椛嶋 直明 院長の独自取材記事
いろは歯科クリニック
(北九州市小倉南区/下曽根駅)
最終更新日:2023/03/14

JR日豊本線下曽根駅から車で約3分。2022年6月10日開業した「いろは歯科クリニック」は、白壁に木目が映える、まるで一軒家のようなたたずまい。「地域に溶け込み、誰もがリラックスして過ごせるように」という椛嶋直明(かばしま・なおあき)院長の真摯な思いが伝わってくるようだ。診療は、予防歯科、虫歯・歯周病治療、小児歯科、入れ歯、顎関節症治療、食いしばり・歯ぎしりの診療、セラミックを用いた治療、矯正、インプラント治療、ホワイトニングなど広く対応。半個室の診療ユニットが3台、完全個室もあり、歯科用CTやインプラントのためのガイドシステム、口腔内スキャナーなど先進的設備を備える。「予防歯科に注力し、患者さんの歯を守り抜く歯科医師でありたいです」と親しみやすい笑顔で語る椛嶋院長に、今の想いを聞いた。
(取材日2022年7月12日)
生涯付き合える、地域に根差した歯科医院へ
良い意味で歯科医院らしくない、すてきな一軒家風のクリニックですね。

ありがとうございます。子どもさんから高齢の方までどなたでも入りやすく通いやすい、地域に溶け込んだクリニックになるようにと、こういう病院っぽくないデザインにしてみました。歯医者さんに対するネガティブなイメージを払拭し、患者さんに少しでもリラックスして心地良く過ごしていただけるように、内装にもふんだんに木材を使用。壁一面を窓にしたり、テラスをつくったりと随所に工夫を凝らしています。また当院は駐車場がとても広く、17台分を確保。ゆったり余裕をもって止めていただくことができ、ベビーカーや車いすの出し入れも楽だと思います。もちろんバリアフリー設計になっています。
開業に至るまでの経歴を聞かせてください。
私自身は恥ずかしながら、高校生の頃まで将来の仕事について考えたことがなく、進路選択の土壇場で頭に浮かんだのが、歯科医師として働く父の姿でした。いや、それしか浮かばなかったというのが正直なところです。それくらいの気持ちで進学した九州歯科大学でしたが、もともと細かい作業や手先を動かすのが得意で、人と話すことが大好きという性格もあり、歯科医師という仕事の面白さ、やりがいを感じるように。卒業後は戸畑区や小倉南区の歯科医院に計10年間勤務し、歯科診療全般を幅広く高いレベルで対応できるように研鑽を重ねてきました。患者さんから「先生に出会えてよかった」「また来ます」といった言葉をたくさんいただけるようになり、今では、歯科医師の道に進んで本当によかったと思っています。
この地域に開業を決めた理由は何だったのでしょう。

自宅の近く、かつ子どもの学校の近くで開業したかったというのが最大の理由です。開業して1ヵ月ほどですが、子どもの同級生や親御さんが患者さんとして来院してくださることも多くありがたいですね。皆さんと生涯にわたってお付き合いできるような、地域に根差した歯科医院に成長していきたいと思っています。
歯科医院は、歯が痛くならないように行く場所
どんな歯科診療を実践していきたいとお考えですか。

痛みが出てから歯科医院に行くのではなく、痛くならないように歯科医院に来てもらう「予防中心型歯科医療」をめざしています。これまで、「もっと早く来てくれたら良かったのに」と思う患者さんをたくさん見てきました。私としても、お口の現状をお伝えして患者さんががっくり落ち込むのを見るのも、この歯はいつまで持つだろうかと思いながら治療を繰り返すのもつらかった。歯は治療しても、元には戻りません。人工のもので置き換えているだけなので、治療を繰り返すとやがて歯はなくなってしまうのです。そうならないように、一生自分の歯で食事ができるように、なるべく早い段階から関わって、健康な歯を長く維持するサポートができればと思っています。
予防歯科に注力されているのですね。
はい。定期的に歯科医院でプロフェッショナルケアを受けていただき、自宅でのセルフケアでは落としきれない歯垢や歯石を除去。虫歯や歯周病を早期発見し、進行する前に治療しやすいという大きなメリットもあります。特に歯周病は、ほとんど自覚症状がないまま進行し、気づいたときには歯を支えている顎の骨がなくなってしまうとても怖い感染症。虫歯や歯周病は進行すればするほど、治療に時間もお金もかかるものです。定期検診には保険が適用されますし、長い目で見れば歯科治療にかかる費用を抑えることが可能です。患者さんにとって予防歯科は、メリットが非常に多いと思いますよ。
やはり、子どもの頃から定期検診を受けていくことが大切なのでしょうか?

