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藤末 裕 院長の独自取材記事

東京北千住ゆたかクリニック

(足立区/北千住駅)

最終更新日:2024/02/26

藤末裕院長 東京北千住ゆたかクリニック main

寡黙な印象を受けたが、一つ一つ言葉を選び、じっくりと語ってくれた「東京北千住ゆたかクリニック」の藤末裕院長。泌尿器科医として大学病院の前線で臨床に携わり、十分な経験と実績があるにもかかわらず、ある精巣がん患者との出会いから生殖医療を一から学ぶことを決意したという。そこから子どもを授かりたいと切に願う夫婦の気持ちに寄り添い、その人にとってのベストを追求してきた。泌尿器科と男性不妊分野の両方を極める医師は少なく、多くの患者は大学病院を頼らざるを得ない。そんな現状を変えるべく同院を開業。不妊治療は自由診療のイメージが強いが、精索静脈瘤、Micro-TESE(顕微鏡下精巣内精子採取術)、漢方などは保険内で治療が可能。「きちんとした治療が当たり前に受けられるように」。その思いを静かに熱く語ってくれた。

(取材日2024年1月16日)

泌尿器科と生殖医療の治療をもっと身近に

もともとは大阪で開業されていたとか。東京にもクリニックを開院されたきっかけは何でしょうか?

藤末裕院長 東京北千住ゆたかクリニック1

最初は友人にこのエリアでは男性不妊も診られる泌尿器科の医師が少ないと聞き、誘われたのがきっかけでした。男性不妊の治療は大学病院で泌尿器科を専門とする医師にかかるか、奥さんに帯同して不妊クリニックにかかるかの2択が多く、もっと地域のクリニックで一般の泌尿器疾患と男性不妊に特化した診察ができないか? と考え、北千住での開業を決めたんです。以来、大阪と東京を行き来しながら2つのクリニックを兼務しています。当院では男性不妊に関する治療や手術のほか、膀胱炎や頻尿、尿の異常、前立腺疾患など男女のトイレのお悩みをメインに診察を行っています。

泌尿器科を選ばれ、生殖医療の道へも進まれたのはなぜですか?

実は父も泌尿器科医なのですが、当初は同じ道に進むつもりはなく、外科系に行こうかなと漠然と考えていたんです。その後に大学の先輩に誘われて結果的に泌尿器科へと進むことになったのですが、外来診察から手術、その後のケアと一貫して治療に携われ、患者さんと長くお付き合いができるところに魅力を感じて引き込まれていきました。生殖医療への第一歩は、大学病院で精巣がんの治療をしていた時のことです。患者さんに化学療法に入る前に精子を残す方法はないか聞かれたのですが、その分野の知識が不足していた当時の私は男性不妊を専門としている先輩に指示を仰ぎました。まず精子の状態を確認するため検査をしてみたら、無精子症だったんです。がんの治療も進めなくてはいけない、でも男性不妊の処置も行う必要がある。目の前の患者さんの希望をかなえるためには? と生殖医療について無我夢中で勉強し、気づいたらその世界にどんどんはまっていきました。

生殖医療のやりがい、魅力はどんなところにありますか?

藤末裕院長 東京北千住ゆたかクリニック2

目の前に困っている患者さんがいて、「どうにかしなきゃいけない」と必要に迫られて入った世界ですが、勉強会などに参加してみると、みんなとても生き生きとしていて、楽しそうでした。生殖医療は「子どもを授かる」のが目標なので、医師も患者さんも非常に前向きなんです。新しい命を生み出すための治療、お手伝いができるところに大きなやりがいを感じています。泌尿器疾患と生殖医療の両方を専門としている医師も少ないですし、いろいろと発見があって面白さもありました。子どもができなくて悩んでいた患者さんから、「先生できました! ありがとうございました」と言われたら、ものすごくうれしいですね。

