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安斎 翔 院長の独自取材記事

本三クリニック

(文京区/本郷三丁目駅)

最終更新日:2023/08/10

安斎翔院長 本三クリニック main

東京メトロ丸ノ内線の本郷三丁目駅から徒歩3分ほど、本郷メディカルセンターの5階にある「本三クリニック」。2022年5月に開院されたクリニック内は、白い大理石の床と壁で統一され、清潔感あふれる空間が広がる。クリニックのコンセプトは「来院しやすい気軽な雰囲気の中で質の高い専門的な医療を提供する」である。「内視鏡を突き詰めたい」と話す院長の安斎翔先生は、胃カメラと大腸カメラによる「病気の早期発見」に自信を持つ、内視鏡の専門家。苦痛に配慮した内視鏡検査で、病変の見落としがないようにとこれまで研鑽を積んできた。「大学病院並みのクオリティーを実現したい」と意気込む安斎先生に、検査へのこだわりや開院への想いについて聞いた。

(取材日2022年6月27日)

大学病院レベルの内視鏡検査を提供したい

開院のきっかけを教えてください。

安斎翔院長 本三クリニック1

内視鏡検査をもっと気軽に受けられる場を提供したいと、開院を決意しました。この場所を選んだのは、病院ではなくクリニックで内視鏡検査を受けられるところが少なかったからです。開院するまでに、東京医科歯科大学など4つの総合病院と大学病院で、消化器内科を専門とする医師として経験を積んできました。胃カメラ、大腸カメラに関しては、お任せいただければと思います。

どのような検査、治療が受けられますか?

胃カメラ・大腸カメラをはじめ、大腸ポリープの日帰り手術、ピロリ菌の検査や便潜血検査なども受けられます。大腸ポリープの手術は、来院してから、着替え・説明・検査・切除・休憩と日帰りで終了します。また、逆流性食道炎や過敏性腸症候群、胃炎・胃潰瘍、ピロリ菌の除菌治療、潰瘍性大腸炎・クローン病など炎症性腸疾患、慢性肝障害や膵炎、胆嚢炎や胆石症を含む肝胆膵疾患など、消化器疾患全般の診療もお任せください。もちろん風邪や予防接種などの総合診療も対応しております。当クリニックで治療することが難しい場合は、専門の大学病院やがんセンターをご紹介します。

内視鏡検査では、どんなことにこだわりを持っていますか?

安斎翔院長 本三クリニック2

「病気の拾い上げ」にこだわっています。「病気の拾い上げ」とは、病気の存在を見落とさずに発見することです。特に、早期の咽頭がん、食道がん、胃がん、十二指腸がん、大腸がんなどは自覚症状がないため早期発見が重要です。早期発見できれば、負担の少ない治療でがんの根治をめざせます。近年の内視鏡検査では、ポリープやがんなどの病変の表面構造や血管走行のパターン等で、どういうタイプのポリープか、腫瘍か非腫瘍か、がんか非がんか、がんならばそれがどこまで進行しているか等を高い精度で診断することができます。そのように、病気の性質を正しく診断することはもちろんとても大事です。ですが、それ以上に「病気を見つけること」、つまり病気の存在を内視鏡検査中にしっかりと拾い上げることに私は一番こだわっています。

「病気の拾い上げ」にこだわりを持っているのですね。

そうですね。まず見つけなければ、何も始まりません。「病気の存在を拾い上げる精度」を高くして病気を見つけるからこそ、その先にある性質の診断や治療につなげていけるようになるのです。例えば、早期の胃がんは、ちょっとした色の変化や、少しの凸凹、模様のわずかな崩れなど、それを見る目がないと病気の存在に気づくことが難しい場合もあります。そんなちょっとした異変に気づける目を持つことにこだわっております。

丁寧に病気を拾い上げ、苦痛の少ない内視鏡検査めざす

病変の見落としがないようにするために、心がけていることはありますか?

