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児玉 智博 院長の独自取材記事

児玉クリニック

(さいたま市大宮区/大宮駅)

最終更新日:2022/01/20

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大宮駅東口から徒歩5分。「児玉クリニック」はメンタルヘルスについて幅広く診療しているクリニックだ。2021年11月に開業してまだ間もないが、すでに多くの患者が訪れている。院内はシックな雰囲気ながら全体的に明るく、緊張しがちな患者の心を落ち着かせてくれる。バリアフリー仕様で幅広い年齢層・疾患の患者が通いやすいようにもなっている。休日は子どもたちとのふれあいを何よりも大切にする子煩悩な児玉智博院長は、穏やかで丁寧な語り口で患者の訴えに真摯に応えてくれるドクター。総合病院や精神科単科病院勤務時代から児玉院長を慕う患者が引き続き通い、埼玉県全域からも患者が訪れているという。そんな児玉院長に、クリニックの診療についてさまざまな話を聞いた。

(取材日2021年12月8日)

患者に丁寧に接することを心がけ、理想の医療を追求

開業されて間もないですが、どのような患者さんが来られていますか?

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病院勤務時代から引き続き通ってくださっている患者さんに加え、新しい患者さんも来院してくださっていて、おかげさまで順調なスタートと言えそうです。これまで病院では1日に数十人の患者さんを診ることが普通でしたが、開業後は自分なりのスタイルで丁寧に患者さんと接することができています。今は自分の考えや裁量で診療ができるので、勤務医より開業医のほうが自分には合っているようです。私はこれまで、働く人々のメンタルヘルスに関する診療の経験を数多く積んできました。新しく来られた患者さんの中には、職場の悩みを抱えた方がとても多く、これまでの経験を診療に役立てることができてうれしく思っています。

精神科や心療内科クリニックは、どのような時に受診すればよいのでしょう。

以前は精神科、心療内科というと少々敷居が高く、なかなか受診するのに勇気がいるようでしたが、今は受診のハードルが下がり、本格的にうつや適応障害になってしまう前の軽症の段階で来院される方が増え、良い傾向だと思っています。職場やお仕事の悩みがあっても、食欲があり睡眠が取れていればまず大丈夫ですが、よく眠れない、食欲がない、気力や元気が出ない、疲れやすいといった症状に加え、下痢や嘔吐など体に何らかの症状が出始めたら早めに受診してください。このところ20~30代の女性の患者さんが多いのですが、職場で突然涙が出てきてしまって自分でもコントロールできないという方が増えています。このようなことがあれば、ご自分のためにもできる限り早めに受診してください。

初診の際は、まず電話で予約をするのですね?

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当クリニックでは、最初にお電話いただいた時からある意味診療が始まっていると思っていますので、電話で予約をしていただくようにしています。なぜ受診したいのか、包み隠さず今お困りのことをお話しいただければと思います。ご家族からのお電話でも診察には患者さんご本人にご来院をお願いしています。また最初からお仕事を減らしたり、休職を見越して診断書やお薬を希望されたりする方も時々いらっしゃいますが、診察をさせていただいて症状を見極めてから診断をさせていただきますので、必ず診断書やお薬が出るわけではありません。その点はご理解をいただいた上で、お越しいただければと思います。

働き世代の方のメンタルをサポートしていきたい

心や精神の疾患でも早期発見・早期治療が大切なのですか?

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もちろんです。予防医療の考え方が広まってきて検診の重要性は多くの方々が認識されていますが、心や精神の問題も早めに気がついて医療にかかることで、重症化を防ぎいち早く問題の解決へとつなげられると考えています。仕事や職場が原因となっているケースも多く、そのような場合、休職やお仕事の内容や量について考慮してくれるような職場環境だと、改善への道筋が立つのですが、逆にこうした働いている側の問題を軽視し、対策を講じないような職場であれば、退職を選択肢に入れることもあります。ですが、基本的には心が弱っている時の退職や転職はお勧めしません。というのも、心が前向きになっていない時の行動は、正常な判断ができているとは言い難く、後で後悔することが多いのです。そうした患者さんの状態や、職場環境を考慮した上で、今後について一緒に考えられるよう努めています。

