宇都宮 亮 院長の独自取材記事
うつのみや皮ふ科
(松山市/余戸駅)
最終更新日:2022/11/24

2022年4月、松山市余戸に「うつのみや皮ふ科」を開院した宇都宮亮院長。松山市立余土小学校の向かい、住宅街の一角にある建物は明るく落ち着ける雰囲気を意識し、まるでカフェのような素敵なたたずまいだ。愛媛大学皮膚科での12年にわたる診療経験を生かし、日本皮膚科学会皮膚科専門医として診療を行う宇都宮院長は、赤ちゃんから高齢者まで、地域の人々の幅広い皮膚の悩みに応えている。「地域に根差した温かい誠実な医療」をめざす宇都宮院長に、同院の診療姿勢などじっくりと聞いた。
(取材日2022年10月19日)
アトピー性皮膚炎をはじめ、幅広い肌の悩みに応える
かわいらしい外観に、カフェのような待合室が印象的ですね。

設計士の方にも、病院らしくないカフェのような建物をオーダーしました。お待ちいただいている時間もリラックスして過ごしていただきたかったので、待合室は木目のナチュラルな感じで。窓も大きいので、明るく開放的な空間になり気に入っています。小上がりのキッズルームは日当たりの良い待合室の奥に設けています。美容皮膚科のエリアにはパウダールームも設置し、施術後は個室でゆっくりとお化粧直しをしていただけるようにしました。また、外部からの花粉や汚れもシャットアウトできるよう院内換気システムを導入し、感染対策の徹底にも努め、気持ち良く過ごしていただけるよう配慮しています。
先生のご経歴や開院までの経緯を教えてください。
皮膚科の開業医として働く父の姿を見て育ち、昔から皮膚科のお医者さんが最も身近な仕事でしたので、皮膚科の医師への道を歩むことは自然なことでした。愛媛大学医学部を卒業後、同大学の皮膚科の医局に在籍し、以降12年間研鑽を積んできました。この余戸地区を選んだのは、古くから余戸で開業されていた皮膚科の先生がもうすぐ閉院されるという話を聞き、バトンタッチというかたちで地域のお役に立てたらと思ったからです。2018年に愛媛大学大学院を卒業し学位を取得したこと、小学校や駅の近くにいい場所が見つかったこともあり、2022年4月の開業に至りました。
愛媛大学医学部ではどのような診療を?

愛媛大学病院では皮膚のがんなどの重症患者さんや入院患者さんの診療に加え、地域の診療を担うという理念に基づいた外来診療も多かったんです。近隣の患者さんの水虫やたこなどの一般的な皮膚疾患も診ていました。また褥瘡の外来も担当し、寝たきりや車いす生活での褥瘡、いわゆる床ずれの治療とリハビリテーションまで考えたケアに努めてきました。それからアトピー性皮膚炎ですね。重度のアトピー性皮膚炎で入院されている患者さんへのアトピー性皮膚炎の講義を担当していました。患者さんとそのご家族へ、アトピー性皮膚炎の原理や症状の説明、薬の塗り方、日常生活で気をつけることなどを説明するものですが、この経験が現在の診療に大いに生かされています。
説明と指導を重視した患者ファーストの診療
どんな患者さんが来られていますか?

向かいは小学校ですし、保育所や幼稚園、中学校も近くにありますので、患者さんの年齢層は0歳から5〜6歳までのお子さんの割合が高いですね。開院して改めて子どもの多い地域だということを実感しています。お子さんに多い症状としては、虫刺されやとびひ、水イボ、乳児湿疹、小児アトピー性皮膚炎などです。それから夕方の時間帯などは、ニキビに悩む中高生の患者さんが増えてきます。当院は一般皮膚科を診療していますので、もちろん成人の患者さんにも受診いただいています。アトピー性皮膚炎や乾癬、じんましん、帯状疱疹、たこ・うおのめなど、幅広い症状でお悩みの患者さんが来られています。
診療体制について教えてください。
丁寧な説明をすること、これがまず一番です。治療方法もこちらから押しつけるのではなく、患者さんがどうしたいかに耳を傾け、複数の選択肢をご提案します。そしてご自身で治療方法を選んでいただくことで、治療へのモチベーションを高めていただけるようにと考えています。当院は診察室が2室ありますが、私が第1診察室で診察をしている間に、第2診察室で看護師が問診や薬の塗り方などの指導を行います。症状についてはもちろん普段の洗顔やスキンケアの仕方、生活習慣などを看護師が細かくヒアリングした上で私につないでくれるので、スムーズかつ適切な診療が可能となります。愛媛大学病院の皮膚科病棟を経験した看護師をはじめ、経験豊富なスタッフが患者さんに寄り添った提案をしてくれているので、本当に助かっています。
患者さんのことを第一に考えている皆さんの思いが伝わってきます。

