八木 彩子 院長の独自取材記事
さいこ矯正歯科クリニック
(流山市/流山おおたかの森駅)
最終更新日:2023/11/16

流山おおたかの森駅から歩いて1分の場所にある「さいこ矯正歯科クリニック」。優しい色合いでまとめられた院内は、明るくオープンな雰囲気だ。小児矯正を含む矯正全般に対応し、口腔筋機能療法(MFT)にも積極的に取り組んでいる。自身も2度の矯正経験があるという八木彩子院長。東京医科歯科大学を卒業後、大学病院や都内クリニックでの勤務を経て、アメリカのカリフォルニア州でも研鑽を積んできた。子どもでも楽しく矯正期間を過ごせるよう、患者のモチベーションアップにも工夫している。「機能面だけでなく、審美面においても考えながら診療プランを立てています」と語る八木院長に、同院の特徴や口腔筋機能療法(MFT)について話を聞いた。
(取材日2022年5月18日/情報更新日2023年10月13日)
歯列矯正と口腔筋機能療法で、魅力的な笑顔をめざす
クリニックの診療内容について教えてください。

矯正専門のクリニックとして、小児矯正を含む矯正全般に対応しています。大人の矯正にはいくつかの選択肢があり、最も適応範囲が広いのは表側矯正です。舌に当たらないため、食事や発音がしやすいという利点もありますね。そのほかに代表的なものとして、装置が目立ちにくい舌側矯正、マウスピース型装置を用いた矯正が挙げられます。症状によっては必ずしもご希望の方法を選択できるとは限りませんが、患者さんのライフスタイルを伺いながら、矯正プランを提案しています。どの方法を選択するにしても、考えるのは前歯の位置だけではありません。審美面も意識して、歯茎の見え方や鼻の下の長さなど、関連した症状も合わせて調整していきます。その方の持つ個性を生かしながら、顔全体のバランスを見て矯正を進めるということですね。より魅力的な笑顔をめざすため、合わせて口腔筋機能療法(MFT)も取り入れています。
口腔筋機能療法(MFT)とはどのようなものでしょうか?
口腔内や舌といった口腔周囲筋の筋肉トレーニングです。受け口など不正咬合の場合、舌の位置が低く前にあるケースが多く見受けられます。舌は筋肉の塊ですから、噛み合わせが悪いと筋肉が衰えてしまうのです。せっかく矯正で歯並びや噛み合わせを治しても、舌の筋力が衰えたままではいけません。後戻りの原因にもなりますし、嚥下障害につながることもあるからです。それを防ぐための方法が口腔筋機能療法です。矯正中も矯正後も、トレーニングは長期間に及びます。飽きずに続けるのは大変なことですよね。お子さんでも無理なく続けられるように内容にも工夫しています。舌・顔周り・首・肩と、筋肉はつながっています。舌の筋力をアップさせることはエイジングケアにもつながるんですよ。
どのような方が通われているのでしょうか?

この辺りは流山市が子育て支援をめざして開発中の地域で、働き世代・子育て世代の女性を中心に、小児矯正の需要も増えてきています。私もこの近辺で育ちましたが、ひと昔前と比べるとまるで別の街のように発展しましたね。若いファミリー層も多く、親子で矯正を始める患者さんもいらっしゃいます。そのような患者さんにご対応できるよう、2023年にユニットを増台しました。ご自身の歯がしっかりしていれば、矯正を始める年齢に制限はありません。私もこれまでに70歳を過ぎたご高齢の患者さんを何人も担当してきました。歯列矯正は長期間に及びますから、患者さんと信頼関係ができると、矯正以外のこともいろいろなお話ができて楽しいですね。これからも患者さんと良い関係を築いていきたいと思っています。
アメリカで学んだ「矯正を楽しむための工夫」
先生はアメリカの矯正歯科でも学ばれたのだとか。

