吉村 周作 院長の独自取材記事
海岸歯科室CHIBA STATION
(千葉市中央区/千葉駅)
最終更新日:2025/10/03
 
            千葉駅直結の駅ビル6階にある「海岸歯科室CHIBA STATION」は、2021年に開業。一般歯科からインプラント治療、マウスピース型装置を用いた矯正まで幅広く対応し、全身の健康を見据えた、口腔内を総合的に捉える歯科治療を提供している。そして同院では、非常勤勤務の後、2024年より同院で診療している吉村周作先生が2025年9月に院長に就任。吉村院長は口腔外科を専門とする歯科医師で、これまで高度医療機関において口腔がんをはじめとする多くの難症例に取り組んできた。診療方針は、「患者さんにとって何が一番良いか」をともに考えること。勤務医時代に総合力が求められる現場で培った経験が、今の診療の大きな支えになっているという。そんな吉村院長に、同院の特徴やこれまでの歩み、今後の展望について聞いた。
(取材日2025年6月27日/情報更新日2025年9月26日)
駅直結の好立地で歯科の多様な悩みにアプローチ
駅ビル内という便利な立地ですが、どのような方が通っているのでしょうか。

ターミナル駅である千葉駅と直結していますから、千葉市内にお住まいの方はもちろん、外房線や内房線の沿線など広範囲から患者さんが来院されています。駅ビル内ということもあり比較的若い世代の方が多いのですが、その後ご家族をご紹介くださる方もいて、ファミリーで通われている方も増えてきましたね。当院は千葉市美浜区にある「海岸歯科室」の分院として開業し、インプラント治療やマウスピース型装置を用いた矯正、虫歯、歯周病、予防歯科、定期検診、口臭ケア、ホワイトニングなど、患者さんのニーズに合わせて、幅広い歯科診療に網羅的に対応できる体制を整えています。
院内の設備についても教えてください。
歯科用CT、口腔内スキャナー、拡大鏡をはじめ、口臭測定器、唾液中の細菌量を測定する機器類などを用意しています。当院が特に力を入れているインプラント治療やマウスピース型装置を用いた矯正など、すべての診療はしっかりとした検査を経て、適切な診断のもとに行われることが大前提。例えば、初診時は「1本の虫歯だけを治したい」と希望されていたとしても、一連の検査を経てご自身の口腔内の状態を知ることで「悪いところをすべて治したい」といったお気持ちに変わることもあるでしょう。また私たちからも適切な提案ができるよう、検査はしっかりと行っています。
注力している治療についてお聞きします。

当院で注力している治療の一つが「インプラント」です。ご自身の歯を残すことを基本方針としていますが、それが難しくなった場合には、機能性・見た目ともに優れたインプラントが最初の選択肢になります。日常生活の質を高める意味でもお勧めの治療法ですが、費用面で迷われる方も少なくないため、入れ歯やブリッジなどのほかの方法もご提案し、ライフスタイルや将来の希望に応じた無理のない治療計画を一緒に立てています。また、「マウスピース型装置を用いた矯正」にも力を入れています。透明で目立ちにくく、取り外して歯磨きができるため衛生的というメリットがありますが、その反面、決められた時間しっかり装着する自己管理が必要です。ワイヤー矯正との違いを丁寧にご説明し、ご本人が納得された上で治療に進めるよう、カウンセリングを特に重視しています。
口腔外科で培った総合力を生かし、地域密着型診療を
今年9月に院長に就任されたとのことですが、経緯を教えてください。

