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高橋 充 院長の独自取材記事

高輪みつるクリニック

(港区/泉岳寺駅)

最終更新日:2022/10/12

高橋充院長 高輪みつるクリニック main

2022年8月に開院した「高輪みつるクリニック」は、泉岳寺駅から徒歩1分、高輪ゲートウェイ駅からも徒歩圏内の便利な立地。院長の高橋充先生は10年間、救命救急医療に取り組み、急性症状や事故で重傷を負った患者の診療にあたってきた。救急医療で診療科の垣根を超えて、搬送される患者と向き合ってきた経験を生かし、同院は救急科、内科、外科、脳神経外科、整形外科、小児科と幅広く標榜し、さまざまな症状に対応することをめざしている。「どの科を受診していいかわからない時にまず相談できるクリニックになりたい」と話す、快活で優しい高橋院長に診療方針や今後の展望を聞いた。

(取材日2022年9月14日)

救急医療の経験を生かし地域医療に貢献したい

開業されるまでは救急医療の現場で研鑽を積んでこられたのですね。

高橋充院長 高輪みつるクリニック1

主に横浜市内の病院で、一次救急から三次救急まで対応してきました。一次救急は、急な発熱や痛み、けがなどのために自力で来院される患者さんを診療します。二次救急や三次救急は救急車で搬送されるケースで、三次救急は手術を含む集中治療が必要な最重症の方が対象です。救急医療では、心筋梗塞や脳卒中、外傷などの患者さんを診療科にとらわれず診療しますし、初期治療から集中治療室での管理、回復期から退院されるまでのフォローもします。そうした経験を生かして、当院では幅広い症状を診療していきたいと思っています。発熱の外来を開設して、新型コロナウイルス感染症の検査も行っていますので、地域のかかりつけ医、皆さんのホームドクターとして頼りにしていただきたいですね。

救急医療を志したきっかけや救急医療に携わってきたからこその強みを伺いたいです。

学生時代に各診療科の現場を見学した時、救命救急の部門にいらした恩師が格好良かったという単純な理由です(笑)。患者さんが救急搬送されてきてもまったく動揺しないで治療にあたるのを見て憧れたんですね。また、医師になって4年目に、勤務先の病院で指導していただいた先生の影響で、救急医療の中でもERという診療が好きになりました。ERでは救急の外来を訪れる患者さんの初期対応をし、その後の治療を担当する専門診療科との連携を図ります。限られた時間の中で患者さんの病歴と診察、必要最小限の検査から迅速に診断し、各診療科につなぐERの奥深さを学びました。例えば、転んでけがをした患者さんが、実は心臓の不整脈が原因で意識を失って転んだ可能性もあります。それを転んだ前後の状況を詳細に確認して発見するのです。そうした経験を生かし、患者さんとの会話や診療から重症な病態を発見し、治療につなぐことができれば幸いです。

クリニック開業のいきさつやめざすところをお聞かせください。

高橋充院長 高輪みつるクリニック2

勤務医として救急医療に取り組んでいた頃、軽症なのに救急車を呼んでしまう患者さんがいる一方で、重症なのに我慢してしまい、自力で来院して悪化させてしまう患者さんにも出会いました。軽症でも重症でも、ご本人が急いで受診するほうが良いと感じる症状は救急で対応すべきですが、当院が軽症の救急治療を完結できるクリニックになり、二次救急、三次救急の負担を軽減できればと思いました。また、具合が悪いけれど、どの科を受診したらいいのかわからない患者さんがいらっしゃると思います。例えば、風邪のような症状がある時に内科がいいのか耳鼻科へ行くべきか。あるいは、転んで体のあちらこちらを打ったけれど、頭は脳外科、手足は整形外科で診てもらわないといけないだろうかという場合に、まとめて診られるクリニックでありたいと考えています。

急性疾患の治療や各種検査に対応できる機器を備える

開業にあたり、どのような設備や医療機器をそろえられたのでしょうか。

高橋充院長 高輪みつるクリニック3

内科、整形外科領域の診察のためにエックス線を導入していますが、頭部や胸部に打撲を負ったケースにはCTが必要だと考えていたので、これも導入しました。CTは内科診療にも使いますので出番は多いですよ。また、当院で診察した結果、専門治療のできる医療機関へ搬送すると判断した場合でも、当院で十分な初期対応ができるだけの薬剤や医療機器を備えています。例えば、患者さんの安全管理を行うために、呼吸や心臓の動き、血圧などを常にモニタリングする機器や、心停止状態の患者さんに用いる除細動器などです。

