全国のドクター13,639人の想いを取材
クリニック・病院 157,066件の情報を掲載(2025年5月03日現在)

ドクターズ・ファイル会員でできること

予約情報をマイページ上で管理できます!

過去の予約を一覧化

予約内容の確認

予約の変更・キャンセル※

※一部対象外の医療機関もありますので、あらかじめご了承ください

会員登録がお済みでない方は

すでに会員の方は

  1. TOP
  2. 大阪府
  3. 大阪市北区
  4. 南森町駅
  5. てんかん・神経 大阪南森町いけだクリニック
  6. 池田 仁 院長

池田 仁 院長の独自取材記事

てんかん・神経 大阪南森町いけだクリニック

(大阪市北区/南森町駅)

最終更新日:2023/03/23

池田仁院長 てんかん・神経 大阪南森町いけだクリニック main

大阪メトロ谷町線南森町駅7号出口からすぐのビル2階。「てんかん・神経 大阪南森町いけだクリニック」は、てんかん患者の診断・治療に特化したクリニックとして2022年4月に開院した真新しいクリニックだ。院長を務める池田仁先生は、30年近くにわたっててんかん診療に関わってきた脳神経内科のエキスパート。同じく小児のてんかん治療に長く携わってきた妻の池田浩子先生とともに、あらゆる世代の患者のサポートに全力で取り組んでいる。優しい語り口、わかりやすく説得力のある言葉の端々に、てんかん患者への熱い気持ちが感じられる。そんな池田院長に、2人がめざす診療のコンセプトや患者へ向けたさまざまなアプローチ、クリニックの特徴などをじっくり聞いてみた。

(取材日2022年8月10日)

てんかんをもつすべての患者に質の高い診療を

まずは開院の動機や現在の状況を教えてください。

池田仁院長 てんかん・神経 大阪南森町いけだクリニック1

私は大阪市立大学医学部を卒業後、同大学病院や大阪市立総合医療センター勤務を経て、国立病院機構静岡てんかん・神経医療センターでは16年ほどてんかんを中心とした診療を行ってきました。そこで培ってきた経験を生かし、できる限り質の高いてんかん診療を提供していきたいと考えたのが開院の動機です。ドクターは私が思春期からご高齢の方を、妻が小児から成人までを担当し、脳波検査技師や看護師、事務スタッフが診療をサポートします。患者さんは現時点では紹介で来られる方が多いですが、子どもから成人、ご高齢の患者さんまで、あらゆる年齢層に対応しています。

カフェのようなすてきな待合スペースですね。

妻とも相談し、ちょっぴりナチュラルカフェのような雰囲気にしてみました。壁向きのカウンターや本棚を置いて、誰もがほっとできる空間になっていると思います。診察室が3つあり、それぞれ成人と小児、データ整理など目的別に使い分けています。ほかにも心電図や採血に使う処置室や脳波室があり、脳波検査で使用するペーストを落としたい方のために洗髪コーナーも用意しています。シャワーヘッド内蔵のシンクは美容院にあるものと同じで、患者さんに喜んでいただけたらうれしいですね。

てんかんという病気について簡単に教えてください。

池田仁院長 てんかん・神経 大阪南森町いけだクリニック2

脳の神経細胞が一時的に過剰な活動をして起こるのが「てんかん発作」で、それを繰り返す状態がてんかんです。てんかんと聞くと、意識がなくなり、白目をむいて全身がけいれんするようなイメージがあると思います。しかし、てんかん発作にはけいれんしない発作や意識を失わない発作もあり、中にはけいれんも意識消失もなく、自覚症状だけで終わる発作もあるんですね。発作の症状や頻度は患者さんによってさまざまで、脳卒中や外傷など脳の病気に伴うケース、遺伝的な素因があるケースなど、その原因もさまざまです。てんかんはおよそ100人に1人の割合で起こるといわれ、決して珍しい病気ではありません。また、子どもから高齢者まで、どの年代でも発病する可能性があります。

治療では、どのようなことを重要視されていますか?

基本的には、てんかん発作という主症状を抑えられれば大部分の問題は解決が見込めます。ただし診断が適切でなければ、いくら薬を飲んでも発作がやまず、いたずらに時間を浪費してしまいます。正しい診断と治療が何より大切なわけですね。薬によっては副作用もありますから、そうした負担を最小限に抑えていくことも重要です。また、発作さえ治ればそれですべてが解決するというわけではありません。さまざまな障害や精神的、社会的な不都合を抱えている人も大勢いらっしゃいますから、それらのケアを含めて患者さんの生活の質をマネジメントしていくことが重要といえるでしょう。

適切な診断・治療と情報提供で患者の将来をサポート

てんかんの診断はどのように行いますか?

