牧 隆文 院長の独自取材記事
なかま大人こども歯科
(中間市/東中間駅)
最終更新日:2023/06/20

かわいらしいキャラクターが描かれた外観が印象的な「なかま大人こども歯科」。院内に足を踏み入れると絵本の中に飛び込んだような世界が広がっており、ここが歯科クリニックだということを忘れてしまう。「子どもの通院が楽しくなるような、アットホームな歯科クリニックをつくりたかった」と優しく話すのは院長の牧隆文先生。小児歯科を中心に県内の歯科クリニックで研鑽を積んだ後、自身の故郷である中間市に2021年の6月に同院を開業した。「一生自分の歯で生活できることを第一に」をモットーに掲げ、患者にとって安心できる診療をめざしているという。診療室には患者からの手紙や似顔絵が飾られており、分け隔てなく患者と接する診療風景が目に浮かんだ。今回は院長に患者への思いやクリニックのことをたっぷりと聞いた。
(取材日2023年4月26日)
歯医者が苦手な子も、楽しく通えるクリニックをめざす
医院の造りや細かな装飾まで、クリニックのかわいらしい雰囲気が印象的ですね。

ありがとうございます。当院は子どもを中心とした、ファミリー向けの一般・小児歯科クリニックです。現在は患者の6割ほどは未就学児から小・中学生くらいまでのお子さんで、園や学校終わりの午後に来院されることが多いですね。逆に午前中は赤ちゃんや、大人の方をメインに診療しています。当院は治療への恐怖心を少しでも和らげるために、キッズルームや診療室を解放的な空間になるよう設計しました。また目が届く部屋でお子さんを遊ばせながら治療を受けられる診療室も設けていますので、保護者の方にも安心して通院いただけると思います。実は、院名に入る「なかま」は、地名の「中間」と名詞の「仲間」の2つの意味を含んでおり、多くの人々に長く愛されるクリニックにしたいという思いを込めて名づけました。開院して約2年がたちましたが、多くの患者さまに来ていただいて非常にありがたい限りです。
牧先生は、開業される前も小児歯科で勤務されていたのですか?
小児歯科というわけではなかったのですが、就職したのがたまたま小児の患者さんが多い歯科クリニックで、入ってすぐにお子さんを任されました。それからも徐々に子どもを診察する機会が増えていき、気づけばいつの間にか僕の予約枠が子どもでいっぱいの状態で(笑)。患者さんの中には歯科クリニックは「怖い、痛い」といった印象があり、泣いたり嫌がったりする子も当然います。ユニット台に無理やり座ってもらい治療を行うことも可能ですが、トラウマを植えつけたくないので、僕は焦らずに待つ診療を心がけています。待ってあげれば、どんな子でも絶対に治療ができるようになると思うんですよ。トータル的にお子さんを診療するのが好きでしたし、自分自身の特質だとも思ったので、それをきっかけに小児歯科の道に進もうと決めました。
そういった子どもさんへの思いが、こちらの開業につながったのですね。

「より子どもに特化した、誰もが通いやすい小児歯科を開きたい」という気持ちが強くなり、当院の開業に至りました。いろいろリサーチしていると、この周辺に小児歯科があまりなく、周囲の方からも「小児歯科はどこにかかったら良いかわからない」「わざわざ遠くの小児歯科まで通院している」といった意見も出たので、ここでの開業を決めました。大学を卒業してからずっと北九州エリアで働いてはきましたが、今回生まれ育った中間市で開業をすることになり、どのような影響があるのか楽しみな反面、不安もありましたね。しかしいざオープンしてみると、学生時代の同級生やその家族、以前働いていたクリニックの患者さんなどが来てくれることもあり、うれしく思っています。
優しいだけではだめ。その子に適した診療を提供する
具体的な診療内容について教えてください。

