丸山 剛 院長の独自取材記事
小石川整形外科
(文京区/春日駅)
最終更新日:2023/03/17

都営三田線・都営大江戸線春日駅直結のタワービル3階に位置し、2021年7月に開院した「小石川整形外科」。整形外科、リウマチ科、リハビリテーション科を診療科目に掲げ、長らく大学病院で勤務してきた丸山剛院長が、一人ひとりの患者と丁寧に誠実に向き合い、症状に即した治療法を提案することに努めている。リハビリテーション科には理学療法士が常駐し、症状の改善、病状進行の遅延、痛みを和らげることを目的とした、リウマチ疾患、スポーツ外傷、交通事故などに対するリハビリテーションを行う。近隣の大学病院と連携して診療を行い、骨粗しょう症の診査・診断などにも力を入れる丸山院長に、開業までの経緯や診療の特徴、今後の展望などについて聞いた。
(取材日2023年3月1日)
運動リハビリをしっかり行う地域に根差したクリニック
開院に至るまでの経緯について教えてください。

日本医科大学卒業後、日本医科大学付属病院、日本医科大学多摩永山病院など系列の大学病院に長年勤務していました。父が整形外科の開業医だったこともあり、自分もいつかは開業したいという思いがありました。加えて、大学病院で勤務していた時に病診連携を行っていたのですが、運動リハビリができる地域のクリニックがなかなか見つからず、手術や治療が終わった患者さんの経過観察やサポート先を探すのに苦労した経験がありました。病院で治療が終わった患者さんが運動リハビリをしっかり行えるような地域に根差したクリニックを開業し、下支え的な存在になれればと思い、開業を決めました。常に患者さんに寄り添った診療を心がけ、不安に思われていることを気軽にご相談いただける、そんなクリニックをめざしています。
なぜこの地を選んだのでしょうか。
開業するのであれば「駅から近くてアクセスが便利な場所」と思っていました。そんな中、春日駅直結で、後楽園駅からも徒歩3分というこの物件と出合いました。後楽園駅からは、地下を通れば雨に濡れずに来院可能です。日本医科大学付属病院が近いというのもポイントでしたね。このエリアは日本医科大学付属病院をはじめ多くの有名な大学病院や都立病院また民間病院がありますので、手術が必要な場合などで紹介する際、たくさんの選択肢があります。一方で、それらの病院で手術や治療が終わった患者さんの経過観察や外来での運動リハビリの受け入れ先として、当院をご紹介いただけます。また、同じビルには医療モールとしてさまざまな科のクリニックがあるので、必要に応じてお互いに紹介し合うことができます。
どのような患者さんがいらっしゃいますか?

整形外科というと高齢の患者さんが多い印象がありますが、この辺りは会社が多く、子育て世帯も多く住んでいることもあり、オフィスワーカーの方やお子さんの割合も少なくありません。お子さんの場合は、“転ぶ”といった外傷に加え、歩き方、X脚、O脚などが気になって来院されるケースもあります。高齢の方は、加齢に伴い膝の軟骨がすり減ることによる変形性の病気や腰痛などが多いですね。膝や股関節を痛めてしまうと、ADL(日常生活動作)が低下して日々の生活の質が落ちてしまうこともあるので、そのような方を対象にした治療も行っています。人生100年時代といわれる今、年を取っても「趣味の山登りを続けたい」「運動をやめたくない」という方も多くいらっしゃいます。また、リウマチ科も対応していますので、女性の患者さんの割合が多いです。
理学療法士、専門スタッフが運動療法、物理療法を行う
診療の際に心がけていることを教えてください。

一人ひとりの患者さんと誠実に丁寧に向き合う、これに尽きます。初診の際は、主訴に加え、お仕事や他のご病気の有無、ライフスタイルなど、その方の背景について詳しくお伺いします。例えば、デスクワークが多い方は肩凝りなどが多いですし、力仕事が多い方は膝を痛めやすいなど、その方の日常の動作が治療のヒントになることが非常に多いのです。そこをしっかり押さえた上で治療につなげることが、整形外科ではとても大切なことだと考えています。新型コロナウイルス感染症の流行が続き「今までジムに通っていたけどやめてしまった」などという方も少なくありません。運動不足が続くと体が凝り固まってしまい、首や腰を痛めてしまいがちです。そのような方には運動習慣を取り戻すことをアドバイスするなど、患者さんから信頼され、安心してもらえるような診療を心がけています。
リハビリテーション科はどのような体制で行っているのでしょうか。
リハビリーションには、適切な運動を行って体を動かす「運動療法」と、リハビリ機器を用いて痛みの改善を図っていく「物理療法」の2種類があります。当院には常勤と非常勤合わせて6人の理学療法士がおり、リハビリテーション室で、腰痛体操、転倒予防など、筋力と柔軟性、バランス能力の改善などを目的に運動療法を行っています。物理療法については、頚椎・腰椎けん引器、医療用乾式ホットパック装置、超音波治療器などのリハビリ機器を導入し、専門スタッフが都度対応させていただきます。頻度やリハビリの内容は、患者さんの症状を診ながら判断していきます。病院での手術が終わって経過観察しながら機能を回復させていきたい方のみならず、年を取るにつれて体の節々の機能が衰えてきた方に対しても、リハビリを通じて機能回復をめざします。
力を入れている診療について教えてください。

主には骨粗しょう症の治療です。当院では、DEXA法による骨密度の測定に加え、血液検査も行っています。骨は日々代謝されていて、つくられたり壊されたりしているのですが、骨の生成量が減る場合、生成量は正常だけれど破壊量が上回ることもあり、それを採血によって確認します。患者さんの症状に合わせて食事指導や運動療法を行っていますが、採血の結果、カルシウムが低ければカルシウムを補いますし、骨の生成量が低いようであれば、生成量を高めるための治療、骨の破壊量が高ければ、破壊量を抑制するための治療を行います。採血で原因を詳しく究明した上で治療を行っているのが当院の大きな特徴です。
新たな医療サービスを提供していきたい
医師をめざしたきっかけを教えてください。また、なぜ整形外科の医師をめざされたのでしょうか。

やはり、父の影響が大きいと思います。通っていた高校も、卒業後は医学部に進む風潮もあり、自然と医師をめざしました。整形外科は、自分もスポーツが大好きなこともあり、運動選手のケガを診ることに興味がありました。治療によって体の機能を高めたり、体の動きが良くなったりすることで患者さんが喜んでくれたらうれしいですね。大学病院に勤務していた頃は数多くの手術を行い、たくさんの患者さんを診てきましたが、患者さんから「先生の外来は良かったです」という声を聞けたことも励みになっています。
お忙しい日々の中、ご自身の健康管理はどのようになさっていますか?
小さい頃は野球をやっていたのですが、中学、高校、大学と硬式テニスに打ち込んできて、現在も続けています。診療後、週に3回近くのテニスコートに足を運んで練習しています。体づくりの目的もあり、パーソナルトレーニングも行っています。日々の診療は忙しいですが、運動しないと、疲れやストレスが逆にたまるんですよね。運動により、疲れやストレスが取れるのは、ごく普通のことだと思いますよ。デスクワークばかりだと足腰が弱ってしまうので、積極的に体を動かしています。自分自身が体を動かすことで、患者さんへの説得力も増すのではないでしょうか。
今後の展望について教えてください。

2021年に開業して間もないのですが、利便性の良さや地域の方々のおかげで、たくさんの患者さんに通っていただくようになりました。現在は、週に3日、2診体制で診療しています。今後は法人化の予定もあり、新しい医療サービスを提供しながら患者さんに適切なサポートを行っていきたいと思います。