石井 誠剛 院長の独自取材記事
イシイ内科クリニック
(大阪市福島区/野田阪神駅)
最終更新日:2026/04/02
野田駅、野田阪神駅、海老江駅の3駅からいずれも徒歩3分。昔ながらの街並みと新しいタワーマンションが共存する活気あるエリアに「イシイ内科クリニック」はある。アイボリーと木目を基調にした院内は温かみと清潔感にあふれており、訪れる人の心を安心させてくれそうだ。院長の石井誠剛先生は、大阪の呼吸器専門病院で難病や肺がん治療の前線に立ち研鑽を積んできた日本呼吸器学会呼吸器専門医。2021年の開業にあたり院内にCTや呼吸機能検査など、専門性の高い検査・治療を受けられる環境を整えた。呼吸器はもちろん幅広い内科疾患に対応している。「当院がめざすのは家族3世代が安心して通えるクリニックです」と気さくに語る石井院長に、専門である呼吸器内科疾患に対する強みや地域医療にかける思いをじっくり聞いた。
(取材日2026年3月9日)
呼吸器疾患治療の前線を見た医師が届ける地域医療
呼吸器内科を専門に選ばれたきっかけを教えてください。

日本生命病院で救急と総合内科に携わる中で、呼吸器内科の患者さんを多く診る機会がありました。人工呼吸器の管理や気管支鏡検査といった手技に携わったことに加え、肺がんの治療が目覚ましく進歩していた時期で、患者さんの寿命を延ばすための新しい薬を使った治療を目の当たりにしたことが、呼吸器を専攻する決め手になりました。その後、近畿中央呼吸器センターで間質性肺炎などの難病や治験に携わり、呼吸器医療の「前線」を見ることができました。難しい病気の治療を実際に経験したことは、今の診療にも大きく影響しています。続く西宮市立中央病院では喘息などの身近な疾患も幅広く診るようになり、地域に根差した医療への思いが強まっていきました。
この地域で開業された理由を教えてください。
勤務医の頃からこの辺りに十数年ほど住んでいて、交通の便もよく気に入っていました。開業を考えた時、福島区には呼吸器専門医がいないと気づき、この地域や近隣の西区・西淀川区で困っている患者さんに専門的な医療を届けたいと思ったのがここを選んだ一番の理由です。野田駅・野田阪神駅・海老江駅の3駅から徒歩3分とアクセスが良いこともあり、今では福島区だけでなく周辺エリアからも多くの方に通っていただいています。この辺りは昔ながらの街並みと新しいマンションが混在していて、昔から住んでいるご高齢の方も、若いファミリー層もいらっしゃいます。幅広い世代の方が暮らすこの街で、皆さんに安心してもらえる医療を届けたいと考えています。
院内の環境づくりで、こだわった点を教えてください。

開業したのは2021年で、直前まで新型コロナウイルス感染症の治療にあたっていました。陽性患者さんを第1波から受け入れた経験があるので、院内で感染が広がらないよう動線を分けることは絶対に外せないと考えました。発熱者のための外来には専用の入り口と隔離室を設け、一般の患者さんとは完全に動線を分離しています。病気を治療しに来た場所で別の病気をもらうことがないよう、今後、未知の感染症が出てきても対応できる体制にしています。また、院内ではスタッフ全員がインカムを装着しており、看護師への連絡や検査の進捗共有を瞬時に行うことで、患者さんの待ち時間をできるだけ短くする工夫をしています。内装はアイボリーと木目を基調に、少しでも安心感を持っていただけるような空間をめざしました。
専門性の高い検査と治療を、身近なクリニックで
どのような患者さんが来院されていますか。

