島 和弘 院長の独自取材記事
しま歯ならび矯正歯科
(堺市西区/鳳駅)
最終更新日:2024/09/13

阪和線鳳駅の東口から徒歩1分。駅前のロータリー沿いに立つビルの1階にある「しま歯ならび矯正歯科」。待合室は天井が高く、自然光が差し込む開放的な空間だ。島和弘院長は、矯正歯科専門の同院を開業し、ファミリー層の多いこの地域で子どもから大人まで多世代の患者と一緒に矯正治療に向き合ってきた。初診相談では、時間をかけて診察に基づいた説明を行い、できるだけ患者の持っている悩みや不安に向き合う姿勢を大切にしている。元気な笑顔が魅力な院長に開業までの経緯やクリニックの特徴などをじっくりと聞いた。
(取材日2024年7月4日)
地域全体で連携、ファミリーが安心して通える環境に
開業への思いをお聞かせください。

大学院卒業後はフリーランスとして技術を磨いていましたが、その経験を経て、自分の考える歯科医療を実現したいという思いが強くなり、開業に至りました。見た目を重視するのはもちろんのこと、機能から治すことに重きを置いた矯正治療を行いたいという思いがありました。お子さんであれば順調に発育ができるように、その成長段階に応じたアプローチを心がけています。大人は審美面を気にされる方も多いですが、機能面の重要性もお伝えしています。
この地域の特徴を教えてください。
ファミリー層が多く活気のある地域です。当院も小児の患者さんが6割ほどを占めています。近隣の小児歯科専門の先生が熱意のある方で、「この地域を1つの大学病院のように捉えて多分野で連携したい」という思いを持っておられ、私もその考えに賛同しています。そのため日々、小児歯科や口腔外科、耳鼻科などと連携させていただいてより良い治療ができるよう心がけています。例えば、発音の障害がある小児の患者さんであれば小児歯科専門の先生とともに言語聴覚士とも連携しながら、口腔周囲筋のトレーニングをしつつ、歯科矯正を行って口の中の容積の拡大をめざす、という取り組みも行っています。
内装や設備のこだわりはありますか?

内装は子どもの患者さんが緊張しないようやわらかい雰囲気を意識しています。診察室は半個室でユニットは2台あります。診察室はカウンセリングルームとつながっており保護者の方が説明を受けながらお子さんの診療も見られるようになっています。歯科治療といえども大切なお子さんを預けるのは心配だと感じる方もいるのではないかと考え保護者の方の目の届くところで診察ができるようにとそのような形にしました。設備としては歯科用CTや口腔内光学3Dスキャナー、鼻呼吸流量計などを取り入れています。歯科用CTはお口の状態を3次元的に検査し、より精密な診断を行うため導入しました。光学3Dスキャナーには小型カメラがついており口の中を撮影することで患者さんそれぞれの歯並びの3Dモデルがその場で完成します。鼻呼吸流量計は矯正治療前後で鼻の通りやすさを確認することで口呼吸から鼻呼吸への改善状態や全身状態の把握などに役立てています。
スタッフについてお聞かせください。
とても優秀なスタッフがそろっています。「機能から治す」という理念の共有がしっかりできていて、日々の行動からもスタッフが心の底から理解してくれていることが伝わっています。私が大きく指示していなくても、今、何が必要かをすぐ察知してくれます。そのため患者さんへの細かい部分のケアや説明などを安心して任せられます。
初診のカウンセリングで十分に時間を取り徹底して説明
診療の中で心がけていることはなんでしょうか。

患者さんに診察内容をしっかりと伝えることを心がけています。初診の相談と説明にはできるだけ患者さんの疑問や不安が解消できるようにじっくり時間をかけています。初診相談後に出てきた疑問にも、電話にて再度説明させていただいたり、ご希望の患者さんには2回目の相談という形でご来院いただく場合もあります。基本的に自由診療である矯正治療はどうしても高額の診療になるため、患者さんに納得してもらった上で診療を受けてほしいという思いがあります。
矯正歯科の内容について教えてください。
大人の矯正では、舌側矯正も含めたワイヤーを用いた矯正、マウスピース型装置を用いた矯正など、いくつか種類があります。それぞれに特性があるため、症例に合わせて、最大限効果が見込める手法を見極めます。また小児矯正では、成長に合わせた矯正治療に力を入れています。矯正を開始するのは6〜7歳というイメージがあると思いますが、私は3〜5歳からできることがあると考えています。特に3歳児健診での指摘内容は重視しており、3歳頃に受け口を指摘された場合には早めの介入が大事です。症状の度合いにもよりますが、早くから歯科に慣れてもらって定期的に観察しておくことで、適切な成長へと、早めに軌道修正することができるでしょう。
小児矯正で重視しているポイントはどこですか。

特に舌の位置と呼吸方法に気を使って診察しています。根本的な改善のためには、単に矯正をするだけでなく、問題が生じている要因を探ることが大事です。歯並びは舌と顎の均衡でできていますから、もし舌が下がっていることで歯並びに問題が出ているなら、呼吸がうまくできていないということになります。そのため器具や舌のトレーニングで改善を図ることが大切です。他には、アデノイド肥大などの咽頭の腫れも呼吸がうまくできていないことを示します。その際は耳鼻科と連携し、内科的な領域の診療を依頼することもあります。
小児の患者さんにも、都度声かけしながら丁寧に診療をされるそうですね。
何事も説明してから診療にあたるのは大人も子どもも同じです。今日やる内容を事前に伝え、診療中も動作一つ一つの意図をお伝えし、最後に今日できたことを報告する、このことを徹底しています。また初診と比較して、現在はどのような状態かもしっかり時間を取ってお伝えするようにしています。そうすることで、思い違いが起こることも防ぐことができると思っています。
大学病院での経験を胸に、患者のために日々進化
大学病院での経験や印象に残っていることについてお聞かせください。

大学では臨床だけではなく、基礎研究や教育にも携わっていました。研究では骨粗しょう症や抜歯と薬品に関する研究などで論文を書いていました。臨床では難病や発達障害のお子さんなどを担当したこともありました。私はどちらかというと淡白なタイプであまり患者さんとの距離は近くないと思っていたのですが、大学病院を辞めるときには思いがけず患者さんから多くのお手紙をいただきうれしかったです。中には別れを惜しんで泣いてくれるお子さんもいました。そういった皆さんの思いにふれられたことは今でも心の支えになっています。
先生は休日をどのように過ごされているのですか。
基本的には、患者さんの治療方針や治療方法についてじっくり考える時間にあてています。矯正治療を進める上では、精密検査で採得したデータをしっかり分析し診断するというステップが非常に重要です。精密検査時に採るデータはかなり丁寧に採らせていただいているのはこのためですので、ご了承ください。その他の時間は、歯学に関するセミナー受講に時間をあてています。私はそんなに要領の良いタイプではありませんから、せめて勉強をする努力して日々の診療に還元できればと思っています。ただ、あまり体力があるほうではないので、休みはしっかり取るように気をつけたいです。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

院内のデジタル化を推進して、予見性の高い矯正治療で患者さんの負担を減らしたいと考えています。力の限り、できる限り全力でというのが当院らしさだと考えています。お子さんから大人の方まで、その状況に応じた最善策を提供するためスタッフと力を尽くしておりますので、ぜひ気軽にご来院ください。皆さんのご来院をお待ちしております。
自由診療費用の目安
自由診療とはワイヤー矯正/87万4500円~、舌側矯正/114万9500円~、マウスピース型装置を用いた矯正/98万4500円~、小児矯正/37万9000円~、小児矯正 5歳前後/12万6500円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。