田村 隆司 院長の独自取材記事
すぎおかクリニック高根台院
(船橋市/高根公団駅)
最終更新日:2023/03/15

高根公団駅から徒歩4分の場所にある「すぎおかクリニック高根台院」は、船橋市夏見台にある本院の分院として2021年に開院した。田村隆司院長は、25年間東部地域病院で循環器内科を中心に研鑽を重ねてきた循環器疾患のエキスパート。長年急性の心筋梗塞や心不全などの緊急カテーテル治療にあたってきた対応力を生かし、多岐にわたる循環器疾患をさまざまな角度から精査し診断することで、高齢化が進む地域の健康を守りたいと話す。「スタッフ間は風通しも良く、みんな患者さんへこまやかな気配りができる方ばかりです」と目を細める田村院長は、自慢のスタッフたちとの連携のもと、日々さまざまな疾患と向き合う。「患者さんとの距離が近い医師でありたい」と、真っすぐなまなざしで語る田村院長。その地域医療にかける想いにふれた。
(取材日2023年2月20日)
診断から回復までのプロセスに魅了され循環器を専門に
ご出身は習志野市と伺っていますが、幼少期はどのように過ごされていたのですか?

小学4年生の時に学校の管弦楽クラブに入部したのをきっかけに、そこからは音楽漬けの日々でした。小学校では珍しくフルオーケストラの活動をやっていた管弦楽クラブで、顧問の先生に勧められてチェロを担当することに。中学校でもフルオーケストラでの部活動に励み、コンクールでも全国レベルの成績を収めていましたので、とても貴重な経験をさせてもらったなと感じています。管弦楽は高校でも続け、一緒に部活をやってきた友人の中には音楽大学に進む人もいましたが、私は将来の職業を考えた時に、困っている人や苦しんでいる人を助けたいという思いが湧いてきましてね。医師という職業はその思いに直結していると考えたことから山形大学の医学部へ進学しました。
大学生活も充実していたようですね。
自然豊かな環境で過ごすことができたのも充実していた要因の一つ。スキー場が近くにあったので、午前中の授業が終わった後にスキーをしたり、年間かなりの日数を滑っていましたね。そういう意味では、随分と体も鍛えることができたのかなと思います。オーケストラも続けていましたし、大学時代の臨床実習での経験がその後の専門分野を決めるきっかけになったりと、非常に充実した学生生活を過ごせたと思っています。卒業後は千葉大学医学部附属病院の第三内科に入局しました。こちらは今は循環器内科に名称が変わっています。
大学時代の臨床実習がどのように専門分野の選択へとつながっていったのでしょう。

実習ではいろいろな診療科を回らせてもらうのですが、循環器内科へ行った時に、ある患者さんが救急で運ばれてきましてね。すぐに医師が診断し、治療に入る。この様子を目の当たりにしたんです。循環器内科というのは非常にダイナミックな診療科だと衝撃を受けると同時に、医師の手技に憧れを抱きました。診断から回復を図るまでのプロセスにスピード感があるんです。例えば、救急で運ばれてきた心筋梗塞の患者さんにカテーテル治療を施し、さらに社会復帰できるまでの回復過程を一気に見届けていく。とてもやりがいのある仕事だなと強く感じました。
医療の早期介入には定期的な受診と健診が重要
そして東部地域病院で25年間にわたり研鑽を重ねられたそうですね。

