折茂 賢一郎 院長、折茂 則子 さんの独自取材記事
おりも総合クリニック
(横浜市金沢区/金沢八景駅)
最終更新日:2025/11/14
金沢八景駅前のビル2階にある「おりも総合クリニック」。折茂賢一郎院長は自治医科大学卒業後、群馬県吾妻郡にて診療所や病院を立ち上げるなど、へき地医療に尽力してきた。その後は財務省や厚生労働省の委員を務めたほか、東京大学などで教鞭を執るなど、多方面で活躍。2021年の開業以来、妻で事務長の折茂則子さんと二人三脚で地域住民の健康を支えている。則子事務長は、長年フラワーデザインスクールの経営者として、多くの人の心に寄り添ってきた。その経験を生かし、心の癒やしにつながる接遇や環境づくりを大切にしているという。「来た人は断らない」という信念を貫き、日々の診療に尽力する折茂院長と、きめ細かな心配りを欠かさない則子さんに、同クリニックの特色や訪れる人たちへの思いについてたっぷりと話を聞いた。
(取材日2025年9月16日)
医療と癒やしの経験を生かし、夫婦二人三脚で運営
開業に至るまでの経緯をお聞かせください。

【折茂院長】私はこれまで、群馬県吾妻郡にて診療所や病院を立ち上げたほか、行政と連携して24時間救急対応ができる体制づくりを進めるなど、医療過疎地域での診療に尽力してきました。人員や医療資源に限りがある中で、「何でも診る」という自分の診療スタイルが確立されたのはこの時です。途中から老人保健施設も作り、全国老人保健施設協会の副会長を7〜8年務めるなど、高齢者介護についても深く関わってきました。そんな日々を経て、残りの人生を考えたときに、今度は都市近郊の地域医療に尽力したいと思ったんです。そして、都心に近く海や自然に囲まれたこちらの地にやってきました。この場所でプライマリケアを一手に担うという強い思いで、「総合クリニック」という名前で開業することを決めました。その名のとおり、当クリニックでは幅広い領域に対応できることが特徴です。「来るもの拒まず」で診療を行っていますよ。
則子事務長はこれまでにどのような経験をされてきたのでしょうか。
【則子事務長】私は約30年間、フラワーデザインスクールの経営をしておりました。花を通じて人の心に寄り添うことや教えることに邁進してきましたが、私と院長のこれまでの経験を生かして「医療と癒やしを融合させることができるのではないか」と考えるようになりました。そして、ご縁とタイミングに恵まれて、夫婦二人三脚でのクリニック運営に至ったという次第です。お互いの得意分野や強みを生かして、居心地の良さを感じられるクリニックにすることができればと多様な取り組みを行っています。
院長と事務長の役割分担はどのようにされていますか?

【則子事務長】医療に関しては院長が全面的に担っており、それ以外のことはすべて私が担当しています。具体的には、事務手続きや受付業務、クリニックホームページの更新、お知らせの管理などですね。患者さんやスタッフとのコミュニケーションにも心を配っています。
【折茂院長】私が診療に集中できる環境を細部にわたり整えてくれている事務長には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。当クリニックの診療が成り立っているのは、お互いの信頼関係あってこそだと感じています。
かかりつけ医として総合的なプライマリケアを実践
どのような患者さんがいらっしゃいますか。

【則子事務長】ご高齢の方が多いですが、土曜日や夕方は働き盛りの方も多い印象です。新型コロナウイルス感染症にも対応していますよ。小児科では発熱や腹痛のお子さんがいらっしゃいます。当クリニックでは、日常的に必要とされる診療を行うとともに、医療の相談窓口的な役割を担えればと考えています。何科に行けばいいかわからないというような方も、気軽にご相談いただければと思います。
「何科に行けばいいかわからない」という方へはどのようにご対応されていますか。
【折茂院長】どの診療科を受診すべきか迷うような症状にもまずは柔軟に対応し、自分で診られるケースの場合は責任を持って診療します。当クリニックでは、内科的な症状だけでなく、転倒によるケガの処置や巻き爪の治療、小外科的な切開や縫合といった処置にも対応していますよ。一方、専門的な検査や治療が必要な場合には、地域の病院と連携し、適切な診療科にご紹介しています。そのほか、健康診断や予防接種なども提供しており、日常的に必要とされる医療を幅広くカバーしています。こうした診療を通じて「まずは相談していただける場所」であることを大切にしています。地域の病院と役割分担しながら総合的なプライマリケアを実践することが、当クリニックの役目だと考えています。
発熱の外来や内視鏡検査など特色ある診療についても教えてください。

【折茂院長】発熱の外来については、一般の患者さんとの動線を別にしていることが特徴です。新型コロナウイルス感染症の流行期には1日に大勢の患者さんを診ていましたが、皆さん安心して受診できたのではないかと思います。もう一つの特色は内視鏡検査です。これまで内視鏡分野で経験を重ねてきましたので、胃と大腸の両方を診ることができます。下部内視鏡では1センチ以内のポリープならばその場で取ることができ、日帰りでの処置で済みます。また、最も心がけているのは、患者さんの不安な期間を少しでも減らすために、検査結果をなるべくすぐ出すということです。院内でできる検査であれば当日結果をお出しし、一般的に2週間〜1ヵ月後と言われる病理検査の結果は、早ければ5日後にお出しできます。
五感に働きかける環境づくりとこまやかな心遣いが魅力
院内の環境づくりにおいて、工夫されている点はございますか?

【則子事務長】待合室のモニターでは、例えばピロリ菌やジェネリック医薬品、新型コロナウイルス感染症など、その時期に患者さんの関心が高いと思われるトピックについて、月替わりで配信しています。積極的に情報発信をすることで、診察時間中では院長が伝えきれないことをフォローできればと思っています。また、私のこれまでの経験を生かして、患者さんの五感に働きかけていきたいと思っていますので、BGMや香り、花に至るまでこだわっています。季節や時間帯に応じて調整しているんですよ。さらに、待ち時間をできるだけ短くできるようなシステムを取り入れるとともに、お待ちいただいている方には丁寧に診療の状況をお伝えするなど、不安の軽減につながるようなこまやかなお声がけを大切にしています。
診療で大切にされていることは何ですか?
【折茂院長】「なんでも話ができる環境づくり」を大事にしています。予約制ですが、「私はこれしか診ない」ということはせず、来た人は断らないことをモットーにしています。また、患者さん目線で対等にお話することも大事にしています。そして、もう一つ心がけているのは薬の減薬です。例えば、整形外科で薬をもらい、循環器科でまたもらって……というふうに、十何種類も薬を飲んでいるようなケースをなんとか減らし、適切な量の薬をご提供することをめざしています。病状が良くなったら一定の薬は終了という形で、薬がどんどん増えないようにしています。患者さんやそのご家族から喜んでいただけるような対応をめざしています。
最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

【折茂院長】地域の皆さんにとって、いつでも頼れる身近な存在でありたいと思っていますので、健康面で困ったことがあれば、気軽に相談していただけるとうれしいです。当クリニックではどのようなご相談でもまず受け止める姿勢を大切にしています。病気は自然に良くなることもありますが、人生の幕引きはまた違うものです。だからこそ、その時を支えられる医師でありたいと思います。
【則子事務長】当クリニックは、地域の皆さんにとって開かれた場でありたいと考えていて、交流のためのイベントとしてフラワー講習会を開催したこともあります。今後は、当クリニックならではの取り組みとして、癒やしにつながるアニマルセラピーを取り入れることなども検討しています。院長と協力しながら、より良い医療と環境をご提供できればと思っています。