ありがとうございます。皮膚科の治療は病院だけでなく、普段の生活こそが大切。ですから私たちは患者さんのことを知り、その人に合わせたアドバイスを行う必要があります。例えばアトピー性皮膚炎の患者さんの場合、薬の塗り方は治療のほぼすべてといってもいいくらい重要なんです。同じ薬でも、塗り方を変えるだけで治療の結果が変わってきます。誤った塗り方で多いのは、擦り込むこと。皮膚のしわに薬を擦り込むように塗ると、しわの溝には薬が残りますが表面には残らないため、薬の働きを最大限に発揮できません。この塗り方指導については、看護師がすごく頑張ってくれています。
乾癬やニキビの治療にも高い専門性を発揮
子どもの診療において心がけていることはありますか?

基本的に優しく、怒らないことですね。「うちの子は病院嫌いなんですが、ここは嫌がらない」と言ってくださるお母さんもいて、雰囲気づくりがうまくいっているのかなとうれしく思います。また親御さんへのサポートも大切にしています。子どもがアトピー性皮膚炎やアレルギーではないかというご相談が多いのですが、乳児の段階で気をつけるのは、とにかく乾燥させないよう保湿をすること。アトピー性皮膚炎の体質は遺伝子レベルなのでそこを変えることは難しいですが、保湿をすることで発症を遅らせたり、重症化を防いだりできることが見込めます。目の悪い人が眼鏡をかけるように、アトピー性皮膚炎の素因がある子どもにはしっかりと保湿をしてあげる。ただ、保湿はあくまでも予防ですので、湿疹が出てきた場合は薬を使って治療をすることが重要です。そのタイミングを見逃さず、適切に介入できるように寄り添っていけたらと考えています。
治療内容や治療機器のこだわりを教えてください。
当院では、愛媛県内では数少ない全身型の紫外線照射装置を導入した光線療法を実施しています。紫外線は免疫に関わる細胞の調整や、かゆみの神経に作用することが知られており、乾癬やアトピー性皮膚炎などの治療に役立ちます。これまで全身に一度に紫外線を当てられる装置を持っているクリニックは少なく、全身の光線療法を受けるために愛媛大学まで通う乾癬の患者さんも多かったんです。ですので、そういった患者さんの負担を少しでも軽減したいという思いもあり導入しました。当院の紫外線照射装置は三面鏡型の大型のもので、全身に効率良く光線療法を行うことができ、従来のものと比べて治療時間の短縮も可能です。
美容に関する相談にも対応されているそうですね。

あくまでも一般皮膚科をメインにはしていますが、美容のお悩みにもできる限りお応えできたらと思い、アトピー性皮膚炎やニキビの方でも使えるスキンケア用品や化粧品も紹介しています。また、毛穴の詰まりの改善や皮脂の除去が期待できるケミカルピーリングも、ニキビにお悩みの患者さんのためにというところから導入しました。一般皮膚科の延長線上で、「肌を引き締めたい」「毛穴の詰まりが気になる」といった地域の皆さんのお肌のトラブルにお応えできる場所になれたらと思っています。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
お子さんからご高齢の方まで、地域の皆さんが気軽に利用できる「街のかかりつけ医」をめざして開業いたしました。私のモットーは「穏やかに、楽しく」。かゆみや痛みは生活の質を著しく下げてしまいますから、そのつらさを軽減するために全力を尽くしていきたいと思っています。アトピー性皮膚炎に長年苦しんでいる方、ニキビや乾癬、じんましんに悩んでいる方……諦める前に、お気軽にご相談ください。皮膚科専門の医師として丁寧な診療を行い、皆さまのお肌の健康を支えていきます。
自由診療費用の目安
自由診療とはケミカルピーリング/8500円~