糖尿病や高血圧症、脂質異常症といった生活習慣病のかかりつけとして通われている方も多く、内科疾患には幅広く対応しています。その上で当院の特徴として大きいのは、呼吸器専門の外来です。喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の継続管理はもちろん、長引く咳や呼吸の苦しさに悩む方にはNO検査や肺機能検査、CTなどを組み合わせて原因を突き止め、その方に合った治療を進めていきます。他院で改善しなかった症状でも、この治療で変化がなければ次はこの可能性を考えようと段階的に手立てを組み立てられるのが呼吸器専門医の強みです。専門性の高い検査が紹介状なしで受けられますので、気になる症状があれば気軽にご相談いただけたらと思います。
院内にCTを導入された理由を教えてください。
近畿中央呼吸器センターでの経験を通じて、難病や細かい異常を見逃さないためにはCTが欠かせないと実感していました。院内にCTがあることで、例えば肺がんが疑われる結節の経過観察など、これまでは総合病院でしかできなかったフォローをクリニックで続けられます。他の医療機関で抗がん剤や放射線の治療を受けた後に起こりうる薬剤性の肺炎なども、CTで評価しながら協力して治療できるのは、クリニックとしてはまだ少ない体制だと思います。さらに呼吸器以外の領域でも、腹部の急性疾患や頭部の出血など全身のさまざまな病気を早い段階で見つけることにも役立ちます。なるべく総合病院に近い医療レベルをめざし、地域の皆さんの病気の早期発見・早期治療につなげていくことが私の目標です。
在宅医療や近隣病院との連携について教えてください。

当院に通われていた患者さんが通院の難しい状態になった場合には、在宅医療に移行して私自身が訪問するかたちでケアを続けています。呼吸器疾患の方には在宅での酸素療法やCPAP、NPPVの管理を行えますし、勤務医時代に肺がんの患者さんを数多く診てきた経験から、モルヒネなどを用いた疼痛コントロールにも対応できます。外来で積み重ねてきた関係をそのまま在宅でも途切れさせないことが、患者さんの安心につながると考えています。また、当院だけで対応が難しい場合に備えて、JCHO大阪病院や関西電力病院、住友病院、日本生命病院といった近隣の総合病院と連携を取っています。何かあったときにすぐ紹介できる体制を整えていますので、安心して相談していただけたらと思います。
丁寧な診察とチームの力で支える、3世代のかかりつけ
患者さんと接する際に心がけていることはありますか。

まず大切にしているのは、必ず体に触れて診察することです。聴診をしたり喉を診たりと、きちんと体を診ることは基本中の基本です。別の症状で来られた方であっても心臓の音まで確認するようにしており、診察しなければわからないことは確実にあります。問診では、事前に書いていただいた問診票をもとに私のほうから順序立てて質問するスタイルを取っています。患者さんが緊張して話しにくいときでも答えやすいようにしたいですし、限られた時間の中で適切に情報を聞き取り、治療のゴールへ最短で近づくことをめざしています。聴診の音や表情、問診で拾える微妙なニュアンスなど、経験でしか読み取れない「行間」を大切にすることが、呼吸器専門医として一番求められる役割だと思っています。
診療を支えるチーム体制について教えてください。
当院では呼吸器を専門とする医師が私を含めて3人おり、二診体制で診療にあたっています。さらにアレルギーが専門の医師も非常勤で加わっていますので、複数の専門性を持つ医師が情報を共有しながらチームとして患者さんを支えられる環境です。どの医師が担当しても医療レベルに差が出ないよう、知識のアップデートは全員で行うことを徹底しています。看護スタッフについても、開業当初から一緒に働いてくれているメンバーが多く、肺機能検査なども精密にこなせる技術をしっかり身につけてくれています。皆が患者さんに家族のように接してくれていますし、長く一緒に働く中で培われたチームワークが、日々の診療を支える大きな力になっていると感じています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

当院は呼吸器の専門性を軸としていますが、糖尿病や高血圧症をはじめとする内科疾患にも幅広く対応しています。呼吸器以外のことでも気軽にご相談ください。安心して通っていただき、ご家族にも「あそこ良かったよ」と伝えてもらえるような場所でありたいと思っています。お子さんからご高齢の方まで、家族3世代が安心して頼れるかかりつけであることが私のめざす姿です。今後は専門性を備えた医師をさらに迎え、総合的にしっかり診られる体制へと発展させていきたいと考えています。内科の枠を超える疾患でも近隣の総合病院への橋渡しができますので、体のことで気になることがあればまずは何でもご相談いただけたらと思います。

