上顎の発育をサポートして歯並び改善を図る
6歳からの顎顔面矯正
れいファミリー歯科・矯正歯科
(大阪市城東区/新森古市駅)
最終更新日:2024/09/24
- 自由診療
永久歯が生える頃からわが子の歯並びが気になり、矯正相談に足を運ぶ親子が増えている。大阪市城東区にある「れいファミリー歯科・矯正歯科」の疋田貴志院長も、実際に多くの子どもたちの診療を通して矯正治療の必要性を痛感しているそうだ。「歯並びや噛み合わせは見た目だけでなく、健康にも大きく関係しています。そこで、私が取り組んでいるのが、歯のベースとなる顎の骨を広げる目的で行う顎顔面矯正です」ワイヤーなどを使用する通常の矯正治療とは違い、特殊な固定式装置を装着し成長期の力を利用して行うこの治療方法は、鼻呼吸機能の獲得にも影響があるという。成長期の小児にのみ適応される「子どものための治療法」について、疋田院長に詳しく話を聞かせてもらった。
(取材日2024年8月8日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q通常の矯正と、顎顔面矯正はどのような違いがありますか?
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A
一般的な矯正治療は、ワイヤーなどを使用して歯並びを整える目的の治療です。完成した骨格に対して行うため、年齢に関係なく治療できますが、土台になる顎が小さければ抜歯を伴います。一方、顎顔面矯正は歯を動かすのではなく、固定式の装置を歯の内側に装着して1日1回ねじを回して拡張し、正常な大きさまで顎の発達を促すことで自然に歯を並べることをめざす治療です。顎の発達に伴って正常な呼吸機能の獲得にもつながることが望め、審美面だけでなく健康面にも良い影響が期待できます。出っ歯や受け口などの不正咬合にも有用で、抜歯や骨を切るといった大がかりな治療の回避もめざせますが、適応時期は限られます。
- Q痛みや、顔貌への影響が心配です。
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A
個人差はありますが、装置を装着して数日間は圧迫感や違和感を感じるでしょう。2〜3日は食事の際に鈍い痛みを感じるかもしれません。しかし日常生活に支障が出るほどの強い痛みを感じることはほとんどなく、痛みが続くこともまずないでしょう。また、顔が大きくなったりする治療法ではなく、むしろ顔つきは良くなります。ただし、顎の拡大期には一時的に歯と歯の間に隙間が大きく空いたり、鼻翼が広がったように感じられる時期があります。しかしこれも成長によって顎のバランスが整うとともに解消していくでしょう。さらに、歯並びが整えば、噛み合わせにも良い影響があり、顔の筋肉のゆがみも改善につながるかもしれません。
- Q顎顔面矯正の治療はいつ頃までに始めるべきですか?
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A
個人差はありますが、上顎の発育は小学生の間に終了してしまいます。その時期を逃すと顎顔面矯正に期待できる効果は軽減してしまうので、治療を理解し協力できる6歳頃を目安に、遅くとも9歳くらいまでに始めるのがお勧めです。「まだ小さいのに」と思うかもしれませんが、歯並びや顎の形によっては大きくなればなるほど治療が難しくなります。また幼い時期のほうが装置への順応も早く、装着期間も短くて済みやすいです。歯を動かす目的の治療ではないため、スタート時に永久歯が生えそろっている必要もありません。歯並びや顎の発育に不安がある場合は早めに相談し、心身の成長に合わせた治療計画を立てましょう。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1カウンセリング
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まずは子どもの歯並びや口腔機能について、気になる部分のヒアリングからスタート。同院では、よく口が開いている、口臭がある、姿勢・寝相が悪い、集中力がない、いびきをかく、風邪をひきやすく扁桃腺が腫れやすい、唇が荒れたり切れたりしやすいといった症状がないかも細かくチェックしているとのこと。口呼吸に伴い引き起こされる症状も、顎の発育不全が関係していることがあるためだという。
- 2検査・資料採取
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実際に診察し、不正咬合や口腔機能の状態を診査。その後、矯正治療に必要な情報を収集するために、顔と口の写真撮影、頭蓋骨や顎の骨のエックス線撮影を行う。また、口の中だけにとどまらず、鼻呼吸についても十分にチェックする。
- 3具体的な治療計画についての説明を実施
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カウンセリングや検査の結果をもとに治療計画を立案。写真や検査データを使用しながらわかりやすく説明することを心がけているそうだ。また治療期間に起こる問題点についても事前に説明。一時的に生じる歯の隙間や顔貌の変化についても事前に説明するよう心がけているとのこと。
- 4顎顔面矯正を開始
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治療計画に沿って治療をスタート。患者に合わせて作成した拡大装置を装着し、使い方を説明。治療期間は1日に1回装置の真ん中にある小さなねじを回し、顎の成長を促す。装着後には違和感や痛みを感じることもあるが、数日で和らいでいくという。食後には丁寧にメンテナンスする習慣をつけよう。
- 5定期メンテナンスでの通院
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治療期間は3ヵ月ごとに通院して治療経過を観察。同時に虫歯のチェックや歯石の除去、フッ素などのメンテナンスも行っている。装置を外してからも成長に合わせて観察し、修正が必要であれば装置を再度装着してより良い状態へと導いていく。治療期間は顎の成長が終わるまでの2〜3年ほどと考えておくといいだろう。また、矯正治療後も定期メンテナンスを続け、適切な歯列や口腔機能の維持をめざそう。
自由診療費用の目安
自由診療とは顎顔面矯正/33万円(調整料不要)
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。