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小野 憲司 理事長の独自取材記事

おのKクリニック

(北九州市八幡西区/穴生駅)

最終更新日:2023/12/20

小野憲司理事長 おのKクリニック main

筑豊電気鉄道線穴生駅から徒歩1分の場所にある「おのKクリニック」。内科、外科、呼吸器内科を標榜する同院の理事長は日本呼吸器学会呼吸器専門医の小野憲司先生。風邪や喘息などの呼吸器疾患に加え、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、ケガややけどなどの治療と地域に根差した診療を行う。さらにクリニックではまだ珍しいCTも導入している。「必要に応じいつでもCTを撮影し、正確な診断と早期発見・早期治療をめざしたい」と穏やかに、そして熱意を込めて話す小野理事長。呼吸器外科の専門家である先生も家族を肺がんで亡くした経験がある。「肺がんでも早く見つかれば対処しやすくなった時代。禁煙などによる予防医学と、CTによる早期発見で一人でも多くの人を救いたい」と熱く語る小野院理事長に診療にかける想いや今後の展望などを聞いた。

(取材日2021年10月27日)

自身の経験を生かし早期発見の重要性を根づかせたい

クリニックを開業された理由を教えてください。

小野憲司理事長 おのKクリニック1

産業医科大学を卒業後、第二外科に入局しました。第二外科には消化器外科、呼吸器外科、心臓血管外科とそれぞれの分野でのスペシャリストが在籍しており、多様な疾患の考え方や手術を学びました。その後、呼吸器外科を専門分野とし、肺がんを中心とした手術や抗がん剤治療を数多く手がけてきました。しかし、どんなに完璧な手術をしたとしても、進行がんであれば一定の確率で再発してきます。だとすれば、がんにならないようにする、もしくはがんを早期発見することが大事であり、それをやるならば大きな病院ではなく、患者さんが通いやすい地域密着のクリニックのほうが良いのではないかと自分の中で発想の転換が起きたんです。また父に進行肺がんが見つかり、発見後5ヵ月で亡くなったことも早期発見や予防医学の重要性を考えるきっかけになりましたね。

小さな症状を見逃さないように心がけていることは何ですか。

まずは、どんな些細な症状でも受診してみようと思えるような雰囲気のクリニックをつくろうと思いました。受診していただかなければ何も始まりませんからね。受診していただいたからにはどんな小さな悩みも聞き、ちょっとした顔色や表情、しぐさなどの変化にも注意しながら診察を行うようにしています。また、当院はエックス線検査、エコー検査のほかにCTも導入しています。肺がんの早期発見にはエックス線検査ではどうしても不十分な面がありますので、CTが必須と思い導入しました。当日すぐに撮影できるため、他の医療機関に行ったり、後日検査のためにわざわざ来院していただく必要もなく、患者さんには好評です。

先生がやりたかった早期発見のための診療ですね。

小野憲司理事長 おのKクリニック2

はい、早期治療を行うためには、早期発見が必要です。そのためには通常の血液検査やエックス線検査に加え、エコー検査やCTが必要と思っています。ですので、必要に応じてこれらの検査をお勧めしますし、最近では患者さん側からCTを受けたいと言われることもあります。また肺がんではありませんが、気管支喘息やCOPDなどの診断を行うには呼気中一酸化窒素濃度測定器や肺機能検査が非常に役立ちます。さらには生活習慣病としての動脈硬化指数をみる血管年齢測定器も導入しています。肺がんのみならず、呼吸器疾患全般や生活習慣病においても早期発見・早期治療介入をめざしています。

些細な症状からでも気軽に通える環境をつくりたい

院内もすてきですが、こだわったポイントは?

小野憲司理事長 おのKクリニック3

外観はモダンな雰囲気に、内装は木目を使って落ち着いた雰囲気に、という点にこだわりました。医療機関は調子が悪い時に行く場所ですから、患者さんは少なからず緊張するものです。待合室の吹き抜けはコンサートホールのようになっていますし、木目調のトイレは車いすでも入れるようになっています。一方で診察室などは清潔感あふれる白を基調として、安心感が伝わるようにと考えました。他にも心電図や血管年齢が測定できる機器も導入しています。「コレステロール値が300です」と言われても、患者さんはイメージしづらいですよね。そういった時に「血管年齢は実年齢より10歳上ですよ」と言われるとイメージしやすく、それを踏まえて禁煙や食事のアドバイスをすれば、頑張ろうという気持ちになりますよね。

