久保田 和法 院長の独自取材記事
くぼた耳鼻咽喉科 アレルギー科
(広島市佐伯区/五日市駅)
最終更新日:2022/12/27

西広島バイパスを降りてすぐ。20台の駐車場を備える「くぼた耳鼻咽喉科 アレルギー科」。日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医である久保田和法院長が、2021年に開業したクリニックだ。鼻の日帰り手術に対応し、かつ耳鼻咽喉科全般の一般診療も担う同院のようなクリニックは、現在の広島市内には数少ないという。「手術のナビゲーションシステムをはじめ、鼻の手術に必要な先進機器をそろえました。副鼻腔炎や鼻詰まり、アレルギーにお困りの方はぜひご相談ください」と院長。また地域のホームドクターであることをめざし、その一環として発熱の外来を開設しているのも同院の特徴といえる。今回は、院長が力を注ぐ鼻の日帰り手術や一般診療の内容などについて詳しく話を聞いてきた。穏やかで話し上手な院長のおかげで、終始和やかな取材となった。
(取材日2022年11月22日)
先進の検査・治療機器をそろえ、鼻の日帰り手術を実施
まず、この場所で開業された理由をお聞かせいただけますか?

私は西区の草津の出身なんです。開業するならその周辺、なじみと愛着ある西側のエリアでと考え、土地を探していました。するとタイミング良く、駐車スペースも十分なこの場所に巡り合うことができたのです。当院を開くにあたっては、もとあった建物を骨組みだけ残して全面リノベーションしています。医療的に必要となるレイアウトについては私とインテリアデザイナーの方とで検討し、例えば発熱者専用の診察室を設けるなど、感染対策の面も整えました。建物の外装・内装などに関して私は明るくないものですから、裏方として全面バックアップしてくれている妻のアドバイスも大いに取り入れています 。おかげで、モダンで清潔感ある雰囲気に仕上がりました。
開業されるまでにどんな場で経験を積まれたのか教えてください。
先ほどお話ししたように出身はこの辺りなのですが、医学を学んだのは九州大学です。九州大学医学部附属病院で耳鼻科1年目をスタートしてからは、広島に戻り、県立広島病院や尾道総合病院などの基幹病院、広島大学附属病院では助教を経験しました。その後、福山市の堀病院で副院長を務め、開業に至ったというのが私の医師としての大まかな歩みとなっています。勤務医時代には耳鼻咽喉科全般への見識を深めるよう心がけ、同時に手術についても研鑽してきました。そうしたこれまでの経験を生かし、当院においては耳鼻咽喉科領域の外来診療に幅広く対応しながら、同時に副鼻腔炎、鼻詰まり、アレルギーの改善をめざす鼻の日帰り手術にも力を入れています。
鼻の日帰り手術について詳しく伺いたいです。

当院が対応しているのは、小型内視鏡下で行う鼻の日帰り手術です。アレルギー性鼻炎、鼻中隔湾曲症や慢性副鼻腔炎(蓄膿症)、指定難病である好酸球性副鼻腔炎といった、つらいアレルギー症状や鼻詰まりを引き起こす病気が対象となります。設備については、術前検査から手術までを安全かつ精密に実施するために、クリニックでありながら、大規模病院と同水準と言って差し支えないものをそろえました。その一例が、手術をガイドするナビゲーションシステムです。いうなればカーナビのようなもので、このシステムを用いれば、鼻の周辺にある目や脳など傷つけてはいけない部位を避けながら手術を行うことができます。また、手術は基本的に全身麻酔下で行うのですが、全身麻酔施行にあたっては麻酔科の医師を招き、術中管理を担ってもらっています。安全面には十分配慮していますので、安心して手術を受けていただきたいですね。
地域のニーズに応えることを大切に、一般診療にも注力
鼻の日帰り手術にはどんなメリットがありますか?