お子さんに、歯医者さんは怖くないと思ってもらえたらうれしいです。最近は、歯医者さんが好きな子と嫌いな子で二極化しているように思います。小さい頃から定期的に親御さんと歯科医院に通って、遊び半分で治療を受ける練習をしながらトラブルを予防するという好循環ができている子と、歯が痛くなってから歯科医院に初めて連れて来られて、最初から痛くて怖い思いをしたせいで次に虫歯になってもすぐ受診せず、また治療でつらい思いをするという悪循環に陥っている子。歯科治療にトラウマがあるお子さんを変えていくのは至難の業です。子どもの歯は親御さんの協力なくしては守れません。ぜひお子さんに、痛みやトラブルがなくても定期的に検診を受けるという習慣を身につけさせてあげてください。
矯正にはどう対応されていますか。
学校健診で歯並びのチェックを受けてくるお子さんが多く、矯正の必要性を強く感じています。見た目というより、正しい噛み合わせのためです。当院ではワイヤーを使った矯正のほか、マウスピース型装置を用いた矯正を提供。口腔内スキャナーを導入しているので、従来のような型採りの必要はありません。実は私は、マウスピース型装置を使って前歯を矯正した経験があります。自分がやったからこそわかるメリットや苦労する点もお話しできると思うので、興味のある方はお気軽にご相談ください。
患者の不安を解消する、一人ひとりに合った治療を
患者さんと接するときに一番大事にしていることは何ですか。

歯科医院に対する、痛い怖いといったイメージを払拭するため、患者さんとしっかりコミュニケーションをとり、これまで受けてきた治療で不満に思ったこと、嫌だったことまで含めてきちっとお話を伺い、誠実に対応することです。結局どこも同じだと失望させてしまわないように、患者さん一人ひとりに合った治療を提供していきたいですね。当院では初診でエックス線や口腔内カラー写真の撮影、歯周病検査などを行って資料を採り、個室のカウンセリングルームで患者さんのご希望を伺ったり、お口の中の現状を説明したりしています。ここで特に役立つのが口腔内カラー写真。「私の口の中こんなに汚かったの?」とショックを受ける方もいらっしゃると思いますが、痛みはないけれどここに虫歯がある、歯茎がこれだけ腫れている、など患者さんからも一目瞭然。治療への納得度が違ってくるはずです。
院内感染対策のために取り組まれていることはありますか。
ヨーロッパ基準をクリアしたクラスB滅菌器、ハンドピース専用滅菌器、自動高圧蒸気滅菌器などさまざまな設備を駆使して、歯科治療で使う器具を徹底的に滅菌しています。治療中の粉じんなどを吸い込む口腔外バキュームは全診療ユニットに設置、医療機関向け空気浄化装置も備えています。また、診療ユニット内の配管の中まで毎日きれいに洗浄し、患者さんの口の中に入る水が清潔に保たれるよう細心の注意を払っています。だって、自分の口に入る水に菌が増殖してるなんてぞっとするでしょう。自分がされたら嫌なことはしない、その一心です。
今後、どのようなクリニックをめざしていかれますか。

私の苗字は椛嶋というのですが、「椛」の字は「もみじ」とも読みます。日本で最もよく見られるといわれる紅葉の代表種である「いろはもみじ」にヒントを得て、クリニックの名前をつけました。紅葉のように、人に安らぎを与えられる存在になりたい、そして季節によって色を変えていく紅葉のように、私も変化を恐れず成長し続けていきたいと思っています。まだ開業したばかり。来ていただける方一人ひとりを大事に、一生懸命向き合っていきます。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミックを用いた治療/セラミックインレー5万円~、セラミッククラウン(臼歯)7万円~、セラミッククラウン(前歯)10万円~
マウスピース型装置を用いた矯正/部分矯正40万円〜、全額矯正75万円〜
インプラント治療/ 35万円〜
ホワイトニング/オフィス3万円(2回セット5万円)、ホーム2万円