術前、術後を考えたクオリティーの高い治療を

先生の得意な治療についてお伺いします。

藤末裕院長 東京北千住ゆたかクリニック3

男性不妊の治療で精索静脈瘤に対する顕微鏡下の手術、無精子症の方へのMicro-TESEは大学病院や総合病院時代より数多く執刀してきました。特にMicro-TESEに関しては、実績が豊富な医療機関で経験を積んできました。これらは日帰り手術ですし、お忙しい方でも安心して治療を受けることができると思います。生殖医療は高額で自費なのでは? と思いがちですが、上記はすべて保険内で受けられますのでご安心ください。また、泌尿器疾患というと前立腺など男性ならではの病気といったイメージがありますが、トイレのお悩みを訴える女性もたくさんいらっしゃいます。膀胱炎や過活動膀胱など女性特有の症状でお困りの方は、泌尿器科でご相談を受けることをお勧めします。

手術時のこだわりなどはありますか?

時間の早さが優先ではなく、丁寧さに重きをおいています。細かいお話になりますが、精索静脈瘤の手術で皮膚を切開していくと、そこにはたくさんの膜があります。一般的に膜はそのまま、切りっぱなしの状態で皮膚を縫って終わることが多いと聞きますが、術後のことも考えて修復も一緒にするようにしています。また感染を防ぐために水を大量に使用し、時間をかけて洗っていきます。血管など何かを切除している時間は同じくらいなのでしょうが、その前後の処置にも気を配るようにし、患者さんの予後のことも考え、全体的に丁寧な手術を心がけています。それでも手術時間は1時間半くらいで終わります。

がんの可能性を排除するためにも全員にCT検査をされていると伺いました。

藤末裕院長 東京北千住ゆたかクリニック4

精索静脈瘤の術前検査でCTまで撮る病院は珍しいのですが、当院ではすべての患者さんに対して行うようにしています。精索静脈瘤が原因でたまに大きながんが見つかる場合があり、安心のためにも事前に検査するようにしているんです。日帰り手術を希望され、大学病院から紹介で来院した患者さんもいらっしゃいますが、当院でがんが見つかってまた戻るパターンも考えられ、念には念を入れてCT検査を行うようにしています。これは泌尿器疾患と男性不妊、両方の経験を積んできた私ならではの視点かもしれません。

技術とホスピタリティーの両立を

男性不妊には手術以外の治療法もありますか?

藤末裕院長 東京北千住ゆたかクリニック5

男性不妊の治療は手術以外の選択肢もあり、漢方などの薬物治療を提案することもできます。最初から手術ありきではなく、「その人にとってベストな選択は何か」を考えてお話をするようにしています。精索静脈瘤の手術を行っても残念ながら改善がみられない時もあり、そんな場合には漢方薬処方を検討します。もちろん、薬物治療で改善が見込める患者さんも多々いらっしゃって、男性不妊を原因としたED治療薬の処方も含め、これらはすべて保険診療です。

今後のビジョンはありますか?

認知度を上げ、こちらでの手術件数をもっと増やしていきたいですね。精索静脈瘤やMicro-TESEといった男性不妊の手術は、限られた病院で高額な治療費を払わないとできないと思っている患者さんがいらっしゃいますが、そんなことはありません。保険適用で可能ですし、日帰りで行えます。また、治療とは別に、健康な精子に生まれ変わるためのお手伝いをいろいろな方向からアプローチしたいと思い、抗酸化サプリの監修にも携わっております。将来的な夢は現在もタイの病院と提携しているのですが、海外でも男性不妊に関する治療を広めていきたいなと思っています。日本の生殖医療技術とホスピタリティーを東南アジアで普及させていけたら良いですね。

最後に読者へメッセージをお願いします。

藤末裕院長 東京北千住ゆたかクリニック6

不妊治療は男性側に原因があったとしても、女性のほうが痛みやストレスなど心身ともに負担が大きくなります。子どもを授かることは1人ではできません。どうかご主人側が奥さんにもっと歩み寄って、2人で一緒に走ってほしいと願っています。そして男性不妊の可能性があるのなら、できるだけ早く生殖医療の知識のある泌尿器科医の診察を受けてもらいたいです。泌尿器や男性不妊のお悩みがあったら、気軽にクリニックに足を運んでいただきたい。できる限りのお手伝いをさせていただきたいと思っています。

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