酒井 敬一 院長の独自取材記事
下井草さかい矯正歯科
(杉並区/下井草駅)
最終更新日:2025/02/13

下井草駅南口から徒歩で約1分の好立地にある「下井草さかい矯正歯科」。広々とした待合室内にはキッズスペースがあり、ベビーカーを押したまま入れる院内設計、トイレのおむつ交換台など、患者やその家族の通院に便利な配慮が施されている。酒井敬一院長は昭和大学を卒業後、東京医科歯科大学の矯正歯科、矯正専門のクリニックの歯科医師として研鑽を積み、2021年、生まれ育った東京都立石神井公園にほど近い、下井草で開業した。以来、地域住民をはじめ、西武新宿線、西武池袋線沿線から多くの患者が訪れる。「矯正は長期間かかることが多いからこそ、矯正についての説明を丁寧に行い、患者さんとの信頼関係を築いていきたいです」と語る酒井院長に、診療内容や診療方針などについて聞いた。
(取材日2024年10月29日)
下井草駅前の矯正歯科。小児矯正に力を入れる
2021年の開業以来、たくさんの患者さんが来院されているそうですね。

ありがとうございます。当院は2021年に開業したのですが、おかげさまで、地域の患者さんのクチコミなどを中心に当院のことを知ってくださる方が増え、ご予約がすぐに埋まってしまう状態です。小児矯正の患者さんの割合が多いのですが、お子さんのお母さまが友達のお母さまに当院をお勧めしていただくことが多く、地域に根づいてきたという実感がありますね。当院の場合、矯正歯科医が私一人ということもあり、矯正の最初から最後まで責任をもって患者さんと向き合い、1回の処置が終わるたびに進捗状況や次回の予定について丁寧に説明させていただきます。このような関わりを通し、患者さんやそのご家族が当院を信頼してくださっているのだとしたらうれしいです。待合室のキッズルームも好評ですね。ごきょうだいで来られる場合、どちらかが治療中、待っているきょうだいが飽きることなく遊んでいただけます。
小児矯正の患者さんが多いそうですが、割合はどのくらいですか? 小児矯正のメリットを教えてください。
開業当時はお子さんの患者さんは少なかったのですが、現在では大人の方が約6割、小児矯正の方が約4割といったところです。子どものうちは顎の骨の成長がありますので、前歯が出ていたり受け口の状態だとしても、顎の成長に合わせた矯正が可能です。また、歯が大きくて歯と歯の間に隙間がないお子さんは、小児のうちに隙間をつくっておくことで、将来大人の歯が生えやすくなったり、成人矯正に移行する場合の矯正期間短縮につながったりなどのメリットが期待できます。小児矯正は、永久歯が生えてくる6歳くらいからが適齢ですが、乳歯の前歯がでこぼこしていたり、受け口などの場合はそれよりも早く始めるほうが良いケースもありますので、気になる場合はご相談ください。
小児矯正について、先生のお考えを聞かせてください。

小児矯正は「1人の患者さんと長い期間関わりたい」という私の思いにもつながっています。不正咬合の改善だけでなく、歯並びを悪くするお口周りの癖の改善や筋肉のトレーニング、永久歯がきれいに並ぶように顎の発育を促すことを目的としたものです。先ほども申し上げましたが、ご自身で矯正装置を使える6歳くらいから始める患者さんが多いのですが、受け口のお子さんは、顎の成長をコントロールするために4~5歳くらいからスタートすることをお勧めします。子どもの矯正では「モチベーションの維持」がとても大切です。「歯医者さんは嫌い、矯正はつらい」と思われては、スムーズに進みません。診療中は優しい言葉や態度を心がけ、矯正装置の装着時間も、ご本人に無理のない範囲でスケジュールを立てていきます。
大人の矯正は、表側、裏側などさまざま
具体的にどのような方法で行うのでしょうか。矯正において心がけていることを教えてください。

