湯川 譲治 院長の独自取材記事
アキバ歯科
(千代田区/秋葉原駅)
最終更新日:2026/04/08
秋葉原の中央通り沿いにある「アキバ歯科」。湯川譲治院長が2022年に開業した同院は、医療の堅苦しさや歯科医院受診への心理的なハードルを払拭するために、さまざまな工夫を取り入れるクリニックだ。サブカルチャーの拠点である秋葉原という立地を意識して湯川院長がつくり上げた、白とピンクを基調としたかわいらしい院内もその一つ。診療においては、患者とのコミュニケーションを重視し、積極的な対話から本音を引き出すことに努める。患者と対等な関係性を築いていきたいという湯川院長に、同院のコンセプトや診療への考え方について聞いた。
(取材日2026年2月19日)
秋葉原だからこそ実現できた、入りやすい歯科医院
かわいらしい院内ですね。開業の経緯を教えてください。

はい。医療の堅苦しさや、歯科医院への恐怖心を払拭したいというのが本音でして、患者さんが来やすいように考えたのがこの内装です。開業を決めてからメーカーの方と相談した際に、せっかくだから振り切ったコンセプトが出せる場所から探していこうという話になりました。正直、秋葉原周辺では見つからないだろうと思っていたのですが、運良く物件が見つかりまして。秋葉原だからこそ、こういう形が許されるだろうと考え、かじを切りました。白と薄いピンクの色合いも自分で決めましたし、「歯科医院だからこれをしちゃいけない」という固定観念は無視しています。どんな見た目であろうが、実際に清潔であることのほうがずっと大事だと思っているので、本質的にきれいな状態を保つことを大切にしています。
どのような患者さんが来院されていますか?
秋葉原に何かしら来る理由がある方が多いですね。歯科医院に来た帰りにこの辺りを回るというより、もともと秋葉原に用事があって、ついでに通ってくださる方が多い印象です。インプラントを希望される患者さまのために、専門の先生にも来てもらっているので、そうした専門治療を求めて来院される方もいらっしゃいます。年齢層は20代から50代が中心で、10代や60代以上の方はほとんどいらっしゃいません。男女比は7対3、もしかすると8対2くらいかもしれませんね。仕事帰りの方が多く、夜19時からの診療枠は人気があり、2〜3週間先まで予約が埋まることもあります。また、何年も歯科医院に行っていなかった方が突然来てくださることもあって、それはとてもありがたいことです。歯科医院に縁がなかった人が興味を持ってくれるのは、歯科業界全体にとって良いことですし、この雰囲気が少しでも手助けになっていれば嬉しいですね。
先生が歯科医師の道を選んだ経緯をお聞かせください。

もともと母が医師だったこともあり、医療の道は意識していました。ただ、いわゆる勉強めいた勉強があまり好きではなくて、医師の道には進めなかったんです。その代わり、昔から手先が器用だと言われていて、若い頃は電子工作のためのパーツを探しに秋葉原へ足を運んでいました。当時の秋葉原は電気工作や電機メーカーが集まる街で、そこに少しずつマニアックな文化が入り始めた頃でしたね。一度は電子情報学科のある大学に進んだのですが、体を壊して入院することになり、親と進路について話し合いました。その際に「資格のある道へ進むように」と言われ、歯科医師になることを決めたんです。実際に大学で学び始めてみると、理論に基づいた学問が意外と面白く、自分に合っていることがわかりました。手先の器用さが生きる場面もありますが、それだけで成り立っているわけではないと強く感じています。
患者との対話を軸に、口腔ケアの大切さを伝える
先生はとても話しやすい雰囲気ですが、昔からそうだったのですか?