国内の大学病院やクリニックで経験を積んだ後、夫の仕事の関係でアメリカに渡ることになったのです。その際にカリフォルニア州の歯科医院に勤務し、アメリカの矯正事情について学ぶ機会に恵まれました。アメリカは日本よりも矯正について研究が進んでおり、遠隔診療が積極的に行われるなど、あらゆる面でネットワークが活用されています。またアメリカの中でも特にカリフォルニア州は衛生面への意識が高く、カルチャーショックを受けるばかりでした。そして歯科医師は患者さんのモチベーションアップのために工夫をし、患者さんは矯正を楽しむ姿が印象的でした。
どのようにして矯正を楽しんでいたのでしょうか?
矯正スタートの記念撮影をしてみたり、それを写真集にしたりSNSで発信してみたり。皆さんまるでイベントのように楽しんでいました。矯正は長い期間を要しますし、痛みも感じます。面倒なことも多く「嫌だな」と思っている患者さんもいらっしゃることでしょう。お子さんならばなおさらです。モチベーションが下がるとホームケアも疎かになってしまい、良い結果にはなりません。お子さんでも楽しく矯正していけるよう、当院でもこれらの施策を一部取り入れています。
先生も歯列矯正をされていたそうですね。

実は私、2度の矯正を経験しているんです。最初は中学生の時。しかし後戻りしてしまい、大学生になって再度矯正を受けました。約7年間も矯正に時間を費やしたことになります。歯磨きもしにくく痛い思いもしましたが、今となってはやって良かったと思っています。矯正を経験し歯科医師になった今思うのは、事前のゴール設定がとても大切だということ。矯正のメカニズムを熟知した歯科医師が、後戻りまで考えて組み立てる計画の重要性を感じています。
機能と審美の両面で考えながら矯正のゴールを設定
矯正が終わり、装置を外した後に注意すべきことは何ですか?

まずはリテーナーをきちんと装着するということ。そして口腔筋機能療法を続けてほしいと思います。矯正中から舌のトレーニングは始まりますが、矯正後にやめてしまうと筋力はまた落ちてしまいます。これは矯正をしたかどうかに関わらず、どなたでも加齢による衰えが出てくるのです。口腔周囲筋や舌骨を引き上げて、良い歯並びと噛み合わせを保ちましょう。
診療の際に心がけていることはありますか?
患者さんのもともとの骨格を生かしながら、機能面だけでなく審美面も考えながら矯正プランを立てています。中には「1日でも早く終わらせたい」と希望する患者さんもいらっしゃいますが、症状によっては期間を必要とすることもあるんです。患者さんとしっかり話し合いながら折り合いをつけ、双方が納得できるゴール設定を心がけています。矯正中に気をつけているのは、患者さんの気持ちの変化。スタート時はやる気があっても、半年たつと皆さん「器具はいつ外れるのでしょう」とおっしゃいます。私も同じ思いをしてきましたから、気持ちはよくわかります。ゴールまでが長いのでつらくなってしまうんですよね。その気持ちを見逃さないようにしています。
他院との連携について教えてください。

当院は医療法人社団白やぎ会の一院です。本院である「柏の葉デンタルクリニック」では兄が診療にあたっており、私も月に3回矯正の診療を担当しています。矯正に伴う抜歯など、かかりつけ医のない患者さんには本院をご紹介しています。ちなみに本院は名字の「八木」からイメージしたヤギのマーク、当院は私の名前「彩子(さいこ)」からサイのマークと動物つながりなんですよ(笑)。
最後に読者へメッセージをお願いします。
流山で育ち、40年以上この街を見てきました。昨今の街の目まぐるしい変化に、わくわくする気持ちとともに戸惑いすら感じます。この慌ただしい世の中で、当院での矯正を選んでくださった患者さんに、ホッとできる時間を提供していきたいですね。院内は優しい色合いでまとめたオープンな空間になっています。矯正の相談をするのは勇気がいることかもしれませんが、どうぞお気軽にお話を聞かせてください。
自由診療費用の目安
自由診療とは表側矯正/77万円~、舌側矯正/121万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/93万5000円、小児矯正/38万5000円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。