藤田 陽平 院長の独自取材記事
おひさま歯科クリニック
(松山市/余戸駅)
最終更新日:2021/10/25

2021年5月、松山市余戸に開業した「おひさま歯科クリニック」。太陽のロゴマークに、オレンジ屋根がアクセントの外観、温かみを感じさせるたたずまいが、歯科医院への恐怖心を和らげてくれそうだ。院長の藤田陽平先生は、地域の子どもたちの歯を守りたいという思いから子ども用の診察室を用意。初めての受診が悪い記憶にならないよう優しい診療を心がけている。また藤田院長は口腔外科を専門としており、インプラント治療や親知らずの抜歯などの治療にも注力。設備を整えたオペ室で静脈内鎮静法を用いた負担の少ない治療を提案している。「地域で先進的な治療を受けられる環境を整え、かかりつけ医として認めていただけるよう努めていきたい」と語る藤田院長に、診療方針や患者への想いなどについて話を聞いた。
(取材日2021年9月16日)
地域のかかりつけ歯科として、患者の笑顔を守る
先生がこの地に開業されるまでの経緯を教えてください。

広島大学歯学部歯学科を卒業後、愛媛大学大学院口腔顎顔面外科学を修了し、博士号を取得しました。それからは開業をめざし、6年間の勤務医時代を経て2021年に独立し、開業に至ります。この場所を選んだのは、私が生まれ育った地域に近かったことが決め手です。地元の友人や知り合いも近くに住んでおり、お世話になった方に治療を提供できることも希望でしたし、地元で社会貢献をしていきたいというのが一番の夢でもありましたので。
診療のコンセプトは?
当院の理念は「for your smile」です。当院に関わるすべての人、患者さん、地域の方々、スタッフや業者の方々とともに笑顔あふれるおひさまの輪を形成し、その輪を広げていける社会貢献を継続したいという思いを持って歯科医療に臨んでいます。ですので、年齢性別問わず、かかりつけ医として認めてもらえるように努めていきたいと考えています。
先生が力を入れている診療について教えてください。

愛媛大学大学院時代は口腔がんの研究をしていましたが、同時に同大学医学部附属病院では全身管理についても学んできましたので、その経験も生かせればと考えています。お口の健康は全身の健康の入り口でもありますので、口の中だけを診るのではなく、そこから全身の健康を維持できるように。全身の健康のためにお口の健康づくりをしていきましょうと患者さんにはお伝えしていきたいですね。それから、私は口腔外科の出身ですので、親知らずの抜歯やインプラントなども精度の高い治療を提供できればと思います。親知らず専用の時間枠を設けており、総合病院の口腔外科に紹介しなければならないような難しい親知らずの抜歯も、当院でできる限り対応しております。
先進的な設備と技術を生かし、専門性の高い歯科医療を
診療する上で患者さんと接するときに気をつけていることは?

患者さんは十人十色、ご要望や考えていることもお一人お一人違いますので、すべての人にマッチする治療法がこれというのはありません。科学的根拠に基づく歯科医師の適切な判断も必要ですし、患者さんそれぞれのお口の中の状況をしっかりと把握することも重要。ですが最も大切なのは、患者さんの意見を尊重することだと思います。この3つを加味した上で、患者さんに最適な治療法が提案できるように努めています。私はインプラント治療に力を入れていますが、決して押しつけるようなことはしません。あくまでも歯を失った際の治療法の選択肢の一つです。インプラント治療、ブリッジ、入れ歯それぞれのメリット・デメリットをしっかりと説明し、最終的に選ぶのは患者さんご自身です。患者さんの意見を尊重することは常に心がけています。
インプラント治療の方針を教えてください。
もちろん歯を失うまでいかないように、定期メンテナンスによる継続的なケアや日々のブラッシングで歯を守っていくことが一番ですが、虫歯になり、神経まで達して歯を抜かなくてはならなくなってしまったら……。そのときは、ほかの健康な歯に負担をかけにくい治療としてインプラントというのは非常に画期的な治療ではないかなと考えています。私は、天然の歯には1本30万円以上の価値があると思っています。そしてインプラントはほかの歯にほとんど負担をかけることなく、30万円の価値がある機能を手に入れることが望める。そういう意味では、しっかりとした金額の価値がある治療法ではないかと思います。例えばブリッジや入れ歯は周りの歯に負担をかけやすいので、将来的にほかの歯を失うリスクも高まっていきます。先の人生を考えると、1本歯を失ったときにインプラントを入れることが、ほかの歯を守ることにもつながるのです。
設備へのこだわりも感じられます。

そうですね。外科処置には力を入れていきたいので、広めのオペ室を整えています。外科処置の際は麻酔薬を静脈に点滴していく静脈内鎮静法を採用。恐怖心を取り除いていきながらの処置が可能ですので、歯科恐怖症の方、インプラント治療や親知らずの抜歯などの外科処置に不安を感じておられる患者さんにご提案しています。静脈内鎮静法は全身麻酔に準じた設備と技術が求められるため、導入している歯科医院はまだ少ないようですが、私は大学病院時代に麻酔科と循環器内科でも研鑽を積み、全身麻酔の手術も経験しておりますので、安心して治療をお任せいただければうれしいですね。また、AIによる口臭測定を参考に口臭ケアも行っていますので、地域の方々の多様なニーズにお応えできると思います。
子どもから高齢者まで、みんなが安心できる歯科医院に
子ども専用の診察室も特徴的ですが、小児歯科への思いをお聞かせください。

子どもの歯を守っていくのも歯科医師にとって重要な役割です。小さな頃から虫歯になりにくい環境を整え、3歳までに虫歯がないと一生虫歯のない人生を送ることが期待できるともいわれています。ただ、そうは言っても3歳までの小さなお子さんにとって歯医者は怖い存在ですよね。私自身、診察台に座るまでが大変ということを勤務医でも経験してきましたので、歯科医院に対するネガティブな感情を少しでも和らげるために、より子どもにフォーカスを当てた「こども診察室」をつくることにしたのです。歯科用の椅子に座るだけでも緊張するので、とにかくハードルを下げて。キッズルームのようなかわいらしい空間に子ども用のベッドを用意して、そこに横になってお口を開ける練習から始めていきます。
感染症対策にも力を入れているそうですね。
もちろんです。新型コロナウイルス感染症流行の中での開業ということもあり、感染症対策は一番の課題。治療時に使用する水に関しては、電解中性機能水を作成するシステムを導入しています。また、治療中に発生するエアロゾルを吸引する口腔外バキュームで診察室をクリーンな環境に保つとともに、大型の医療用空気清浄機を取り入れて院内全体の空気もきれいに保てるようにしています。もちろん治療器具など患者さんのお口に入るものはすべて滅菌処理を施しています。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

もっと先進的な治療を取り入れて、地域の方々にいい治療にふれていただきたいですし、治療後も定期的なメンテナンスを行い、地域の方のお口の環境を守っていくことを継続していきたいと思います。そのために院内も広めに造っていますので、さらに設備環境を整え、技術の研鑽に励み、地域の方々に支持していただける歯科医院に成長していきたいですね。それから、歯周病と全身の健康についてもお伝えしていきたいと考えています。歯周病は生活習慣病の一種とも考えられ、糖尿病との関連性も高いのです。歯周病と糖尿病の治療を並行して行うことで、より良い成果につながることが期待できます。そのことをお伝えすることで、患者さんが少しでも生活習慣を変えるという意識を持ってくださったらうれしいです。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/1本30万円~、静脈内鎮静法/8万円~
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