はい。心不全、急性心筋梗塞をはじめとする、さまざまな循環器疾患の治療に従事してまいりました。急性期治療に取り組んでいる病院で日中問わず救命処置を行っていました。そういう意味でも循環器全般の治療に対する技術と知識を身につけられたと思います。その間、たくさんの出会いもありました。千葉大学医学部附属病院第三内科に同期入局した杉岡充爾(すぎおか・しゅうじ)先生との出会いにも強いご縁を感じています。医師としても尊敬している彼から「クリニックを開院する予定があるのだけど、一緒にやってみないか」と声をかけてもらいましてね。彼の理念に共感を持っていたことと、地域に根差したかかりつけ医という立場での診療もやってみたいと感じていたことが重なり、2021年の院長着任へとつながったのです。
勤務医時代とは随分と環境も変わったと思いますが、来院される患者層や主訴について教えてください。
生活習慣病をお持ちの高齢者が多いですね。循環器内科ですので、動悸、息切れなどの胸の症状を訴えて来られる方や健康診断で高血圧や高脂血症を指摘されていらっしゃる方が多いように感じます。世の中的にも超高齢社会の到来が医療の大きな課題として挙げられていますが、この辺りも高齢化が進んでいますので、心不全をはじめとする循環器疾患の急増に備えて地域のクリニックの在り方を改めて見直さなければならないと考えています。生活習慣病をはじめとする基礎疾患をお持ちの方が入院を必要とせず、安定した状態を維持していけるようにすること、これがわれわれの重要な役目です。これまでは重症化した患者さんを診ることが多かったのですが、ここではそうならないように状態をコントロールしていくことが大事なので、医療の早期介入のために定期的な受診と健診の重要性を呼びかけています。
医療は病気と共存しながら地域で生活していく地域完結型医療へとシフトしているのですね。

そこには医療連携というのが非常に重要です。患者さんにとって最初の入り口となるクリニックで、まず現状を維持していける状態なのか否かを判断します。そして手術やさらなる医療の介入が必要と判断した時は、適した医療機関につなげ、入院治療を経て状態が落ち着いたら再び受け入れる、というのがわれわれクリニックの役目です。このように、一人ひとりに適した医療を提供するための策を講じなければ、やがて基幹病院がパンクしてしまいます。そうならないための医療連携に重きを置くことが大切なんです。幸い25年間基幹病院を中心に経験を積んでまいりましたので、急を要するか否かを見極める判断力は十分培うことができたと思っていますし、急を要する状態の際に施す治療も十分イメージできていることから、適切な医療機関へつなげやすい。これも当院の大きな強みだと言えるでしょう。
患者が躊躇せずに受診できる環境と関係性を築きたい
患者さんとの距離感の変化についてはいかがですか。

基幹病院では紹介状を持って来られた患者さんの受診を主に受けつけているという事情がありましたので、まずスタートから違いますし、患者さんのご不安な気持ちにも大きな差があります。それが、ここで診療を始めてから実感していることの一つですね。クリニックは日頃から気軽に受診いただけるので、診療の回数を重ねるごとに自然と患者さんとの距離も近くなりました。ちょっとしたことであっても躊躇せずに受診できるような環境と関係性を築きたいと思っておりましたので、それが徐々に実現できていることをうれしく思っています。私は日本内科学会総合内科専門医の資格も持っておりますので、全身をさまざまな角度から総合的に診ることができる点に安心感を感じてくださっている患者さんもいるのではないでしょうか。複数の疾患を抱えていらっしゃる方も多いですからね。
休みの日などはどのようにリフレッシュをされていますか?
勤務医時代は休みでも夜中でも関係なく呼び出されることがあったのですが、今は仕事とプライベートというようにオンとオフをはっきり切り替えられるので、家族と過ごす時間が増えました。それが一番のリフレッシュになっているのではないでしょうか。子どもがまだ小さいので、これから旅行にも行きたいですね。それがこの先も仕事を頑張れる原動力になると思います。10年後も20年後も患者さんに寄り添える医師、地域に根差したクリニックでありたいですからね。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

当院は循環器がメインのクリニックですので、採血をはじめ、心電図、心臓超音波、運動負荷心電図、頸動脈エコー、ABIという動脈硬化を調べる検査、あとは睡眠時無呼吸症候群の診断検査などに対応しています。運動負荷心電図検査ができるクリニックは少ないと思いますが、当院では循環器に関する検査は一通りできるよう設備を整えました。高血圧、糖尿病、高脂血症は特に症状が出ないことが多いので、ぜひ健診を受けていただきたいです。診療は私と杉岡理事長の医師2人と、看護師、エコー検査技師、事務のスタッフ11人と連携しながら行っており、院内はとてもアットホームな雰囲気を感じていただけると思います。当院は、何でも話せるクリニック、常に患者さんに寄り添った診療をめざしておりますので、お気軽に何でもご相談ください。