池田仁院長 てんかん・神経 大阪南森町いけだクリニック3

診断で最も重要なのは問診です。いつ、どこで、どのような状態の時に何が起こったか。それを一つ一つ時間をかけて聞き出すことで、だいたいの見当がつくんですね。ただし、発作中に意識を失っていた場合など、患者さん自身で説明しきれないこともありますので、周囲の目撃情報から推理するなど、じっくりと時間をかけて丁寧に行うことが大切です。問診の次に大切なのは脳波検査ですね。検査技師の技量によって大きく左右されますが、当院に常駐する検査技師は30年のキャリアを持ち、安定して質の高い脳波データを提供してくれる頼もしい存在です。また、そのデータを正しく解釈する診断力も必要です。間違えそうなものを間違えないこと。それも私の重要な仕事の一つです。

治療の進め方を具体的に教えてください。

まずは抗てんかん薬による薬物治療で発作を抑えることをめざすのが基本です。適切な診断と適切な治療、すなわち適切な薬を選択することが一番のポイントですね。原因が脳腫瘍などにある場合は外科治療が優先されますが、てんかんの原因がわからないこともよくあります。もちろん原因の特定も大切ですから、必要に応じて連携病院でのMRI検査をお勧めすることもあります。薬でのコントロールが難しい場合は外科治療も考えられます。また、病態によっては食事療法が有用な場合もあるため、当院では管理栄養士による栄養指導も行っています。工夫次第でおいしく食べるレシピもご紹介できます。

こちらでは、治療以外のサポートにも注力されているとか。

池田仁院長 てんかん・神経 大阪南森町いけだクリニック4

治療と並行して大切なのが情報提供ですね。てんかんがあるせいで、職業選択や運転免許の取得、妊娠・出産などで悩んでおられる方も多いことでしょう。治療の見込みなど、将来に少しでも光明を見いだすことができれば不安を解消できるかもしれません。そのお手伝いをさせてもらえればと思っています。てんかんを抱えているからといって、社会生活が制限されて当然なわけはありません。航空機のパイロットや遠洋漁業の航海士、長距離トラックのドライバーといったごく一部を除き、誰もが自由に仕事やスポーツをする権利があるわけです。てんかんのない人と何ら変わらぬ人生を、ぜひ希望をもって歩んでいただきたいですね。

患者とともに歩み、成長できるクリニックをめざして

奥さまの浩子先生は小児がご専門ですね。

池田仁院長 てんかん・神経 大阪南森町いけだクリニック5

妻は大阪医科大学の出身で、長く小児科と小児神経内科に携わってきました。静岡では思春期から成人の患者さんも診ていました。妻がいれば小さなお子さんも受け入れられますし、その子が成長しても2人でシームレスに診ていくことができるわけです。小児科から成人科への移行は医療業界の課題の一つで、そこには微妙な温度差があるようなんですね。ここではその心配は必要ありませんし、また、女性医師がいることで、女性の患者さんが妊娠や出産などの悩みを相談しやすいのもメリットだと思います。2人の医師がそれぞれに違う視点を持って診療にあたれば、1+1=3ぐらいの力になるかもしれません。それをめざしていきたいですね。

仕事でもご家庭でも常に夫婦一緒。そのご感想は?

ある意味、お互い忍耐が必要で精神の修行になりますね(笑)。でも理解者という点で、これ以上頼りになるパートナーはいません。ここのスタート直前まで夫婦そろって静岡の病院に勤めていましたから、開院の打ち合わせで月に数回は大阪まで行ったり来たり、それだけでも結構大変でした。そういう意味でも、2人が同じ立場にいたことはとても心強かったですね。今はまだあまり時間もありませんが、たまに2人で買い物に行ったり、おいしいものを食べに行ったり。この南森町や天満エリアにはおいしいお店がたくさんありますからね。交通の便が良く、にぎわいの中にも昔ながらの落ち着いた雰囲気があってとても気に入っています。

最後に、患者さんやご家族に向けてメッセージをお願いします。

池田仁院長 てんかん・神経 大阪南森町いけだクリニック6

てんかんというのは慢性的に付き合っていく病気で、私たちは、ちょうどマラソン伴走者のような役割です。皆さんが病気といい付き合い方ができるよう、一緒に歩んでいければと思います。栄養相談をもっと広げたい、社会福祉的支援のための連携を構築していきたいと、私たちもまだまだ成長過程。待合室の壁は白いままで、まだ何も掛かっていません。いつか、そこに患者さんの描いた絵を掛けることが私たちの目標なんです。次のステップがある。希望がある。単にできあがったものを提供するだけでなく、皆さんのいろんなご意見を聞きながら一緒に成長していけるクリニックでありたいと考えています。経験だけは豊富ですから、何かしらアドバイスできることはあるでしょう。てんかんや発作で悩みや疑問があれば、ぜひ一度相談にお越しください。

Access