私が海岸歯科室とご縁を持ったのは、今から3年ほど前、非常勤として働き始めたのがきっかけでした。当初から、このクリニックの雰囲気はとても明るく、スタッフも患者さんも自然体で、本当に温かい場所だなと感じていたんです。そんな中、前院長の中山舜先生がご退職されることになり、理事長から声をかけていただきました。理事長とは以前からの信頼関係もありましたし、何よりも私自身が「これからはより地域に根差した臨床をやっていきたい」と考え始めていたタイミングでもありました。今までは大学病院や基幹病院など、比較的大きな医療機関で勤務していましたが、その一方で、もっと患者さん一人ひとりの生活に寄り添うような医療の在り方に関心が高まっていました。いろいろな巡り合わせが重なって、「ここでなら自分の経験を生かして、さらに深く地域医療に関わっていける」と思えたことが、院長就任を決めた大きな理由です。
これまでのご経歴について伺います。
2011年に福岡歯科大学を卒業後、千葉大学医学部附属病院を経て大学院に進みました。在学中は深谷赤十字病院に1年間出向し、臨床の現場に立ちながら口腔がんの研究にも携わりました。その後、千葉労災病院や東千葉メディカルセンターで数多くの難症例の治療を経験し、2021年からは千葉大学医学部附属病院で勤務医として従事。2023年には深谷赤十字病院で科長を務め、チームをまとめる立場も経験しました。2024年から海岸歯科室に常勤し、2025年9月からは院長として本格的にクリニックの運営に携わっています。こうして地域の皆さんと向き合える今があるのは、これまでの学びや出会いが、すべて今の自分を形づくってくれたからだと感じています。
口腔外科を専門に選ばれたきっかけは?

口腔外科を選んだのは、学生時代から「どうせやるなら一番難しい分野から」と考えていたからです。特に口腔がんに関心があり、若いうちから重症例に向き合うことで、歯科医師としての視野が大きく広がりました。この分野では、歯だけでなく顎の骨や神経、さらには全身疾患との関係まで診る必要があり、幅広い知識と冷静な判断力が求められます。歯科の中でも特に総合力が問われる領域だと感じています。現在の診療でも、「経過観察で良いのか、専門病院に紹介すべきか」といった判断を迫られる場面がありますが、口腔外科で培った経験が大きな支えになっています。「ここに来れば専門的に診てもらえる」という安心感を届けられていればうれしいですね。
地域に根差し、困った時にまず相談される存在へ
診察の際に大切にされていることは?

「患者さんにとって何が一番良いか」を一緒に考えることです。この姿勢は、私の診療方針の根幹にあります。たとえ歯科医師としてベストだと思う治療でも、それが患者さんにとって最善とは限りません。生活リズムや将来の希望、予算などを踏まえ、一緒に治療方針を決めていくことが大切です。そのために、選択肢はできるだけ具体的に、数字や実例を交えてご説明しています。例えば「この歯は5年ほどもちそうです」や「10年後も問題ないケースもあります」といったように、イメージしやすい表現でお伝えします。また、保険診療と自由診療の違いも丁寧に説明し、押しつけることなく、患者さんご自身が納得して選べるようにしています。治療は人生の分岐点になることもあるからこそ、私たちはその「伴走者」でありたいと考えています。
今後どのような歯科医院にしていきたいとお考えですか?
私がめざしているのは、スタッフが安心して働ける環境を整えながら、地域の皆さんに信頼される歯科医院であることです。医療はチームワークですから、スタッフが気持ち良く働ける職場でこそ、患者さんにきめ細かなケアが提供できると考えています。職場の雰囲気が良いと自然と患者さんへの声かけもやわらかくなり、忙しい中でも心配りが行き届くようになります。また、当院は月曜から日曜まで休まず診療を行っており、急な痛みや見た目の悩みにもすぐ対応できるよう体制を整えています。例えば、「歯が取れて人前に出られない」「急に噛めなくなって困っている」といった切実な声に、すぐ応えられる歯科医院でありたいとも考えています。最終的には、「あそこに行けば何とかしてくれる」「困ったらまず相談しよう」と思ってもらえる、地域に根差した安心感のある存在になっていきたいです。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

歯科医院は「痛くなったら行く場所」というイメージが強いかもしれませんが、本当はもっと身近な存在であっていいと考えています。ちょっと気になったときや不安を感じたときに、「あそこに相談してみようかな」と気軽に思い出してもらえるような、そんな存在になることが私たちの願いです。もちろん治療の質や丁寧な説明は大前提ですが、それに加えてスタッフの雰囲気やクリニック全体の空気感も大切にし、「ここに来て良かった」と感じていただける場所をめざしています。日々の生活の中で自然に頭に浮かぶような存在になれるよう、これからも丁寧な診療を続けていきたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/38万円~、骨造成/5万5000円~、マウスピース型装置を用いた矯正/40万円~75万円、ホワイトニング/1万6500円~

 
             
             
             
             
            
 
                 
                 
                