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岸川 政信 院長の独自取材記事

和み在宅診療クリニック

(福岡市城南区/別府駅)

最終更新日:2026/02/13

岸川政信院長 和み在宅診療クリニック main

福岡市営地下鉄七隈線の別府駅から徒歩約10分の場所にある「和み在宅診療クリニック」。2022年4月に開業。その名のとおり在宅医療をメインとしたクリニックだ。院長の岸川政信先生は、大阪大学病院や久留米大学病院・済生会福岡総合病院・福岡市民病院などにおいて、長年にわたって救命救急医療に従事してきた。クリニックでは高齢者を中心に診療し、患者の主訴に柔軟に対応しながら、生き生きと生活できるよう多方面から支える。また、在宅医療に伴うさまざまな不安を抱える患者家族のサポートも欠かさない。多忙でありながら穏やかな表情を絶やさず、一人ひとりの話に丁寧に耳を傾ける姿が印象的だ。「私の役割は、患者さんを笑顔にすること」と語る岸川院長に、開業した経緯やクリニックの診療方針、患者との向き合い方などについて聞いた。

(取材日2026年1月21日)

父親の背中を追って、へき地医療を志す

医師をめざしたきっかけを教えてください。

岸川政信院長 和み在宅診療クリニック1

私は佐賀県の生まれで、父はへき地医療を担う医師でした。村の家を一軒一軒回って診療し、具合の悪い人がいればスクーターで飛んで行っていたようです。私が2歳の時に父は福岡へ移り住みましたが、そんな父の話を聞いて憧れを抱いていました。小学生の時、学校の帰り道でたまたま往診に向かう父と会ったことがありました。「一緒に行くか?」と聞かれ、なんとなくついて行ったのですが、向かった先で患者さんやそのご家族から感謝される父を見て「往診って良いなあ」と漠然と思っていました。その後、医師をめざして山口大学医学部に入学してからも、その思いは変わりませんでした。

長年、救急の現場にいらしたと聞きました。

大学在学中、山口県の山陰側の医療過疎地域で診療所を開設したという先生に会いに行きました。台湾出身の先生で、日本で医学を学んだ後、帰国してからは国立病院の院長まで勤められた方です。先生は「大学を卒業したら医療過疎地域の医師になりたい」と意気込む私に対して、村にたった1人の医師の過酷な現状を教えてくれました。昼夜関係なく患者が訪れ、プライベートな時間がほとんどないこと。内科だけでなくさまざまな病気やけがを診なくてはならないこと。そして最後にこう仰いました、「どんな病気でも診られるように、まずは都会の症例の多い病院で経験を積みなさい」と。先生のこの言葉を胸に、大学を卒業した後は大阪大学病院の特殊救急部へ進みました。当時、先輩からはここで研修すれば医師として怖いものはなくなると言われていたのです。最終的には、大阪や福岡のいろいろな救急医療機関で35年間救急の経験を積みました。

救命救急センターでの経験は、先生にとってどのようなものでしたか?

岸川政信院長 和み在宅診療クリニック2

外傷外科を中心にトレーニングを積んできましたが、専門に関係なく運ばれて来た患者さんを診なくてはいけませんので、本当にさまざまな疾患を経験できました。まずは状態を落ち着かせて、何とか持ちこたえられる状態にしてから専門の医師に申し送るというファーストエイドの役割です。働き始めた当初は、オールラウンダーで「専門外だから」と言って逃げられない恐怖や、「自分は一体何が専門なのか?」という疑問や劣等感に苛まれることもありました。しかし、時間に関係なく患者さんが発生し、幅広い病気に対応することが求められるという経験が、今の在宅診療につながっている部分でもありますね。

薬だけに頼らず、患者の可能性を引き出したい

長い道のりを経て、4年前に念願のクリニックを開業されたというわけですね。

岸川政信院長 和み在宅診療クリニック3

新型コロナウイルス感染症が流行してからは、大きな病院では感染から病院を守るために医師の動ける範囲に制限があったり、患者さんがご家族と面会できなかったりと、私自身働いていて心苦しい期間が続いていました。そんな期間を過ごすうちに、もっとフットワーク軽く動きたいという思いが強くなり、クリニックを開業しました。医療過疎地域ではありませんが、ずっとやりたいと考えていた在宅医療に力を入れ、通院が困難な方や自宅療養している方のご自宅や老人ホームなどの施設を定期的に訪問しています。患者さんは高齢者がほとんどで、認知症や高血圧、糖尿病などの生活習慣病の方が多いですね。中には、パーキンソン病やがんの患者さんもいらっしゃいます。

具体的にどのような診療をされていますか?