お子さんのお口の状態によりさまざまですが、顎の発育を促し上下の噛み合わせを整えることをめざすマウスピース型の装置を寝る前につけていただく方法を行っています。受け口のお子さんの場合は、顔周りに装着するMPAという矯正装置を寝る前につけていただきます。いずれも、園や学校で装着するのでなくご自宅で使っていただくので、保護者の方にご協力いただきながら、基本的に月に1回のペースで通院いただき経過を診ていきます。また、診療時間枠の空き時間を活用し、お口周りの筋肉が緩むことで引き起こされる口呼吸や、歯並びを悪くする原因になり得る舌の癖を改善するためのトレーニング・口腔筋機能療法(MFT)も行っています。おうちでも継続してトレーニングができるよう、チェックシートをお渡ししたり、必要に応じて仕上げ磨きの指導なども行います。歯科衛生士と連携を取りながら、リラックスして診療を受けていただけるよう心がけています。
大人の患者さんには、どのような矯正を行っているのですか?
大人の患者さんには、ワイヤーを使った表側の矯正・歯の裏側からの矯正・マウスピース型装置を用いた矯正・歯並びの悪い部分だけピンポイントで行う部分矯正、いずれにも対応しています。仕上がりのご希望やライフスタイル、期間やご予算に合わせてお選びください。初回のカウンセリング時に、それぞれの方法についてメリットやデメリットもお伝えします。歯並びが整えば歯磨きがしやすくなり、お口の中を清潔に保つことが望めますし、虫歯や歯周病のリスク低減にもつながります。口呼吸から鼻呼吸になればお口が閉じやすくもなります。矯正の前に大きな虫歯や歯周病の治療が必要な場合は、かかりつけのクリニックで治療していただくか、もしくは当院が提携しているクリニックをご紹介し、虫歯や歯周病が改善してから矯正をスタートします。
大人の患者さんは、年齢層はどのくらいですか? また、どのように進めていくのでしょうか。

大人の患者さんは、下は中学生、高校生くらいから、上は65歳くらいの方まで幅広いですが、割合が多いのは40代前半くらいの方でしょうか。初診の相談を経て、型採りやエックス線などの検査を行い患者さんと相談しながら矯正方法を決めていきます。ワイヤー矯正が必要だけれどもなるべく目立たないようにしたいという場合はホワイトのワイヤーを使ったり、なるべく短期間で口元が見える部分だけ治したいという場合は半年くらいかけて部分矯正をしたりなど、矯正の進め方は患者さんによりさまざまです。高齢の方で、かかりつけのクリニックからインプラントを勧められ、部分矯正の相談に来る方もいらっしゃいます。どうしても抜歯が必要な場合は、連携している近所のクリニックで抜歯してもらってから矯正を始めることもできます。
「長く通えるクリニック」をめざして
検査・機器についても教えていただけますか?

エックス線室には矯正用のエックス線と歯科用CTがあり、多角的な診断を行っています。骨格の規格写真や3次元撮影もできるので、リスクが予測しやすいのも特徴です。マイクロスコープも導入しています。矯正装置の取り外しなど繊細な作業の際も、全体を確認できるので歯を傷つける心配も少なく、矯正の精度向上をめざせます。動画や静止画の撮影機能を使い、モニターと連動させて、子どもの患者さんの歯ブラシチェックにも役立てています。歯の型を採る際は、患者さんに負担の少ない口腔内スキャナーを使います。データ保存ができるので、矯正がスピーディーに進むのも利点です。院内感染症対策にも力を入れ、医療用の換気システムや口腔外バキュームを設置しました。
こちらで働くスタッフについてご紹介いただけますか?
歯科助手は知識豊富なベテランです。衛生管理やレイアウトなど、運営に関しては安心して任せています。歯科衛生士は意欲があり、気持ちの良い対応が得意。子どもの患者さんにも優しく接しています。スタッフ一同、丁寧で気持ちの良い対応を心がけ「また来たい」と思えるクリニックづくりに努めています。
今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

「気軽に相談できるクリニック」「長く通えるクリニック」として、これからの地域の方をはじめたくさんの方々のお役に立てればと思っています。紹介で当院に足を運んでいただく方が増えてきましたので、皆さんになるべくご迷惑がかからないよう、今後は診療枠を増やしたりなど、スタッフと相談しながらより良い矯正歯科クリニクをめざしたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは表側矯正/77万円~、裏側矯正/126万5000円~、部分矯正/22万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/104万5000円~、小児矯正/11万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。