なんばの普段使いのクリニックをめざして
皮膚科ではどのような治療ができますか?

皮膚科ではニキビ、アトピー性皮膚炎、じんましん、口唇ヘルペスや、皮膚のかゆみや赤み、痛み、乾燥、できものなどに対して、基本的には皮膚科の診療ガイドラインに沿いながら、皮膚の状態をみて薬を選択します。お顔を診察される際は、化粧を落としていただくか、薄めで来院されるようお願いしています。当院がめざしているのは、何か一つの診療に特化するのではなく、患者さんの日常の困り事に対して何でも幅広く対応する「普段使いのクリニック」です。幅広い対応を行っていますが、より専門的な治療が必要と判断した場合は、適切な医療機関に紹介しますのでご安心ください。
患者さんと接する時に心がけていることはありますか?
一番に心がけていることは、患者さんが何でも言いやすい雰囲気をつくることです。「これを聞いたら怒られるかな」と思われて、我慢してほしくないですし、くだらないことでも聞いてほしいんです。医師からしたら大したことないことでも、患者さんにとっては大きな不安になっていることってありますよね。それを長い間抱え込まずに、当院で私や看護師に簡単に聞いてもらいたいんです。医師から「大丈夫ですよ」の一言をもらうだけで安心することってありますよね。そういう些細なことも聞けるようなクリニックでありたいです。これは当院のスタッフにも言っていることで、私に聞きづらいことを看護師や受付に聞く患者さんもいるので、よく聞いてあげてほしいということと、スタッフも私に言いたいことがあれば我慢せずに言ってほしいということを伝えています。
感染症対策はどうしていますか?

感染症対策に対しては、基本的な予防策を講じています。手指の消毒はもちろん、院内に空気清浄機を設置して、清潔な空気が循環するように気をつけていますのでご安心ください。
美容院のような感覚でもっと気軽に受診をしてほしい
休日はどのように過ごされていますか?

ごはんを食べに行くのが好きなので、休みの日はなんばや、時間があるときは大阪市内までご飯を食べに出かけることもあります。中でも揚げ物、特にとんかつは好きですね。何の医学的根拠もありませんが、揚げ物に関わらず、肉を食べると元気が出る気がします。これは食べたい人の言い訳かもしれませんけどね(笑)。出かけるときは基本的に1人ですが、行きつけの店に行くと知り合いに出会うことも多いですね。そこでパワーをつけてリフレッシュして、また診療を頑張ろうと思うんです。
今後の目標があれば教えてください。
目の前の患者さんを一人ひとり丁寧に診ることを大切にしたいです。ただ、少し敷地が狭くて大きい機器の導入ができなかった部分もありますので、またなんばで広い場所を探して、エックス線の撮影機や内視鏡を導入してより幅広い診療ができるクリニックに成長できればいいなと考えています。そうすると健康診断の項目も増やすことができるんです。もしかしたら他院との連携によって検査項目を増やしていくことになるかもしれませんし、まだ先のことは未定ですが、とにかく今は目の前のことに集中して頑張っていきたいです。
最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。

いろいろな方と話して思うのは、長い間病院に行っていないという方が多いということです。具合が悪くなったら行く、という感じで、悪くなければ健康診断すら行かない方も多いんです。でも病気は予防が大事ですし、元気に商売や仕事を続けるためにも、自分の体の数値、例えば肝臓の数値などの客観的なデータは知っておいたほうが良いと思います。実は、勤務医時代にがん患者さんと多く接する職場にいたので、予防の大切さは知っています。だいたいの体の違和感は少したてばおさまることも多いですが、しばらく寝ても変わらなかったり、いつもと違う違和感だったりした場合はすぐに受診してほしいと思います。クリニックの受診は、皆さんが思っているほどハードルが高いものではありません。「不安があって受診したけど何もなかった」、でもいいんです。もっと意識を変えて、美容院に行くような感覚で体のメンテナンスに来ていただきたいと思います。