最期まで口で食べるために
患者の一生涯に寄り添う口腔ケア
すこやか歯科クリニック
(熊本市中央区/熊本駅)
最終更新日:2025/03/31


- 自由診療
生涯、口で食事をするために重要なのが口腔ケアである。口腔ケアは、虫歯や歯周病、誤嚥性肺炎の予防や全身の健康維持にもつながる。また、口腔ケアには、歯科医師・歯科衛生士が行うプロフェッショナルケアと、患者自身が行うセルフケアがあり、それらを組み合わせ、習慣化することが重要である。「すこやか歯科クリニック」の山田崇弘院長は、摂食嚥下リハビリテーションや訪問歯科診療を中心に、幅広い経験を積んできた歯科医師だ。そんな山田先生に、口腔ケアの重要性や開始する時期、小児や高齢者の口腔機能に対してのアプローチについて、詳しく聞いた。
(取材日2025年3月14日)
目次
プロによる口の管理と、患者による正しいセルフケアを組み合わせ、習慣化することが大切
- Q口腔ケアとはどういったものでしょうか?
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A
▲口腔ケアと全身の健康についてわかりやすく話す山田院長
口の中を清潔にすることで、虫歯や歯周病などの疾患、誤嚥性肺炎などの感染症の予防に加え、口の中の機能を維持・向上させる目的のものです。特に歯周病は糖尿病や認知症などにも影響を与えるので、口腔ケアは全身疾患の予防にもつながります。歯科医院で行うプロフェッショナルケアには、口腔の衛生状態の改善を図る口腔衛生管理と、口の体操やリハビリを行う口腔機能管理の2つがあります。一方、患者さん自身が行う口腔ケアをセルフケアと呼びます。当院では、歯の磨き方のアドバイスやセルフケア用商品の提案も行います。プロフェッショナルケアとセルフケアを上手に組み合わせること、そして、セルフケアは習慣化することが重要です。
- Q小児に対してはどういったアプローチを行いますか?
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A
▲子どもの口腔ケアには咀嚼能力向上のための食生活も大切
口や唇、舌の力を測り、筋力が低い子どもには口腔筋機能療法というトレーニングを行い、口の周りの筋肉を鍛えます。特に歯並びが崩れてしまっているお子さんには、マウスピース型装置を用いた矯正やワイヤーによる矯正治療をお勧めすることもあります。また食べる物や、噛み方に気を配ることも重要ですので、食育に関する指導も行っています。例えば、生の野菜などを食べさせること、砂糖が入った甘い食べ物を果物やナッツなどに代替するなどが大事です。それにより、健康的な食事習慣が身につき、咀嚼能力やお口の機能の発達を促すことへつながります。
- Q高齢者に対してはいかがでしょうか?
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A
▲オーラルフレイルの予防には心と体のケアが不可欠と話す院長
50歳以上の方に対し、口の機能が低下していないかどうかの精密な検査を行います。具体的には、噛み合わせの力、舌力、咀嚼・嚥下機能の検査などです。口の機能が低下した状態である口腔機能低下症の診断が下った患者さんには、機能低下の具合によったリハビリのプログラムを組みます。歯科医院で指導を行い、それを日常生活の中で実践していただくという流れになります。外来で対応が難しい患者さんには、訪問歯科診療の選択肢もあります。年を重ねるにつれて口腔機能は低下していきますので、早期での治療・予防の介入が肝要です。気になる点があれば、気軽に相談に来ていただきたいですね。
- Q口腔内環境に意識を向けるタイミングはいつが最適ですか?
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A
▲口の不安に気づいた時に歯科検診を受けよう
当院ではマイナス1歳からの予防歯科を掲げています。妊娠の初期は虫歯や歯周病になりやすいため、妊婦歯科検診時からお子さんへの口腔ケアに対して考えていくのが良いかと思います。出産後、子どもの歯を守るために気をつける点は、食べさせ方や食べさせる物です。口移しは細菌が子どもにうつってしまうため将来のお子さんの口腔内の環境を悪くしてしまいます。また子どもの頃から噛み合わせや歯並びに気を配り、必要であれば矯正治療や口腔筋機能療法(MFT)を行うことも大事です。そして大人になってからも定期検診や正しいセルフケアを継続するようにしてください。それらをまだしていないという方は、気づいた時が最適なタイミングです。
- Q訪問歯科診療にについて教えてください。
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A
▲通院が難しい患者には訪問診療を提案
外来に来ることができない患者さんに対しては訪問歯科診療を実施し、一般的な治療・メンテナンスから義歯の作成、また嚥下リハビリテーションなどの専門的なアプローチを行います。咀嚼、嚥下など食べる時に困っていることの原因を見つけ、正しい姿勢を調整したり、食事の内容を考えたりと、その方に合わせた対応をします。また、管理栄養士と一緒に栄養指導も行います。食事支援については、理学療法士、医師、看護師、介護士など多職種と連携を取り合いながら患者さんの日常の様子をしっかり観察し、指導をしています。口腔機能に合わせて、食べることにこだわった義歯を作っていることも、当院の特徴だと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた小児の矯正/16万5000円~