ヨン キョンフン 院長の独自取材記事
小倉デンタルクリニック
(北九州市小倉北区/香春口三萩野駅)
最終更新日:2025/09/08

香春口三萩野駅から徒歩3分の場所にある「小倉デンタルクリニック」。日々多くの患者が訪れ、診療内容は、一般歯科から小児歯科、入れ歯、矯正歯科、さらには通院が困難な患者を対象とした訪問歯科診療まで、広範囲をカバーしているのが特徴。2024年に院長に就任したヨン・キョンフン先生は韓国出身。大学卒業後に来日し、歯科医師を志したと語る。歯科保存治療を専門に学び、できる限り天然歯を残すための治療に注力している。ヨン院長に、同院の特徴や未来への展望などについて詳しく聞いた。
(取材日2025年7月22日)
歯をできるだけ残すための歯科保存治療
院長に就任された経緯を教えてください。

2024年にこちらのクリニックを事業継承することになりました。もともと私は同じ医療法人内の博多の歯科クリニックを担当していました。ちょうど当院の前院長が退任されるタイミングで、私が博多からこちらに移ってくることになりました。実は、前院長とは大学の先輩後輩の関係で、私自身も大学院生の頃にここでアルバイトをさせてもらっていたことがあるんです。定期的に会議などでも顔を合わせていましたし、付き合いとしてはもう10年近くになります。就任の1〜2年ほど前から定期的にこちらにも来ていて、少しずつ関わっていたので、自分の中では自然な流れで今の状態になったという感覚です。体制も大きく変えていませんし、今までどおりのスタイルで、地域の皆さんに寄り添える診療を続けていければと思っています。
どのような患者さんが来院しているのでしょうか?
患者さんの年齢層は幅広いですね。若い方からご年配の方までいらっしゃって、10代の方もいれば、90代の方も来られます。また、外国籍の患者さんもいらっしゃり、韓国の方やそれ以外の国の方も来られています。主訴としては虫歯で来院される方もいらっしゃいますし、最近は矯正や審美歯科に興味をお持ちの方も増えている印象です。
診療の際のモットーについて教えてください。

歯をいかに残すかということを重視しています。治療が必要な場合でも、できる限りご自身の歯を残せるようにと、常に意識して診療しています。それと同時に、治療が終わったらそれで終わりではなく、そこからの予防を大切にしています。メンテナンスに定期的に通っていただき、悪くなる前にケアをしていくことが、将来的に大きな治療を避けるためにも必要だと思っています。私はこれまで歯科保存治療について深く学んできました。その経験を生かしながら、治療を行う際も患者さんの歯をできるだけ残すよう努めています。
患者の負担軽減を重視した歯列矯正
マウスピース型装置を用いた矯正に注力されているそうですね。

はい。ワイヤー矯正よりも調整しやすく、患者さんにとっても負担が少ないなどメリットが多く導入をしています。歯科医師側としても、コントロールしやすい面があるので、今後はさらに力を入れていく予定です。特にお勧めしたいのは、前歯の見た目が気になる方です。マウスピース型装置を用いた矯正では、全体の歯並びだけではなく、前歯だけを整えたいというようなケースにも柔軟に対応が可能です。ちょっとした見た目の悩みを解決したい方にとっては、始めやすい選択肢になると思います。歯列矯正がより身近になるように、患者さんにとって無理のない形で取り入れていけたらと思っています。
マウスピース型装置を用いた矯正の注意点はありますか?
まず、すべての症例に対応できるわけではないということです。症状によっては難しい場合もあります。例えば、大きな歯列のずれや骨格的な問題があるようなケースでは、従来のワイヤー矯正のほうが適していることもあります。ですので、まずはしっかりと診断を受けていただいて、マウスピース型装置を用いた矯正が適用できるかどうかを確認することが大切です。それからやはり、装置はご自分で装着することが前提になります。基本的には常につけておく必要があるので、やはり「しっかりと使い続ける」という意識が一番大事です。どんなに良い装置でも、使い方が正しくなければ意味はありません。
矯正を行うにあたって、大切にしたほうが良いことはありますか?