ガリガリと削ってせっせと埋めたりという感じではなく、フッ素塗布や検診といった予防やメンテナンスを中心とした診療を行っています。最近の患者さんは口腔内環境の良い子どもたちが多く、保護者のデンタルIQも高い印象ですので、自然とそうなっていきますね。自分の歯で噛めることを重視しているので、なるだけ自身の歯を失うところまで悪化しないよう、患者さんのデンタルIQを上げることや、日々のメンテナンスに注力していきたいと考えています。そういった事情もあり、当院はインプラント治療を扱っておりません。持病や事故の影響でインプラント治療が必要な方がいらっしゃった場合は、近隣のクリニックにご紹介というかたちにしています。もしご要望の際は直接ご相談ください。
お子さまの歯並びについての相談も多いのではないでしょうか?
ええ。当院ではできるだけ負担の少ない矯正を考え、マウスピース型の装置をご用意しています。型採り不要の3Dスキャナーもありますので、より精密なシミュレーションと治療プランのご提案が可能です。また、最近は子どもの成長期に、お口周りの筋肉のバランスを整えることを図り永久歯をきれいに生やす土台つくるための歯列矯正用咬合誘導装置も出てきました。実は歯は夜間が動きやすいとされ、この装置だと就寝中と起床後の1〜2時間ほど装着すればいいと考えています。学校で装置がからかわれるきっかけになってしまうのではないかと心配される親御さんも、これなら安心してに取り入れられるでしょう。いろいろな方法で、ご自身に合った嫌にならない歯科矯正を一緒に考えていきましょうね。そのためにも常にアンテナを張って、良い技術は取り入れていきたいです。
子どもの患者と接する上でどういったことに気をつけていますか?

フレンドリーな対応を心がけていますが、あくまで患者と歯科医師という距離感は大事にしています。以前は子どもにとっては優しい歯科医師であることがベストだと思っていて、そのように一辺倒で接していたら、保護者の方に「先生を変えてほしい」と言われてしまったことがあったんです。理由を聞くと、「怒らず、優しすぎるから」とのことで、それを聞いた瞬間ハッとしましたね。テンションが高いお子さん、怖くて泣いているお子さん、多種多様にいらっしゃいますが、ただ優しいだけでは駄目で、メリハリが大事だと気づかされました。それからはお一人お一人、その患者さんに合った接し方を考えるようにしていますね。
「お帰りなさい」実家のように温かいクリニックが理想
スタッフとの連携も重視していると伺いました。

月1のミーティングなどは設けてはおらず、代わりに毎日の終礼を厚みを持って行うようにしています。その日の出来事や困り事、悩みなどを、忘れないうちに話し合える環境にしたくて。夫婦でも、何かもやもやすることがあった際、次の日までしこりが残っていると嫌ですよね(笑)。その日のうちに解決して、みんながスッキリして帰宅できるように心がけています。また、患者さんの悩みを聞いてくれたり、院内をかわいく飾りつけてリラックスできる空間にしてくれたりと、そういった面でもスタッフは重要な役割を果たしてくれています。正直、患者さんには、歯科医師には言いにくいけどスタッフには話せるということもあると思うんですね。そういったことも、聞いてくれて共有してくれるので、非常に助かっています。
今後どのような歯科クリニックをめざしていきたいですか?
美容院のように数ヵ月に一度は来院してもらえるように、居心地の良い歯科クリニックにしていきたいですね。「歯も髪と同じように、定期的にメンテナンスをする」そのような考えを皆さまに持っていただきたいです。それからとにかく患者さんの立場に立って考えながら、その方に適した診療を提供するというポリシーは守っていきたいです。これは開院当時から決めていた当院の軸なので、一本筋を通して続けていけたらと思います。歯科医師は人と向き合う仕事。そこが歯科医師の醍醐味だと思って、これからも日々患者さんと向き合っています。
最後に地域の患者さまへメッセージをお願いします。

何かお困りごとがございましたら、気軽に来院いただきたいです。その上でいろいろな治療法の中からあなたにとって最適な治療法の選択をしていきましょう。もちろん当院でできる治療は行いますし、より専門的なことは適切な医療機関へご紹介します。それが僕たちかかりつけ歯科医の役目なのではと考えています。地域の方々から、「歯が生えたら、まずはなかま大人こども歯科」と思っていただける存在になっていけるよう、今後も尽力していきます。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児のマウスピース型装置を用いた矯正/15万円~、小児の歯列矯正用咬合誘導装置/15万円~
※症例によって費用は前後します。詳細は医院までお問い合わせください。