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岡 有希子 院長、岡 真太郎 副院長の独自取材記事

しもつ歯科クリニック

(海南市/加茂郷駅)

最終更新日:2021/10/12

岡有希子院長、岡真太郎副院長 しもつ歯科クリニック main

海南市下津町、国道42号線沿いにある「しもつ歯科クリニック」。岡有希子院長と岡真太郎副院長が夫婦で治療にあたる同院は2021年4月にオープン。駐車場を完備したアクセスの良さに加え、院内はすべてバリアフリー仕様。常駐の保育士による見守りサービスもあり、家族そろって通いやすい地域密着型の歯科医院だ。「地域の人の口腔内を良好に。虫歯ゼロの街にしたい」という思いを持つ2人。海南市の特産物であるビワをイメージしたという、オレンジ色のモモンガを同院のキャラクターにしていることからも、地域への熱い想いが伝わってくる。「体も心もバリアフリーの歯科医院」をモットーに、大学病院と同等の設備を整え、これまでのキャリアを生かした専門的な診療を地域で展開する2人に話を聞いた。

(取材日2021年7月3日)

地域のニーズに応えるクリニックをめざして

こちらで開院された経緯をお聞かせください。

岡有希子院長、岡真太郎副院長 しもつ歯科クリニック1

【有希子院長】私はもともと経済学部の大学で、卒業後は銀行に就職していました。銀行員という仕事を続けるか悩んでいた時に、両親が歯科医師だったこともあり、目の前の患者さん一人ひとりを分け隔てなく治療し、困った人を助ける歯科医師という職業に改めて魅力を感じ、一念発起。歯科医師をめざして長崎大学歯学部に入学しました。その後、大阪大学歯学部附属病院小児歯科や大阪府内の歯科医院などでの勤務を経て、2021年4月、副院長の地元である下津町に開院。車でのアクセスが良い場所にしたいと考え、この国道42号沿いを選びました。

真太郎副院長が生まれ育った地元での開院なんですね。

【真太郎副院長】地元である下津町がすごく好きで、いつか戻ってきたいと考えていたので、この場所で地域の患者さんに向き合えていることがうれしいです。僕は祖父も父も歯科医師だったので、小さい頃からきっと自分も歯科医師になるんだろうなと思っていました。実家の歯科医院を継ぐことも考えましたが、歯科医院も時代によってニーズが変わっています。町の人が集まるスーパーの隣というアクセスが良い場所でバリアフリー仕様の歯科医院というのは、この地域のニーズに合っているなと思い、新たな場所での開院を決めました。

全体的にとても明るい雰囲気の院内ですね。特にこだわった部分を教えてください。

岡有希子院長、岡真太郎副院長 しもつ歯科クリニック2

【有希子院長】歯科医院には嫌な思い出があったり、行きたくないなという気持ちになったりすることも多いと思うので、リラックスできる雰囲気にしたいと内装にはこだわりました。待合室はカフェのように壁紙やタイルを木目調にして、天井もあえて3メートルと高くしています。特にお子さんは病院っぽい雰囲気を敏感に察知するので、緊張感が出ないように心がけました。
【真太郎副院長】キッズスペースを備え、保育士による見守りサービスを提供しているのもこだわりの一つです。診療中に子どもを見ていてもらえれば、親御さんに安心して診療に来ていただけるのではないかと考え導入しました。

歯科医院への苦手意識をなくすことを一番に

家族連れの来院も多いそうですが、お子さんの治療で心がけていることはありますか。

岡有希子院長、岡真太郎副院長 しもつ歯科クリニック3

【有希子院長】大学病院の小児歯科にいた時、子どもへの治療で一番大事なのは技術ではなく、子どもとのコミュニケーションだということを学びました。高い技術があっても、子どもが「もう来たくない」と言ったら治療できませんから、子どもが嫌がらずに来てくれることが一番。子どもを歯医者好きにさせるということを第一に治療にあたっています。例えば、歯磨き指導だけでも褒めてあげる。親御さんにも「今日、頑張ったんだよと家族の前で褒めてあげてください」とお伝えします。褒めてもらえると自信につながり、嫌がらずにまた来てくれるようになってくれますから。

