高石 真那斗 院長の独自取材記事
日向たかいしクリニック
(日向市/日向市駅)
最終更新日:2026/03/13
宮崎県北部に位置する日向市。中心部の日向市駅から徒歩圏内、23台分の駐車場を完備する「日向たかいしクリニック」の高石真那斗院長は、宮崎大学医学部卒業後、宮崎市立田野病院、宮崎県済生会日向病院で内科と訪問診療に携わってきた地域医療の担い手だ。学生時代からの目標であった「地域に寄り添う医師」として院内での診療のみならず、日向市を含む近隣エリアでの訪問診療も積極的に行っている。午前中を訪問診療にあてることで、多くの患者のもとへ足を運び、一人ひとりに寄り添った診療を実践。働く世代や学生も通いやすいよう設定した午後の外来診療は、完全予約制を採用。待ち時間を少なくした診療体制となっている。「家族みんなのかかりつけクリニック」をめざす高石院長に診療への想いや地域医療について語ってもらった。
(取材日2026年1月6日)
地域に根差した医師として総合診療を届けたい
高石先生が医師をめざしたきっかけを教えてください。

高校生くらいの頃から、地域に根差した総合診療を行う医師に憧れていました。それで、地元である宮崎大学医学部を受験し、医師をめざしました。医師になってからは、宮崎大学医学部附属病院などで内科・外科・精神科・小児科・産婦人科など一通り経験し、宮崎大学医学部附属病院コミュニティ・メディカルセンターに所属する流れで、宮崎市立田野病院で内科医として勤務しました。宮崎市立田野病院は人口1万人ほどの田野地域にあり、入院ができる唯一の病院です。ここでは総合診療や地域医療について研鑽を積み、診療部副部長まで務めさせていただきました。その後、学生時代から良くしていただいていた教授が、日向市の宮崎県済生会日向病院で院長に就任されたご縁で、同病院で3年半内科医として勤務しました。
開業の経緯をお聞かせください。
病院に属していると、病院のルールの中で動かないといけないことが多く、自分がやりたい医療をかたちにしづらいジレンマがありました。また、高校生の頃から「開業してクリニックを持ちたい」という夢がずっとありました。場所については、宮崎県済生会日向病院で働いていた頃に、日向市がとても過ごしやすい町で地域の人も温かく、とても気に入ったので、ここに決めました。勤務医時代には訪問診療にも携わっていたので、その流れで、開業後も同じ患者さんを担当させていただいています。当院の開業を決めたのが、新型コロナウイルス感染症の流行の真っただ中だったので、隔離できる部屋や外から直接出入りできる動線を設けるなど、感染症対策を意識した設計にしました。
どんな患者さんが多いですか?

当院は外来と訪問診療を半々で診察しています。外来で通院して通院が難しくなったら訪問へという移行がスムーズにできるのも、当院のメリットの1つです。特に末期のがん患者さんは容体が急に変わることがありますからね。訪問診療は午前中に行い、午後3時から6時半までは外来診療を行っています。訪問診療を午前にすると、処方したお薬がその日のうちに薬局から届けられるので自宅や施設で過ごす皆さんにとってもメリットが大きいんです。また、外来を午後に設定したのは働く世代や学生が通いやすいクリニックにしたい、という思いがあったからです。一般的な内科だと高齢者の受診が多くなるんですが、当院は10〜40代が4割程度で、内科としてはかなり珍しいのではないかと思います。患者さんは日向市・門川町の方が中心で、遠方だと延岡市・川南町・椎葉村などからも来ていただいています。
外来から在宅医療まで切れ目のない診療体制
診察の際に心がけていることは何ですか?