安斎翔院長 本三クリニック3

内視鏡の基本的な技術と、どれだけ丁寧に診るか、つまり「丁寧に診ようとする熱意」が大切だと思います。例えば大腸の内視鏡では、1mほどの長さがある大腸を隅々まで検査するには根気がいります。腸は常に動いている上にヒダもあります。ところが病変はわずか5~10mm程度のものがポツッとあるだけ。この状況で病気を見落とさないためには「検査中の自分自身に厳しくあれ」、と思っております。私は「病変をどれくらい拾い上げたか」の指標である「ADR(大腸腺腫発見率)」を定期的に計算しています。クリニック毎に患者さんのご年齢や層も傾向が異なりますので、この数値そのものにそれほど意味があるとは思っていませんが、自分の検査結果を客観的に振り返ることで、自分自身の内視鏡に対する緊張感を保つようにしています。自分自身に対して「ちゃんとやっているよね?」と問いかけているような感覚です。それはとても大切だと思っております。

内視鏡検査において、患者さんの体の負担を減らすことにも気を配っていらっしゃるのですね。

患者さんの負担を減らすことにも努めています。内視鏡が怖いと感じる患者さんも多いですから、患者さんの負担はできるだけ減らしたいと考えています。いかに苦痛を感じさせないかは、医師の技術によるところもありますが、どんな医師がやっても苦しく感じてしまうような、腸の形が複雑な方もいます。その場合は麻酔を使うなど、患者さんの状態によって対応します。麻酔なしで行う場合、緊張や不安を和らげる程度の麻酔を使う場合、ぐっすり寝てしまうくらいの麻酔を使う場合などさまざまです。また、内視鏡検査への恥ずかしさの配慮にも心がけています。内視鏡検査を受けられる検査室のほか、検査後に患者さんが休憩できるリカバリー室も設けており、プライベートな検査を受けられる設備を整えています。

診察で心がけていることはありますか?

安斎翔院長 本三クリニック4

患者さんの話を丁寧に聞くことを心がけています。「おなかが痛い」「ストレスがたまっている」など、患者さんは自分の苦痛や不安を聞いてほしいという気持ちが強いことが多いので、その訴えを聞くことが大事だと思っています。時には世間話の延長のようなこともありますが、そこから診断につながることも。例えば、患者さんの話をしっかり聞くことで、無駄な薬の処方を減らせることがあります。よくよく聞いてみると、薬に頼らなくても、生活習慣や食事を変えることで改善をめざせる場合もあります。

早い段階で患者を救いたいと思い、専門領域へ

医師をめざした動機、また消化器内科を専門にしたのは、どのような理由でしょうか?

安斎翔院長 本三クリニック5

私が中学・高校生くらいの頃に、父が体の不調を訴えることが多くなり、「もしかして父は早死にするのではないか、そうなる前に自分が医師になって救えたら」と思いました。とはいえ、私が大学に入ってから、父はタバコをやめて健康に気を使うようになり、今ではすっかり元気になりましたけれどね(笑)。消化器内科を専門に選んだのは、進行がんが見つかったような余命わずかな患者さんに主治医として寄り添って力になりたいと考えたからです。消化器内科の範囲は幅広く、根治が難しいほどに進行してしまったがん患者さんの治療も経験します。余命の短い人に、その時にできる最大の治療をすることに、とてもやりがいを感じました。消化器内科を専門にした後々には、内視鏡の魅力にどんどん引き込まれていくことになります。

消化器内科の中でも、内視鏡を専門にされたのはなぜですか?

内視鏡を使ってがんの根治をめざした治療が可能になると気がついたからですね。レジデント時代にかなり深刻ながん患者さんをたくさん診ているうちに、「この人たちをもっと早く救うことができなかったのか」と悩むようになりました。そんな中、内視鏡で早期のがんを見つけると、患者さんの負担がとても少ない内視鏡治療でがんを直接切っていくことができるのか、というようなシーンに衝撃を受けたんです。「内視鏡で早く見つけてあげれば、おなかをわざわざ切らなくてもいい方法があるんだ!」とわかってから、内視鏡を専門にやっていくことを決意しました。

この地域の方にメッセージをお願いします。

安斎翔院長 本三クリニック6

健康診断などでひっかかり、胃カメラや大腸カメラを受けなければいけないという状況になっても、「内視鏡検査はハードルが高い」「行きたいけれども、怖くてできない」という方も多いと思います。ついつい検査が延び延びになり、中には放置してしまう方もいらっしゃいます。しかし胃カメラも大腸カメラも、そこまで難しく考えるような検査ではないですし、想像されるよりも楽に検査を受けていただけることが多いことをお伝えしたいです。病気なのかを調べないまま不安になっているなら、検査したほうが気持ちもスッキリするでしょう。検査を受けるなら、質の高い丁寧な内視鏡検査を受けることをお勧めします。苦痛に配慮した方法で行いますので、お気軽にご相談いただければと思います。

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