山田 ちいほ 院長の独自取材記事
二色クリニック
(貝塚市/和泉橋本駅)
最終更新日:2023/10/02

阪和線・和泉橋本駅から徒歩約2分の「二色クリニック」は、皮膚科と美容皮膚科を標榜。貝塚市出身の山田ちいほ院長は、子どもの頃、肌が弱く、車で隣市のクリニックまで度々通った経験を持つ。自身が母となってからも、愛着ある地域に「幅広い世代が気軽に通える皮膚科があれば良いのに」という思いが続き、開業を決意。2021年春に実現させた。少しでもリラックスして過ごせる雰囲気にしたいと、院内外とも黒と木目を基調としたカフェのようなモダンな印象に。バリアフリー設計とし、駐車場14台分も備える。勤務医時代からアトピー性皮膚炎やニキビ治療に数多く携わり、漢方治療の研鑽も積んできた山田院長に、診療ポリシーや治療内容など幅広く語ってもらった。
(取材日2023年9月14日)
愛着ある貝塚で地域密着の皮膚科医療の実践を
皮膚科と美容皮膚科を標榜されていますが、クリニックの特徴について教えてください。

幅広い皮膚疾患、お悩みに対応しており、特にニキビやアトピー性皮膚炎の治療に力を入れています。また美容皮膚科専門のクリニックに行くことに躊躇していた方も、一般皮膚科の診察を入り口として、お肌悩みの相談ができる、そんなクリニックをめざしています。待ち時間の長さの解消に努め、しっかりお話を伺うために完全予約制としています。そして患者さんの立場になって診療し、それぞれの生活スタイルに合った治療法を提案することを大切にしています。都会でなくても、大規模な臨床試験による科学的根拠に基づいた効果と安全性が見込まれ、現時点で最も良い治療法と考えられる標準治療を行い、新しい知見も取り入れながら、安心・安全性にも配慮した医療を提供したいと考えています。
開業までの経緯などを教えていただけますか?
近畿大学医学部を卒業後、大阪大学医学部附属病院で研鑽を積みました。最初は放射線科の医師として県内の複数の大規模病院に勤務しました。その後、産休に入ったのですが、漢方皮膚科から声がかかり、放射線科の医師を続けるつもりでいましたが、別の領域にトライするのも良いかなと思い転身しました。産後はアトピーの治療に力を入れているクリニックでアトピー性皮膚炎や乾癬を中心とした数多くの皮膚疾患の診療に携わりました。
先生は、貝塚のご出身だそうですね?

二色の浜で育ちました。私の両親も貝塚市出身なんです。私はもともと肌が弱く、小学生頃まではしょっちゅう皮膚科に通院していましたが、泉佐野か岸和田まで車で行かなければなりませんでした。その後、医師となり地元を離れましたが、妊娠出産をきっかけに貝塚へ戻ることが多くなったんです。自分が母親となり、親の立場になってさらに、幼少期から感じていた「この街に身近な皮膚科があればもっと良いのに」という思いが高まり、愛着ある地域の方々に親身に寄り添う、かかりつけ皮膚科になりたいと、長く変わらない現状に一念発起。さまざまなご縁のおかげで、この地で開業することができました。
どのような世代、主訴の患者さんが多いですか?
昔からお住いの方が多い地域ですが、新しい住宅も建ち、幅広い年齢の方が来院されます。女性医師だからと言って来られる30~50歳代くらいの女性が多いですね。0歳から10歳代くらいのお子さん連れの方、ご主人や祖父母などご家族皆さんで来る方もいらっしゃいます。午前中は湿疹やイボでお悩みの方が多いですね。午後は中高生のニキビのご相談が多く、薬を自己流で塗っていて良くならないという訴えもよく聞きます。薬の塗り方は大切なので、丁寧にご説明するようにしています。アトピー性皮膚炎にお悩みの方もお子さんから大人まで多いですね。
ニーズをくみ取り一人ひとりに合わせた診療を
一般皮膚科の診療について詳しく教えていただけますか?

