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保坂 和穂 院長の独自取材記事

きずな歯科医院

(横浜市南区/弘明寺駅)

最終更新日:2022/08/04

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京急本線弘明寺駅から徒歩2分。「きずな歯科医院」はまるで庭のように観葉植物があり、クリニックらしさをあえて省いたつくりになっているが、そこには「患者さんが緊張しなければもっと通いやすくなるのでは」という保坂和穂(ほさか・かずほ)院長の思いがある。他にも高齢者・子どもでも使いやすいようにうがい用の機器が回転式になっているなど、随所に患者への配慮がなされている。また同院はできるだけ歯を残す方針。「患者さんにはご自分のお口にもっと興味を持ってもらいたい」という院長の言葉のとおり、患者自身で治療を選択できるよう、リスクや歯に関わる情報を丁寧に伝えていくことも大切にしている。訪問歯科など幅広い治療を提供する同院について、院長に詳しい話を聞いた。

(取材日2022年7月5日)

リラックスできる空間づくりで患者が通いやすい環境に

観葉植物も多く、受付もパッと見では見えない最小限のつくりになっていますね。

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クリニック感が出る棚などの必要性はどれくらいだろうと疑問に思っていました。設置しなくても診察にはまったく影響がないと判断したので、そこを取り除くことにしました。そうすることで、患者さんがもっとリラックスできる空間をつくれるのではないかと思いました。特に受付はクリニックにも病院にも当然のようにあるものですが、それがあることで患者さんが無意識のうちに緊張感をもってしまうことを避けたいと考えて最小限のスペースにしました。受付に場所を割かなくても、コミュニケーションをしっかり取れば診療には特に問題はありません。ありがちな物販スペースもありません。そういうことを考えてつくっていくと、固定概念にとらわれない、いい意味で「クリニックらしくない」クリニックができあがりました。

先生が診察で心がけている点は何でしょうか?

患者さんが安心できる空間づくりを心がけています。その一つとして患者さんへのお声がけを意識しています。「大丈夫ですか?」「痛くないですか?」「痛いときは手を上げてください」のお声がけはもちろんですが、他の先生より話しかけることが多いようです。というのも、やはり歯科医師が黙り込んだままだと患者さんは緊張されますし、そうなると血圧も上がってしまいます。治療の際のリスクも軽減できるのではないかと考えています。また患者さんへの声がけで患者さんは自分の意見や希望を言いやすく、質問をしやすくのなるのではないかと思っています。もちろん眠ってしまった方に話しかけることはありませんが、緊張を解きほぐすことを重要視しています。そうすれば自然と、治療やメンテナンスにも通い続けてくださるのだと思います。

治療では歯を残すことを大切にしておられるとか。

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できる限り抜かず、生まれ持った歯を保存していく方針です。歯周病であれば外科的な処置も行いながら、歯を残す道を模索していきます。治療においては患者さんのモチベーションもとても大事ですから、患者さんの意思をできるだけ尊重しています。たとえ教科書的な考えでは歯を抜くほうが正しい治療だとしても、患者さんが痛くないから、抜きたくないと思われるのであればその思いを尊重したいです。もちろん、残す場合のリスクはお伝えします。そうやって正しい情報を十二分に提供し、ご自身の口腔環境に興味をもっていただき、ご自身で治療を選んでいけるよう一緒に歩んでいくのが、私たちの役目なのだと思います。

自分らしさを発揮できる「歯科医師」をめざした

先生は東京医科歯科大学医学部を卒業し、その後、歯学部に入り直したそうですね。

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「自分には何ができるんだろう、どんな仕事が向いているんだろう」と考え、少し医療から離れた道で模索していた時期があったんです。特に歯科に対しては淡白というか、ルーティン的な治療をする印象があったのですが、自分が患者側であった時に出会った先生で印象がガラリと変わりました。その先生は治療内容だけではなく、ご自身が歯科医師になった理由などまで診察でお話しされていました。その時に会話というコミュニケーションを通して患者さんは安心感を持ち、通院しやすいのでは?と気づきました。今まで自分が思い描いていたイメージとは違う温かい歯科医師像を築いていけるのではないかと考えられたんです。そこで思い切って歯学部に入り直しました。