実はもともと対話がとても苦手だったんです。若い頃、秋葉原を歩いていても、お店の人に何かを聞くことすらできませんでした。自分が何をしたいのか、相手にどう伝えればいいのかわからなくて、聞けないまま何度もお店を行き来していたこともあります。転機になったのは歯科大学を卒業してからのことで、ある時ふと気づいたんです。「自分でもコミュニケーションができるじゃないか」と。それまでは自分は人と話すのが下手だと思い込んでいたのですが、実際にはそうでもなかった。それ以来、話すことも聞くことも好きになって、患者さんと話すのはおそらく一生やめられないだろうと思っています。中学までの自分、高校以降の自分、そして歯科医師になってからの自分は、まるで別人のように違いますね。3回くらい変わったと自分では思っています。
診療で大切にしていることを教えてください。
コミュニケーションが一番大事だと思っています。患者さんが悩みを打ち明けてくださったとき、その大きさをしっかり受け止めて、隠れた問題もこちらから提示していく。そのためには、ある程度話して情報交換をしないと難しいんですよね。また、患者さんに「引き返す道」をなるべく用意しておくことも心がけています。歯科に強い恐怖心を持つ方には、最初から「当日来てできなかったら他のことをするから、それでも構わないです」とお伝えしますし、治療中も「左手を上げてくれたら止めるので、我慢しすぎないでください」と声をかけるようにしています。患者さんより歯科医師が上の立場でいるという関係性は好きではないので、自分から下がるようにしているんです。対等な関係でこそ、本音で話し合えると思うからです。
日本の歯科医療について思うところはありますか?

一番気になるのは、日本の医療システムでは実際にかかるお金が見えにくくなっていることです。例えば、保険診療で1本をプラスチックで治療するだけなら、患者さんの負担はごくわずかですが、実際にはその数倍の費用がかかっています。同時に、保険診療でできる治療は最低限のものであることを理解しないまま受診される方も多いのが現状です。私自身、口腔ケアにそこまでお金をかけるべきだと思えるようになるまでには時間がかかりました。最近よく患者さんにお伝えしているのは、「虫歯や歯周病はほかの病気と同じように治療が必要なんですよ」ということ。根本的な原因に対処しなければ、進行の抑制しか望めません。だからこそ、患者さん自身の努力も必要で、定期的なメンテナンスや毎日の歯磨きを含めて、全部合わせてやっと平均点なんだとお話ししています。
歯科業界全体で患者へ歩み寄ることをめざしたい
スタッフさんについて教えてください。

延べで20人以上のスタッフが在籍しています。患者さんへの対応について、私から細かく指示することはあまりしていません。私が指示すると、スタッフは私の指示に合わせた顔をつくらなければならなくなってしまい、それは個性ではないと思うからです。その代わり、面接の段階から「私はこういうフランクな歯科医師なので、何かわからないことがあったら聞いてほしい」と伝えています。私に聞けるスタッフは、患者さんの質問も受けられるし、その質問を私に確認することもできる。そういう流れが自然にできれば良いなと思っているんです。何より、私自身が患者さんに対してフランクに接することで、「あれで良いんだ」とスタッフに伝わるようにしています。実践して見せることが、一番の伝え方だと考えています。
今後の展望についてお聞かせください。
少しでも歯科医院が身近に感じられて、最初に行くときのハードルがなくなれば良いなと思っています。当院では歯ブラシの使い方のレクチャーを受けるだけで帰れるメニューを用意しています。秋葉原らしくインスタントカメラでの記念撮影もできるようにしていて、治療をしなくても来院できる選択肢があるんです。私がめざしているのは、歯科業界全体が患者さんに少し近くなること。当院のような方法がすべてではありませんが、こういうやり方もあるんだよということを見せていきたいですね。それによって歯科業界全体が潤って、患者さんの口腔への意識が高まれば、それで十分です。
読者へメッセージをお願いします。

私たちアキバ歯科は、患者さんにとにかく良い診療がしたいと思っています。そのためには、患者さんにも協力していただきたいことがあるんです。私はコンビニでレジの方に「ありがとう」と言うようにしています。それは、良いサービスを受けたいから、こちらから良いお客さんになろうとしているんですね。医療の場面でもそれは同じで、お互いに良い関係を築けることが一番だと思っています。堅苦しくなく、気軽に歯科医院へ足を運んでもらえるよう、これからも工夫を続けていきたいです。ぜひ、肩の力を抜いて当院に足を運んでみてください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/40万~
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