先生の診療方針をお聞かせください。

どの診療科を受診したらいいのかわからない患者さんが、最初に来院して相談できるクリニックでありたいです。その上で、当院で治療が完結できればベストですし、他の医療機関を受診するのが望ましい場合には道案内の役割を果たせればと思います。また、必要に応じて患者さんに「帰宅指示書」をお渡ししています。これは受診時には異常がなくても帰宅後に症状が出るかもしれない患者さんに、どのような場合に再診していただきたいかを記載したものです。例えば頭の打撲は、後から頭痛や話しづらさといった症状が出て、脳のダメージが判明するケースがあるからです。医師が「何かあったら、また来てくださいね」と言うだけでは、患者さんは「この程度の症状で再受診してもいいだろうか?」と遠慮してしまうかもしれません。危険な兆候をお伝えして、帰宅後の安心を提供するようにしています。

主な患者層や、よくある主訴を伺いたいです。

高橋充院長 高輪みつるクリニック4

この辺りはマンションや住宅が多いので、開院当初は近くにお住まいの方がお子さんの発熱やけがで小児科を受診されることが多かったです。その後、同じ方が、今度はご自分のご両親を連れて来てくださったりして、高齢の患者さんも増えていますね。90歳の女性の患者さんは、私とおしゃべりするのが楽しいと言われて、いろいろなお話をします。その中で異変に気づくこともあるので無駄ではないんですよ。例えば「最近は歩くと、すぐ疲れてしまう」という方が心臓疾患だったり、「物忘れがひどくて家族に叱られる」という方は実は頭蓋内に血腫ができていたりと、何げない話でも掘り下げていくと病気が見つかる場合があります。ですから患者さんとの会話はこれからも大事にしていきたいですね。

働く人たちに出勤前や仕事帰りに受診してほしい

スタッフの皆さんに心がけてもらっていることはありますか。

高橋充院長 高輪みつるクリニック5

私が細かく言わなくても自分で考えて行動してくれるすてきな人たちばかりなので、とても感謝しています。患者さんは何かしらの不安を抱えて来院されるのですから、応対するスタッフの言葉遣いや気配りは大切ですよね。それをよく理解して実践してくれますし、受付や事務的な業務もこなして、啓発ポスターまで手作りしてくれるんです。今のところ医師は私だけで、看護師は3人ですが、これから働く仲間を増やして、いずれは往診もしたいです。高齢や持病で通院困難な方の所へ私が出向いて、その間もクリニックでは別チームが診療できる体制を整えたいと考えています。

将来は往診にも取り組みたいということですが、他にも今後の展望はありますか。

当院の周辺は住宅地でもありますがオフィスも多いので、この街で働く人たちの医療と健康維持にも貢献したいです。通勤途中や仕事帰りに受診していただけるように月曜日と木曜日は朝8時から診療し、月曜日と金曜日は夜8時まで診療しています。また、昼は13時まで診療していますので、不調や不安があれば昼休みを利用して来院していただきたいですね。お子さんは軽い症状でも受診してもらうほうが親御さんも安心できると思うんです。でも、仕事をしている方たちは、痛みや不調を我慢してしまうことがあるのではないでしょうか。働き盛りの皆さんこそ「この程度の症状で受診するのは気が引ける」などと思わずに、何でも相談していただきたいです。救急医ですから夜間や診療時間外の患者さんにも対応できるように電話相談窓口も開設しています。お気軽にご連絡くださいね。

読者や患者さんへのメッセージをいただきたいです。

高橋充院長 高輪みつるクリニック6

先日、当院のホームページで私の経歴をご覧になった患者さんに「急性疾患でなくても診てもらえますか」と聞かれたのですが、もちろん構いません。開業を決意してからは一般内科や生活習慣病治療の勉強もしてきました。救急医療で、さまざまな症例を診療した経験を生かして、お子さんから高齢の方たちの病気もけがも診察したいと思っています。「とげが刺さった」という時も来院してください、抜きますから(笑)。また、地域の医療機関での集中治療を終えて、退院された方たちが生活や仕事に復帰するためのフォローアップもしていきたいです。この街のお医者さんになりたいと思いますので、よろしくお願いします。

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