生活習慣病の診療にも対応されているのですね。

はい。呼吸器疾患の原因が生活習慣病やストレスによることも多々あります。生活習慣病は万病のもとでもありますので、当院では、呼吸器内科だけではなく、高血圧症や脂質異常症、痛風、糖尿病などの生活習慣病といった一般内科も積極的に治療を行っています。また、アレルギー診療やケガ・やけどの外科治療にも対応しています。さらには検査や治療だけでなく予防接種や健康診断も行っていますので、些細なことでも、何でもいつでも気軽に相談に来ていただけるとうれしいですね。もちろん何でも相談できるクリニックをめざしていますし、診療科目にとらわれず気軽な気持ちで来ていただけることが地域に密着したクリニックとしてのあるべき姿かなと思っています。

地域に根づくクリニックとして心がけていることはありますか。

小野憲司理事長 おのKクリニック4

研修医時代、先輩医師から「患者を診よ」とよく指導されました。そのような環境で学んだこともあり「疾患のみを診るのではなく、患者を診る」が私の基本姿勢であり、クリニックの治療方針でもあります。幅広い患者さんの悩みを聞き、病気のみだけではなく、患者さんの背景まで理解した上で対応することができるのは、小回りと柔軟性の利いたクリニックならではであり、そのようなクリニックをめざしています。また、基本方針に関しても、患者ファースト・基本・貢献・研鑽・かかりつけ医・会話・希望・感謝・絆・呼吸器専門医の頭文字をとった「10のK」をクリニックの基本理念としています。ホームページに詳しい内容を記載していますのでぜひ読んでいただけるとうれしいですね。

正しい診断で正しい治療を。患者の要望にも応えていく

CTを導入した背景を教えてください。

小野憲司理事長 おのKクリニック5

CTは基幹病院にあることが多いですが、「●●病院で検査を受けて来てください」となっても、予約がすぐにとれるわけではないですし、患者さんにも移動の手間や負担がかかってしまいます。特に私の専門である肺がんは、CTでの診断がとても重要です。だからこそCTは開業時に導入しようと決めていました。まだ開業して2ヵ月ほどですが早速診療に役立っています。正確な診断ができるように、エコーやエックス線検査、肺機能検査、呼気中一酸化窒素濃度測定器などのさまざまな検査機器も取りそろえております。また治療としてだけでなく、リラックス効果も期待できるウォーターベッドも完備していますので、気軽な気持ちで来院していただけたらと思っています。

診察で心がけている点は何でしょうか?

例えば咳が出るといっても原因はさまざまであり、治療法もそれぞれ異なります。場合によっては、咳止めを使うことで診断が遅れたり、悪化することもあります。ですから患者さんのお話をよく聞くことはとても大事です。気になる点などを伺うのはもちろんですが、いつからなのか、お話しされる時の表情、息使い、痰はからんでないか、症状が増悪するのは一日のうちでいつ頃なのかといった点も診察中の会話やふとしたしぐさからくみ取って診断に結びつけていきます。このように普段の生活の中でも病気のサインはたくさん出ているものであり、そのサインを逃さないことが大切です。そしてそれをハード面で支えているのがCTといえるでしょう。小さなサインも見逃さないことが、「地域のかかりつけ医」としての大切な役割なのだと思っています。

今後の展望をお聞かせください。

小野憲司理事長 おのKクリニック6

当院では幅広い検査ができ、些細な症状から早期発見につながる診断ができると思っています。お困り事を気軽に何でも相談できるクリニックをめざしていますし、そうでなければ早期発見はできないと思っています。そして、一人でも多くの方が「がん」を克服できることを願っています。また、がんに限らず生活習慣病も同様です。早期治療介入で心疾患、脳血管疾患を減らすことが期待できます。そのためには良い意味での「なんでも屋」になりたいと思っています。症状がないと足を運びにくいのが医療機関ですが、症状が出てからでは手遅れということも多いのが現実です。「この程度でいいのかな?」の時点で、ぜひ一度受診してほしいというのが私の願いです。誰もが気軽に立ち寄れるクリニックをめざし、これからも地域の皆さまといっしょにさまざまなかたちで関わっていきたいですね。

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