院長は働き世代のメンタルヘルスにも詳しいそうですね。

私は今までも、働き世代の患者さんの相談を多く受けてきました。患者さんの心の不調が、職場や仕事に起因する場合、休職や復職、業務量の軽減、配置転換は有用な手段ですが、部署をいくら異動してもトラブルが起きるようであれば、患者さんご本人への働きかけを重視しなければなりません。明らかなブラック企業や、上司が昔気質でなんでも気力で乗り越えることを要求するような場合は、患者さんと職場の意識の隔たりが大きすぎて問題解決が難しくなります。また、明らかに患者さんがその職種に向いていない場合もあります。これは個人差がとても大きいので、お一人お一人丁寧な診察、対応が重要になります。

診療をするうちに障害が見つかる場合もあるとか。

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患者さんが生きやすく、より良い人生を送るためのお手伝いをすることも私たちの使命だと考えています。例えば仕事が長続きせず、特に本人が希望しているわけでもなく仕事を変わるたびにいわゆる単純労働へとシフトしていくようなときは、心理検査が可能な施設に紹介状を書くことがあります。すると知的障害や発達障害などの有無を見極めることができます。そういう患者さんはこれまでも生きづらさのようなものを感じて、つらい思いをなさってきたことがあるせいか、初めて自分の障害がわかった時、納得されるケースが多いのです。診断がつけば障害者手帳を取得するなど、より良い人生を送るためのさまざまな手を打つことができます。患者さんの過去の状況も含め、あらゆる角度からの診断ができるように心がけています。

患者と家族がより良い生活を送れるように

診療の際に気をつけていることは?

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患者さんは心が弱っている方がほとんどなので、言葉選びは慎重にしています。医師として言わなくてはならないことはどうしてもありますが、言葉の選び方や伝え方一つで、同じ内容でも印象は変わりますからね。精神科医として駆け出しの頃には私も「言うべきことはきちんと言わねば」と、少々強い口調で対応したこともありましたが、そうすると患者さんが受診をやめてしまうことがありました。ほかの医療機関に移り治療を継続していただけていれば良いですが、医療と切り離されてしまえば状況が悪化してしまうかもしれません。処方された薬を規定以上に摂取したり、いつも予約時間に来院しなかったり、強固に診断書を求めたりされる場合は、明らかなルール違反として私たちも厳しく注意しますが、精神疾患の治療は患者さんと医療者側の互いを敬う関係性も大切だと思うので、互いに誠意を持って症状や状況の改善に向かってともに歩んでいきたいと思っています。

スタッフに声がけしていることはありますか?

児玉クリニックのスタッフである前に、いち医療人として患者に対応してほしいとお願いしています。例えば笑顔で優しく対応するとかですね。そして医療人である前に、社会人としてあいさつや時間を守るなど基本的なことをしっかりしてほしいと話しています。加えて人としての基本も私は大切にしてほしいと考えています。悪口を言わない、意地悪しないなど、本当に基本的なことです。人としてきちんとした人間は、仕事ぶりも患者さんへの対応も安心してお任せすることができます。

先生は、てんかん治療の経験も豊富だとか。

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精神科の医師でてんかんを診ることのできる医師は実はとても少ないそうで、さいたま市にもごくわずかしかいません。てんかんの患者さんは精神的に不安定な方が多く、うつ病などを併発している方も少なくないため、てんかんと心の治療をうまく両立させるためには専門知識を持つ精神科の医師のもとで治療を受けることが大切だと考えています。当院では、てんかんも専門的に診ることができる医療機関の一つです。

読者へのメッセージをお願いします。

日本人は真面目な人が多く、困難な状況でも我慢しがちですが、我慢せず気軽に相談にいらしてください。お話をさせていただいて、病気でなければそれでいいと思います。その見極めをするのが私たちの役割。中にはすぐに入院を勧めるケースもありますが、状況を変えたりお薬を飲んだり診断書をお出しすることも、今後の改善に向けた大切な一歩です。我慢できなくなるほどつらくなる前にご相談ください。

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