幅広く地域の健康を支えられる立ち位置を選ばれたのですね。

医科では心臓は循環器、脳であれば脳外科など細分化されていますが、歯科は一通りのことを一人の医師が担当する場合が多いですね。私はどうにもさまざまなことが気になるタイプなので、全体を把握できる歯科、ゼネラリストの立ち位置が性に合っているのだと思います。私自身も常により良い治療を模索し、アクシデントに対応しながら治療していきますが、患者さんに「このクリニックに来ればいい方向に向かうのでは」と安心してもらいたい気持ちが一番大きいですね。「ここに来てよかった」「先生に診てもらってよかった」という言葉をいただけると涙が出るほどうれしいです。

ユニットにも気配りがあるようですね。

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スピットン(うがいをして水を吐き出すところ)が回転式になっていて、ユニットに座っている患者さんの前に来るようになっています。ご高齢の方やお子さんの様子を見ていて「どうしてぎこちない動きをするんだろう?」と考えていたのですが、ご高齢の方は体を動かしづらい、お子さんは背丈が足りないなどのそれぞれの理由があるんですよね。その使い勝手の悪さを払拭したいと思いました。これを導入してから皆さん使いやすそうで、とてもうれしく思っています。また当院は土日にも外来診療を行っています。生活環境はさまざまです。「土日のほうが通院しやすい」という方もおられますから。そういう方にもぜひ当院を活用してほしいと思っています。

「お口のことなら保坂先生に」と思ってもらえるように

感染症対策についてはどう考えておられますか?

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感染症対策について、スタッフと話す機会がありました。スタッフの意見は医療従事者である自分たちが感染から身を守ればよいという発想ではなく、患者さんの視点からみた感染症対策とは……という発想で、とても感銘しました。当然、当たり前の対策は当たり前に、新型コロナウイルスが感染拡大する以前から、歯科クリニックとして行っています。幸いなことにコロナ禍でも患者さんの数が大きく減ることはありませんでした。それはメンテナンスの大切さ、口腔内を健康的に保つことで全身の健康を保つということを患者さんがしっかり理解してくださっているからだと思います。そしてスタッフの尽力があってこそコロナ渦でも院内が生き生きしているわけです。スタッフの支えがなければ当院は回りません。本当に素晴らしい、尊敬できるスタッフです。提案力にも優れていて、誰とでも会話が上手で、勉強家である。チームとしてやっていく中で欠かせない存在です。

訪問歯科も行っているそうですね。

勤務医の頃から行っていました。訪問歯科はやればやるほど奥が深いと痛感します。通常の治療だけではなく、感染症、認知、コミュニケーションの難しさに加え、身体状況も思わしくないなど、外来診療にはない難しさがあります。その中で何を求められているのか、常に歯科医師としてどう対処できるかを問われる、厳しい現場です。しかし、だからこそやめられないのだと感じます。診ていくうちに亡くなる方もいて、お通夜に呼んでくださるご家族もおられます。そういう「介護」に関わる世界の一端を担えるのは、重責であり、とてもありがたいことだと感じています。摂食嚥下障害などの勉強も始めていますし、今後も責任をもって担当していくつもりです。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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歯科クリニックは緊張するし、ハードルが高いなどと思わず、気負わずに来てほしいと思います。他にも「他院に通っているけれど気になることがあって……」と来院された方には、「あちらの先生に、こういうふうにご希望を伝えてはどうですか?」とアドバイスすることもありました。そうした「相談」という形での信頼関係も築いていけたらと思います。メンテナンスの期間が空いてしまっても、仕事や介護など、皆さんそれぞれにご事情があります。ですからいつ来てもいいですし、いつでも相談しやすい雰囲気にできるよう努めています。これからも「お口のことで困ったり迷ったりしたら保坂先生に相談してみよう」と思ってもらえるクリニックでありたいですね。

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