矯正の方法は一つではなく、何種類もあります。だからこそ大切なのは、その中から自分に合った方法を選べるかどうかです。矯正方法の選択肢や特徴、そして費用面も含めて、しっかりと説明してくれる歯科医院を選ぶことが重要だと思います。その上で、自分が納得できる方法を選ぶことが、後悔のない矯正につながると考えています。
訪問歯科診療もされているそうですね。
はい。当院では、通院が困難な方や施設に入居されている方を対象に、訪問歯科診療を行っています。寝たきりの方などはご自身での口腔ケアが難しく、虫歯や歯周病が進行しやすい傾向があります。歯の健康が損なわれると、食事が楽しめなくなったり、栄養が十分に取れなくなったりして、命に関わるケースもあります。口腔の状態は全身の健康にも影響するため、開業時から注力しているんです。中でも当院の特徴は、訪問診療を専門に担当するチームがいることですかね。ご家族や施設の方々と密に連携を取りながら、スムーズな診療が行えるよう体制を整えています。虫歯や歯周病の治療、入れ歯の作製・修理、抜歯など、一般的な歯科診療のほとんどに対応可能です。「訪問だから限られたことしかできない」と思われがちですが、実はかなり幅広い治療が可能です。通院が難しくなった場合も安心して頼っていただければと思います。
予防にも注力し、より良い口腔内環境の維持に努めたい
患者さんとの信頼関係を築いていく上で、大切にされていることはありますか?

患者さんに納得して治療を受けていただくことを第一に考えています。初めて来院されたらまず、痛いと感じている部分だけでなく、口の中全体を診た上で診断を行います。診断結果の説明には専門用語を極力使わず、エックス線検査の画像を用いるなど、視覚的なわかりやすさも心がけています。治療方法は一つではありませんので、こちらから強制するのではなく、メリットデメリットを説明して選択肢を複数設け、最終判断は患者さんにお任せしています。患者さんが迷っているようであれば、セカンドオピニオンをお勧めすることもあります。その上で当院に来てくださったら、しっかりと話し合いながらゴールをめざしていきます。
小児歯科にも力を入れていると伺いました。
ええ。お子さんに極力負担をかけないことを念頭に、小児歯科に注力しています。初めての来院が虫歯の治療だと、いきなり痛くて嫌な思いをしてしまい、歯科医院は怖いものだという思いが大人になっても残ってしまうでしょう。歯科医院に慣れて気軽に通ってもらうためにも、最初は歯磨きの練習だけでも良いのでお越しください。虫歯になる前から通っていただくことが、予防や早期発見につながり、結果的に治療も軽くて済むと考えているからです。乳歯が生え始めたタイミングでお越しいただけるのがお勧めですね。まだお母さんがお口の中の掃除をしている年齢だと思いますが、ケアの方法についてなどアドバイスも行っています。また、小児のうちから歯並びが気になるケースも増えてきているので、早い段階からできる予防的な矯正も提案可能です。大人になっても良い状態の口腔内で過ごすためにも、小さいうちに行う矯正は役立つでしょう。
休日はどのようにお過ごしですか?

休日は、ほとんど外に出て買い物に行くことが多いですね。リフレッシュも兼ねて妻と出かけています。特産物を買ったりその土地ならではご飯を食べたりするのが好きなので、道の駅に行くのが趣味になっています。健康のため食事には気をつけていますが、宗像にある道の駅には海鮮目当てでついつい行ってしまいます。
今後の展望と読者の方へのメッセージをお願いします。
歯に何か問題があって来られる方に対する治療はもちろん、特に問題がない方への口腔内チェックやクリーニングにも注力しています。定期的に行う健康診断のような感覚で歯科医院に通っていただけるようフォローしていますので、頼りにしていただけましたら幸いです。定期的に来ていただくことで、こちらからもその方に合ったアドバイスができたり、早めのケアや予防につなげられたりしますからね。何か困り事や気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正/55万円~、セラミックインレー/6万円~、セラミッククラウン/12万円~