「形成外科」はどんな時に利用する?
実際の診療内容について解説
くすもと形成外科クリニック
(大阪市中央区/淀屋橋駅)
最終更新日:2024/08/09


- 自由診療
形成外科と聞くと、どんな症状のときに頼るべきなのか、皮膚科との違いは何なのかと悩んでしまう人もいるのではないか。また、自由診療や入院するような手術がメインではないかと敬遠してしまうこともあるかもしれない。実は、厚生労働省も基本診療科として設定する形成外科で、40年以上その発展に尽力してきたのが「くすもと形成外科クリニック」の楠本健司院長だ。これまでの経験で得た技術を生かし、「人が人らしく」あるべき姿を実現することを目標に、不安や心配に寄り添い、患者がハッピーになるための医療を提供している。自分らしく過ごしたいと願う人のために、形成外科でできる診療やそれに対する思い、治療の流れなどを聞いた。
(取材日2024年7月23日)
目次
患者がハッピーになれることが一番の目標。緻密なプランと技術力で、「その人らしさ」の実現をめざす
- Q形成外科では、どのような症状に対応できるのでしょうか?
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A
▲頭から足の先まで、さまざまな部位が対象となる「形成外科」
髪の生えている頭から、足の爪の先まで、幅広く対象にしているのが形成外科の分野です。ケガやできものなどの外傷、生まれつきの色合いや形などの先天異常など「体表に関わる外科的治療すべて」と言ってよいと思います。皮膚科も同じ領域を対象にしていますが、内服薬や軟こうなど内科的治療をすることが一般的なので、そこが大きな違いだといえます。例えば、事故などによってケガややけどを負った場合、浅いものはすぐに改善が期待できますが、痕が残る、あるいは指や腕の曲げ伸ばしに関わるなどの深いものに対し、手術をメインに治療を行うのが形成外科の役割です。
- Q形成外科は自由診療で費用が高いというイメージがあるようです。
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A
▲患者の「人としての姿」に合わせた提案を行う同院
美容外科とも密接な関わりがあるので、自由診療のイメージを持たれることもありますが、基本的に形成外科は保険診療が主体です。外傷や皮膚のできもの、唇裂や唇裂外鼻変形などの先天異常、ケガや顔面神経麻痺などの後遺症、眼瞼下垂など生活に影響するものはしっかりと保険診療を行います。外傷などに関係なく、しわやしみなどを改善したいと希望された場合は美容外科で自由診療になると考えていただくとわかりやすいですね。特に当院は、形成外科・美容外科・美容皮膚科の3つを標榜しているので、症状やお悩み、なりたい姿に合わせてどの方法を選択するか、一緒に考えていくことが可能です。
- Q心がけていることや大切にしていることを教えてください。
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A
▲患者の幸せが自身の幸せであると朗らかに語る院長
「人は人らしく」が、一番のめざすところです。やはり外見は極めて重要なので、外傷や先天異常、体表の後遺症などで悩まれているところを医療の力で修復できるのであれば、最大限発揮するのが形成外科の医師としての役割です。また、見た目の悩みは、メンタルへの影響も大きいと考えています。手術によって改善を図ることで、生活に積極的に参加できるようにする、気持ちが前向きになるようサポートすることも、診療する上での重要な目標です。心配や不安に寄り添い、技術面で答えを出すことはもちろんですが、その結果患者さんにハッピーになってもらうことが私の喜びでもあります。
- Q40年以上のご経験の中で特に意識されていることはありますか?
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A
▲患者一人ひとりに合わせた手術デザインを計画し、実施している
痛手を少なく目的を達成することが、形成外科の根本的な考え方です。きれいに縫合できるからどこを切ってもよいのではなく、より目立たないところ、より短くメスを入れることで患者さんの痛みや気持ちの負担を少なくする努力を続けてきました。なかなか数値化するのは難しいものなので、これまでの経験を生かし、顔の形や髪の生え際などそれぞれの患者さんに合わせた手術デザインを事前にしっかりと計画しています。
- Q受診から治療の流れを教えてください。
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A
▲患者の困り事に寄り添い、スタッフ全員でサポートする
お困りのことに対し、まずはどんな経過をたどったのか、急な事故であれば当時の状況などをしっかりとヒアリングします。そして、局所の大きさや深さ、周りへの影響など細かい部分まで評価し、どこを切開するのかどういった処置をするのかなどを判断します。手術の方法やその後の経過などをご説明した後は、日程の調整や血液検査などを行い、手術の日を待ちます。あと、私から一通りの説明をし終えたら、必ず「ほかに聞きたいことはありますか」と尋ねるようにもしています。加えて、スタッフも状況を把握し、例えば入浴してよいのか、化粧はいつからしてよいのかなど生活面についての質問に対応し、チームで医療の提供を行っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはしわに対するボツリヌス毒素製剤注射/1万5400円~、しみに対するレーザー/5500円~