日帰りであることそれ自体が大きなメリットだと考えています。というのも、従来の鼻の手術では多くの場合、1週間程度の入院が必要とされていました。しかしそれだと、勉強や仕事、子育てで忙しい方は、どうしても二の足を踏んでしまいますよね。日帰り手術は特段持病などがなければ、基本的に適応可能ですので、「手術に関心があるけど、時間がなかなか取れない」とお悩みの皆さんにとってのハードルが下がるはずです。また全身麻酔で眠っているうちに行うため、良い意味で、恐怖を感じる間もなく終わっているかもしれません。また、近隣の方にとっては入院費の負担がないことも、日帰り手術のメリットといえます。遠方から来られる方には近隣の提携病院への1、2泊の入院をお勧めすることもありますのでご相談くださいね。
お話を聞くと、日帰り手術のニーズは高そうですね。
そうですね。開業以来、本当にたくさんのお問い合わせをいただいて、私としてもニーズの高さに驚いているところです。広島市内やその周辺には、まだまだ鼻の日帰り手術に対応するクリニックが少ない、ということもあるのでしょうね。皆さんアレルギーや鼻詰まりにたいへんお困りで、「日帰りでつらい症状の改善が図れるなら」「日常的に服用している薬の数を少しでも減らせたらいいな」と当院を頼ってくださるようです。広島県内だけでなく、島根県、岡山県からご来院いただいたこともありました。勤務医時代に磨いてきた技術を生かせればということで、日帰り手術に関してはニーズがどの程度あるかも把握せずに導入を決めたのですが(笑)、患者さんに喜んでいただけるのであれば何よりです。
先生が大切にされていることをお聞かせください。

当院にはお子さんから高齢の方まで、多世代の方々がお越しくださっており、そうした地域の皆さんのニーズに応えることを大切にしています。そのために鼻の日帰り手術だけでなく、一般的な外来診療にも力を入れていると知っていただきたいですね。外来では、中耳炎、耳鳴り、難聴など耳の症状、鼻水、鼻詰まりなどの鼻の症状、扁桃炎、ポリープなど喉の症状をはじめ、口内炎・舌痛症など口の中の症状、花粉症やめまいの治療と幅広く対応できます。また、新型コロナウイルスにも対応できる発熱の外来も設け、ほかに補聴器に関する相談などもお受けしています。どんな些細なことでも構いませんので、ちょっとした体調不良の際にも気兼ねなくご来院ください。
何でも気軽に相談できるホームドクターをめざして
SNSなどでの発信もされていますが、そのご理由は?

今はSNSや動画サイトが普及、発達していますから、当院のことを知ってもらう上で積極的に活用したいな、と。それだけでなく、これからはSNSなどを通じてさまざまな医療情報も発信していきたいと思っています。例えば、嗅覚障害について。認知症やその原因疾患の一つであるアルツハイマー病などが発症する前に、匂いがわからなくなるケースがあるといわれています。また、口呼吸はメタボリックシンドロームや血圧上昇と深い関わりがあることもお伝えしたいですね。こういった全身の健康にも関わる内容を耳鼻咽喉科の専門家の視点から発信することで、当院にすでに来ていただいている方々はもちろん、今後お越しになる患者さんや、地域にお住まいの皆さんの病気の早期発見につなげられればと思っています。
お忙しい毎日かと思いますが、休日はどのようにお過ごしですか。
休診日の日曜には体を動かすためにプールに行ったり、公園に行ったり。家族と一緒に出かけることも多いです。子どもたちは3人とも小学生になり、だいぶ落ち着いてきてくれたおかげで、みんなで連れ立って映画を見に行くこともできるようになりました。「将来はお子さんたちもお医者さんになってほしいですか?」と聞かれることがあるのですが、そんなことはなく、自分の好きな道に進んでくれればそれが一番です。私自身のことを振り返っても、親類に医療関係者はおらず、自分でこの道に進むことを選びましたからね。
最後に、読者の皆さんへのメッセージをお願いします。

当院は、広島市内には数少ない、鼻の日帰り手術に対応できるクリニックです。副鼻腔炎や鼻詰まり、アレルギーにお困りの皆さんの力になるために、今後も安全・確実な手術に努めていきますので、長引く症状、つらい症状がある方はぜひ一度ご相談ください。手術以外の選択肢や治療方針についても、患者さんとしっかりとコミュニケーションを取って、適切なものをご提案いたします。また、「身近な病気を相談できる地域のホームドクター」としての役割を果たしていきたいとも考えています。「こんな些細なこと聞いていいの?」とためらわずに、気軽に頼っていただきたいですね。チームワークの良いスタッフたちとともに、皆さんのご来院をお待ちしています。