これまでの経験を生かし、力を入れている治療はありますか。

【真太郎副院長】僕は大阪大学歯学部附属病院の保存科で臨床研修をしていた経験から、根管治療などは大学病院を紹介せずとも当院で治療ができるように、歯科用CTやマイクロスコープなど大学病院と同じ設備を整えています。例えば、歯の神経をとるような深い虫歯でも、当院では歯髄という神経を少しでも残す「VPT(歯髄温存療法)」という治療も可能です。歯を残す努力ですね。若いときにどんな治療を受けたかというのは、高齢になったときの歯の状態に影響します。若い方は歯の修復能力も高いので、なんとか残せるような治療ができるよう努めています。

虫歯治療にも尽力されているとお伺いしました。

岡有希子院長、岡真太郎副院長 しもつ歯科クリニック4

【有希子院長】初期虫歯のうちに適切なケアを行うことが大切です。歯の一番外側、エナメル質の部分は人体でも一番硬い組織で、虫歯で削れたり、剥がれたりしない限り、何かを感じることはありません。ですから、何か違和感があるときは虫歯のサインのことが多いんです。しかも、歯の神経というのは痛覚しかないので、その違和感は痛みとなって出てきます。ものすごく痛くなる前には、熱いものや冷たいものなどがしみるなどの違和感や、ちょっとした痛みがあるはず。その症状のときに来ていただければ、初期虫歯の段階で治療することができますから。お子さんの場合は、親御さんが虫歯に気づいた段階では遅い場合がありますので、何もなくても定期的にチェックしていただくことが重要です。虫歯になる前に歯科医院に来る癖がついていれば、苦手意識も少なくなりますので、お子さんにはできるだけ早く来ていただきたいです。

患者の意識の変化を感じた時が一番うれしい

子どもの虫歯予防について、何歳くらいから定期的なチェックが必要だとお考えですか。

岡有希子院長、岡真太郎副院長 しもつ歯科クリニック5

【真太郎副院長】歯が生え始めたら一度来ていただきたいですね。「歯医者さんは定期的に行く所」という意識をつけてもらえるといいのかなと思います。初めての受診が虫歯治療だと、その後も歯科医院は痛くて怖い場所だというイメージになってしまいますから。また、虫歯予防のためにフッ素を使うことができますので、生えそろわない状態でフッ素を取り込んでおくことも、早めの来院をお勧めする理由の一つですね。
【有希子院長】来院していただくと同時に、自宅でのケアも早めに始めていただければと思います。虫歯になるのには歯の性質、細菌、栄養という3つの原因があります。歯の性質はフッ素で予防効果を高めることが期待できるので、フッ素が入っている歯磨き粉を使う。細菌は、家族の虫歯菌が移らないように食器の使いまわしをやめる。栄養は甘いものを食べる頻度を減らすといったように、原因を少しずつ減らすという自宅でのケアも必要ですね。

歯科医師としてのやりがいを感じるときはどんなときですか。

【有希子院長】今まで歯科医院が嫌いで来たくなかったという方が、何かのきっかけで当院に来てくれた後に、その苦手意識がなくなったり、毎月通うようになってくださったりと、そういった変化につながったら一番うれしいです。歯は一生もので、一度悪くなってしまったら完全に回復することはできないし、元には戻りません。それに気づいてちゃんと歯磨きしよう、歯科医院に行こう、自分の口内環境を良くしなくちゃと意識を変えていただけたら、歯科医師になって良かったなと思いますね。
【真太郎副院長】僕はもう「ありがとう」と言ってもらえたら、それで十分です。自分が生まれ育った大好きな下津町の方の口の中がきれいになって、歯のことで悩む頻度が減ったらいいなと思います。

読者の方へのメッセージをお願いします。

岡有希子院長、岡真太郎副院長 しもつ歯科クリニック6

【有希子院長】歯科医院に苦手意識がある方は腰が重くなりがちですが、何か違和感があったときはすぐにご来院ください。抵抗なく来てもらえるよう「体も心もバリアフリーの歯科医院」をモットーに、精神的にも物理的にもバリアフリーをめざしている歯科医院です。ベビーカーや車いすでもスムーズに移動ができるような造りになっていますので、気軽にご相談にいらしてください。
【真太郎副院長】歯科医院ってどうしても構えてしまいますが、理想は美容院に行くようなイメージで定期的に気軽に来てもらえることです。今後は矯正歯科にも力を入れていくために、機械を導入予定です。口腔内を立体的に把握し、矯正後の歯並びをシミュレーションできるものです。このように大学病院に行かなくても当院でできる限りの治療も行えるようにさらに設備を整えていきますので、悩んでいたけどなかなか相談できずにいた方は、ぜひ頼っていただきたいです。

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