私が携わっている総合診療の世界では「診断の8割は問診で決まる」といわれていますので、まずは患者さんのお話をよく聞くことを大切にしています。話しやすい雰囲気をつくりながら、患者さんが「今、何を一番不安に感じているのか」「何が一番気になっているのか」を整理して伺うようにしています。診察の中で疑問や不安が残らないように意識していて、わかりやすい言葉を選ぶだけでなく、紙の資料や冊子をお渡ししたり、理解しやすいように図やイラストを使ったりしながら、納得いただけるまでお伝えしています。
どのような傷病に対応していますか?
高度な専門医療よりも、総合診療・一般内科を幅広く診ることを大切にしています。重篤な疾患や専門的な治療が必要な場合には、適切な医療機関をご紹介します。外来では若い世代の患者さんが多いので、風邪や胃腸炎をはじめ、片頭痛、貧血、過敏性腸症候群、花粉症を含むアレルギー性鼻炎など、若い世代に多い症状・病気が多いですね。私自身、片頭痛やアレルギー性鼻炎持ちでもあるので「こんな症状ありますよね」と共感しながら、アドバイスや治療をしています。高血圧症・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病の治療や予防にも力を入れていますね。外来は待ち時間を減らしたいので、ウェブ予約を導入した完全予約制です。定期通院の方や継続的な不調を抱える患者さんを中心に、1〜2週間先まで予約が埋まりますが、かかりつけの患者さんについては、発熱などの急な体調変化にも対応しています。
訪問診療ではどのような患者さんに対応されていますか?

訪問診療では「家で最期まで過ごしたい」という患者さんの気持ちを大切にしています。そのため、つらさを和らげ、苦痛を軽減するための緩和ケアを重視しながら、患者さんやご家族の希望に寄り添った診療を行っています。実際に伺っている患者さんは、通院が難しい90歳を超えるご高齢の方が多いですね。若い方でも、難病をお持ちの方や、がんの末期の患者さんのご自宅に伺うこともあります。
「家族みんなのかかりつけクリニック」として
助産師さんが常駐していらっしゃるんですね。

私の妹が看護師・助産師・保健師の資格を持っていて、大学病院での勤務経験を生かして一緒に働いています。女性の健康に関しては、月経前症候群(PMS)、更年期障害、乳腺炎、月経と関わる片頭痛、妊娠糖尿病、甲状腺の病気、骨粗しょう症など、産婦人科の領域と内科・総合診療の領域にまたがるような病気がいろいろとあります。また、若い女性を中心に産婦人科を受診することに抵抗がある方もいらっしゃいます。そのような方々に、まず助産師がお話を伺い、その後私が診察して適切な治療につながるように努めています。子宮頸がんワクチン接種や、アフターピルの処方にも対応しているので、ご相談いただけたらと思います。ほかには、臨床検査技師が在籍しており、心電図のほか、エコーで心臓・乳腺・腹部・血管・甲状腺などの検査を行えるのも特色です。
先生自身についてお話をお聞かせください。
休日は、ほぼ仕事をしています。平日に残った仕事を週末に片づけて、翌週に備える、という過ごし方が多いですね。開業してまだ年数も浅いですし、一人でやっている部分も多いので、どうしても仕事中心の毎日になっています。また、患者さんに生活指導をする立場として、まずは自分自身が無理のない範囲で、健康的な生活を意識するようにしています。特別な健康法はありませんが、体重が増えないように、食べすぎや食事の栄養バランスは日頃から心がけていますね。運動についても、日々の仕事の中で体を動かしながら、生活のリズムを大きく崩さないことを大切にしています。
読者へのメッセージをお願いします。

私がめざしているのは、地域に根差した「家族みんなのかかりつけクリニック」です。働く世代や学生の方も通える外来を大切にしながら、通院が難しくなった方は訪問診療へ切り替えるなど、年齢や状況が変わっても、継続して関われる医療体制にしています。一方で現在、多くのご予約をいただいているため予約を取りづらい状況があり、すべての患者さんのご希望に応えられていない点が課題です。だからこそ、可能な範囲で患者さん一人ひとりと真摯に向き合い、地域の皆さんにとって「日向たかいしクリニックがあって良かった」と思っていただける医療を提供し続けていきたいですね。これからもより良い医療の提供に努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

