歯ぎしりやスポーツ時の衝撃から
歯や顎骨を守るマウスガード
くめ歯科クリニック
(北九州市小倉南区/下曽根駅)
最終更新日:2025/07/15


- 自由診療
「子どもの歯ぎしりがひどくて」。ある母親からの相談がマウスガード治療に取り組むきっかけだったと「くめ歯科クリニック」の久米彰一院長は話す。歯ぎしりや食いしばりが歯にかける負荷がどのくらいか知っているだろうか。実に体重の2倍~5倍といわれているが、この強い力が持続的に歯や顎にかかるとどうなるか。「歯が削れたり、割れたりすることも。知覚過敏や噛み合わせなどのトラブルも少なくありません」と話す、久米院長。そうなる前に歯や顎を守るための装置がマウスガードだ。また、コンタクトスポーツなどの衝撃から歯を守るためのスポーツ用マウスガードにも対応。これは運搬業など歯に負荷がかかる力仕事をしている人にも推奨しているそう。そこで今回、同院が注力するマウスガードの作製について詳しく聞いた。
(取材日2025年6月19日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qこちらではマウスガードに注力されていると伺いました。
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A
開院して5年くらいの時に、「子どもの歯ぎしりがひどくて」とお子さんを連れて来られた親御さんからの相談がきっかけでした。それから歯ぎしりや食いしばりに関する勉強をし、マウスガードの作製を導入したんです。早いもので15年。多くの患者さんの治療に携わらせてもらいました。マウスガードには種類があって、先ほどの歯ぎしりや食いしばりには睡眠時に使用するマウスガードを。また、スポーツ時の衝撃を防ぐためのスポーツ用マウスガードもあります。これもボクシングの試合を控えた高校生からの相談がきっかけでした。そこから、年齢問わず、ラグビー、空手など、さまざまなスポーツをしている方が来院されるようになりました。
- Qどういう症状の方が対象となるのですか?
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A
寝る時に装着するマウスガードは、睡眠時に歯ぎしりや食いしばりをしている方が対象です。寝ている時のことですからご自身で気づくことは難しいですよね。多くの方がご家族からの指摘で来られます。他に治療やメンテナンスで来院された際に奥歯の擦り減りを見て、こちらからご提案する場合も。歯が痛んだり、朝起きた時に顎が痛かったり口を開けづらかったりするなどの違和感がある場合も歯ぎしりをしている可能性が高いので、一度受診されることをお勧めします。一方、スポーツ用マウスガードはラグビーやボクシングなどコンタクトスポーツをされる方以外に、歯や顎に負荷がかかる重い荷物を持ち上げる力仕事をしている方にもご提案しています。
- Q歯ぎしりなどを放置した場合のリスクを教えてください。
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A
私たち歯科医師は多くの方の口腔内を日々見ていますので、お口を開けていただき目視しただけでも、歯ぎしりしている方はだいたいわかります。というのが、歯が摩耗して表面がつるつるになってしまうので、歯ぎしりがひどい方はすぐに見当がつくんです。痛みなどが出ている方は、歯に亀裂が入っているケースも少なくありません。放っておくと、最終的には歯が割れてしまいますので、残念ながら抜歯することに。また、顎の骨にも負荷がかかりますから顎関節症になったり、噛み合わせのトラブルも起こったりする可能性が高まります。このように、何も手立てを講じずに放置したままだと、さまざまなリスクが高まることを知っていただきたいですね。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診
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まずは問診票のチェック項目を記入する。その内容をもとに歯科医師がヒアリングを実施。歯や顎などに痛みがある場合はエックス線撮影など必要に応じた検査を行う。摩耗などは口腔内の視診で確認できるため、比較的診断は早くつくが、顎の状態や歯の根っこの部分など、負荷がかかる部分は見逃すことがないようしっかり精査した上で診断するそう。また、負荷がかかることで噛み合わせに問題が起きていないかも入念にチェック。
- 2必要に応じて治療、その後歯型採取
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虫歯がある場合は先に虫歯治療をする。また、歯石などがついている場合もしっかりと汚れを取り除く。それらを優先するのは歯型を採取した後だと歯型が変わってしまうため、ピッタリとフィットするマウスガードを作るために再度採取しなくてはならないからだそう。マウスガード製作は歯型採取が重要になるため、慎重かつずれのないように行うとのこと。採取中は体の力を抜いてリラックスした状態で臨むのがベスト。
- 3マウスガードが完成
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型を採取後、約1週間ほどでマウスガードが完成する。スポーツ用マウスガードも同様。試合を控えているなど急ぎの場合は、できるだけ希望に沿えるよう3~4日で対応することもあるとのこと。特にスポーツ用マウスガードを希望する人は練習中に大けがにつながることがあるため、「大会前でハードな練習をしているなど、行っているスポーツや練習の状況を詳しく伝えてください」と久米院長。完成したマウスガードは持ち帰る。
- 4実際に使用後、微調整を行う
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実際に睡眠時やスポーツ時に2~3日間使用後、再受診。起きている時の噛み合わせや、横になった状態での噛み合わせなどを微調整する。微調整はほとんどのケースでこの1回で済むことが多く、使用する中で何か気になることがあれば気にせず受診を。歯ぎしりがひどい場合は数ヵ月でマウスガードに穴が開く場合も。ストレスを感じている時は特に負荷がかかりやすいため、こまめに装置の状態を確認することも忘れずに。
- 5メンテナンスや経過観察でコンディションを維持
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定期的な歯石除去などのメンテナンスの時にマウスガードを持参し、装置の状態をチェックしてもらう。メンテナンスは、3~4ヵ月に1度くらいのペースでの来院を目安にしてほしいとのこと。口腔内の健康維持のためにもメンテナンスは重要。装置のコンディション維持という観点においても定期的な受診を心がけることが大切だ。些細なことでも、遠慮なく相談してほしいとのこと。
自由診療費用の目安
自由診療とはスポーツ用マウスガードの作製/6000円~