定期的な訪問診療では検温や脈・血圧・指先の酸素飽和度等を測り薬の処方を行い、必要に応じて採血・検尿・検便、ポータブルの心電図・超音波診断・呼吸機能検査(簡易スパイロメトリ-)など、また緊急時の往診など食べられない状況では点滴を行うこともあります。 入院が必要と判断した時には入院設備のある医療機関との連携もかかさず行っております。また、日々の認知機能の低下や筋力低下を予防するために下記にのべるような会話や動作を交えたゲーム・トレーニング指導、そして力試し(握力測定)も行っています。

診療の際、大切にしていることを教えてください。

岸川政信院長 和み在宅診療クリニック4

医師というのは、仕事柄どうしても悪いところを探してしまいがちですし、患者さんご自身も自分のできなくなったことにのみ注目されている方が多いのですが、私は患者さんの良いところを見つけて元気になっていただきたいと考えています。そのためには患者さんが若い頃に得意だったことや趣味の話を聞き出したり、一緒に「アルプス一万尺」の手遊びを楽しむことにも短いですが時間を割いています。手遊びが少し上手くなったり、握力測定で少し記録が伸びると「頑張ればまだ伸びることはあるんだ」と自信を取り戻して喜ばれます。フランス発祥の認知症ケア技法「ユマニチュード」にも心がけており、認知症の方では、視野が狭いことを考慮して正面から目線を合わせて声をかけたり、難聴の方にはマスクを外して口の動きを見せながら話したりするなど、安心してもらえるよう工夫しています。

地域の人が笑って生きていくためのサポートがしたい

末期の患者さんとはどのように向き合っていますか?

岸川政信院長 和み在宅診療クリニック5

とにかく患者さんご本人が苦しまないように、というのが一番です。また、ご家族も「このまま家で見ていて良いのだろうか。入院させたほうが良いのではないか?」と不安を抱えておられるので、その不安に寄り添うようにしています。私自身も、母を在宅で看取った経験があり、改めて在宅の難しさを感じるとともに、ご家族の気持ちをよりわかってあげられるようになった気がいたします。もちろん大きな病院に入院したほうがより専門的な治療が受けられるのですが、感染症流行下などにおいては面会の機会が少なく、最期の時期にご家族が十分には立ち会えないという可能性もあります。そのため、残された時間を住み慣れた環境でご家族と過ごしたいと在宅医療を希望される方が増えていますので、そのご希望に添えるよう医師としてできることを続けていきたいと思います。

健康のために、日々できることはありますか?

最近お勧めしているのは、ハーキーステップというトレーニング。しっかりしたテーブルや手すりにつかまって立ち、脚をやや広げ、その場で素早く足踏みをするという動きです。足踏みのスピードは、それぞれできる範囲で構いません。少しのスペースでできて、気軽に取り組めるのが魅力です。椅子に座ったまま行っても構いません。お年寄りは転倒による骨折や頭のけがが多いのですが、このハーキーステップを毎日続けることで、転びそうな時に足が2、3歩前に出て踏みとどまれるような反射動作や、1~2秒間でも手をつくまでの時間的余裕が生まれます。また、椅子に座ったまま尻を5cmほど浮かす尻上げ運動で太ももの筋肉を鍛えることも、立ち上がる力の維持に役立ちます。

最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

岸川政信院長 和み在宅診療クリニック6

人は年を取ると、できないことが増えていきます。その中でも、まだできることや残された楽しみを見出してほしいと願っています。治療はもちろんですが、患者さんが病気とうまく付き合いながら、笑って生きていくためのお手伝いをする、というのが今の私のモットーです。通院が困難となった方や長期入院中でご自宅や施設に戻って療養を続けたい方がおられるご家族は、通院・入院先の主治医の先生やケアマネジャー(介護支援専門員)にご相談ください。当クリニックでも訪問看護師や理学療法士など多職種との連携を図りながら、患者さんとそのご家族が和みのある人生を送れるようサポートさせていただきます。

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