虫刺されやかぶれなど、すぐ治ることが望めるものが多い一方、慢性疾患として長く付き合う必要のあるものも。患者さんそれぞれに適切な治療を丁寧な説明とともに提案します。イボが大きくなってから来る方もいらっしゃいますが、早めの治療が大切。巻き爪も進み具合によって対処法が変わるので、早めの治療をお勧めします。開業前から多くのアトピー性皮膚炎を診てきましたが、治癒するものではないため求めるゴールが一人ひとり違ってきます。当院では注射も取り入れていますが保険診療でも高額です。そうした治療が必要か、よく説明してからご意向を伺います。ニキビの治療も得意分野の一つと言えます。薬を適切に塗れば多くは良くなることが望めますが、放っておくと痕になることも。短期間で治癒が見込めるものではないので先の見通しをきちんと伝えるようにしています。親御さんが一緒に話を聞くなど、家族の協力が得られると、より安心ですね。
美容皮膚科も標榜されていますね。
コンプレックスや悩みを解消したい、より美しくなりたいなどの思いを持つ方の相談のハードルを下げたいと思っています。一般皮膚科の診療に来てみてから、お肌悩みの相談をされても構いません。お子さんの皮膚疾患の治療で来院されて、次はご自分の肌の相談をということでも大丈夫です。最初から美容皮膚科専門のクリニックに行くことには抵抗のある方も、安心して気軽に相談できる場所でありたいと思っています。
日々の診療で患者さんと接する時に大切にしていることはありますか?

患者さんのニーズをくみ取ることですね。また同じ治療でも生活スタイルが違えばできることは違ってきます。例えば10代の患者さんでニキビの治療薬をしっかり塗ることが大切だけれど、毎回きちんと薬を塗ることが難しい場合、親御さんの協力を得てより良い治療に結びつけていく必要があるでしょう。背景をよく知り、標準治療はもちろん、それぞれの患者さんの状況に合わせて治療法を提案していくことを意識しています。
10人のスタッフと、患者の立場に立つことを大切に
診療体制、スタッフさんなどについて教えてください。

診察室を2つ設けており、非常勤の医師に来てもらうこともあります。また、私の夫が担当することもありますね。医師以外のスタッフは10人。皆、意識が高く、患者さんに良くなってもらいたいという思いを持っており頼れる存在です。患者さんの立場になってわかりやすい言葉で語ること、思いやりの気持ちで個々に応じた対応をすることを共有しています。
先生が医師をめざしたきっかけ、やりがいなどについてお聞かせください。
子どもの頃は病気がちだったので病院に行く機会が多く、医師は身近な存在で頼もしく、憧れを感じていました。小学生の頃から何となく、医師になりたいと思い始めたんだと思います。父が歯科医師だったことも影響しているかもしれません。実際、医師になり、私に診てほしいから来たという患者さんの話を聞くと、やはりうれしいですし、大きなやりがいを感じますね。
休日の過ごし方やリフレッシュ法などについても教えていただけますか?

小学5年生と2年生の子どもがいるので、まだ子育てに忙しい日々ですね。上の子は思春期ですが、2人とも勝手に育ってくれた感じで、たくましいんです。健康なのも何よりですね。一番のリフレッシュ法は寝ることです(笑)。あとはテレビのドラマを観ることでしょうか。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
患者さん一人ひとりとしっかり向き合うために予約制をとり、ウェブの問診表などいろいろ工夫をしていますが、どうしても一日に診られる人数には限界があります。長く続けていくために、信頼できる非常勤医師に協力してもらいながらスタッフ総出で対応していきたいと思っていますし、いずれはオンライン診療も実施したいと考えています。完全予約制で、しっかりとお話を伺いますので、ちょっとした皮膚のトラブルも気軽にお越しください。