川野 紀子 院長の独自取材記事
福岡天神駅前2分 のりこ 大腸・胃内視鏡 消化器内科クリニック
(福岡市中央区/西鉄福岡(天神)駅)
最終更新日:2023/07/04

西鉄福岡(天神)駅から徒歩2分というアクセスの良い場所にある「福岡天神駅前2分 のりこ 大腸・胃内視鏡 消化器内科クリニック」。「大腸内視鏡検査を受けたい、でも恥ずかしいから女性の先生がいい、という女性患者さんにこそ、当院に来てほしいんです」と語るのは、3人の子育て中の母親でもある川野紀子院長だ。大腸がん治療は早期発見が重要であり、そうでなくても気になる症状があれば気軽に来て、何でも話してほしいと朗らかに話す川野院長に、開業までの経緯や大腸内視鏡検査の詳しい内容などについて話を聞いた。
(取材日2023年3月7日)
女性医師が行う大腸内視鏡検査
まずは、医師を志したきっかけや開業までのお話からお聞かせください。

祖父が医師で、小さな頃から白衣を着て診療を行っている姿を見て育ちました。子どもながらに「かっこいいなぁ」と憧れを抱き、すでに小学4年生の時に10年後の自分を想像した作文には、「医学部に行っている」と書いていました。実は、そこからまったく気持ちがぶれることはなかったんです。医学部へ進学し、大学5年生の時にいろんな診療科を回らせてもらったのですが、最初が消化器内科だったんですね。即、内視鏡に心を奪われました。高い技術力が求められる分、とにかく面白みを感じたことと、上司にあたる先生が素晴らしい方で、この先生と一緒に働きたいと思ったのがこの分野を選んだ一番のきっかけなんです。胃の内視鏡ができる女性医師は結構いるのですが、大腸内視鏡も行える女性医師は少なく、患者さんにも喜んでいただきました。
そんな多くの女性の声が開業を決意するきっかけになったそうですね。
大腸内視鏡検査はここ数年、かなり認知されてきてはいるものの、依然として「検査を受けるのは恥ずかしい」と、受診をためらっている方が多いんです。私は大学病院や民間病院で数多くの大腸内視鏡検査を行ってきましたが、「女性の先生が担当してくださることもあるんですね」とよく驚かれていました。検査直前になって「男性の先生だとやっぱり恥ずかしい」と気後れしてしまう方が多く、医師が私だとわかると皆さん安心されるようなんですね。そういった女性患者さんの不安を払拭するのが私の使命の一つではないかと考え、開業に踏み切りました。まずこだわったのはアクセス。西鉄福岡(天神)駅からは徒歩2分、福岡市地下鉄空港線の天神駅から徒歩7分、福岡市地下鉄七隈線の天神南駅から徒歩3分というアクセスの良さは、大腸内視鏡検査で鎮静剤を使うことを考えれば外せませんでした。そして皆さんが一番気にされるであろう術前の準備室もこだわりました。
患者さんの不安を軽減するために、いろいろな工夫をされているとお聞きしました。

まず、当院ならではの特徴として、ご自宅で事前に飲む下剤をお渡しする際に、その方がより楽に検査が受けられることを重視し、オーダーメイドの処方をしています。トイレに関しても個室に備えつけのトイレがありますので、ほかの患者さんとバッタリ合うこともありません。ほかにも無線LANを設置しているので、パソコンを持ち込んで、仕事をしながら待つこともできます。音楽を聞いたり読書をしたりしてゆったり過ごすのもいいですね。検査前・検査後の時間をリラックスして過ごしていただければと思います。胃の内視鏡検査に関しても鎮静剤を用いて行えますし、口からだけでなく経鼻内視鏡にも対応しています。土曜も検査可能で、旅行者がサバを食べて腹痛を訴えて来られたことも。寄生虫のアニサキスが疑われる場合は、胃の内視鏡検査で調べることができます。
患者の気持ちに寄り添い、安心できる診察の提供を
では、患者層についてはいかがでしょう。

患者層は幅広く、先日もチラシを見た80代の方が来られました。ホームページの絵柄や、クリニック名からも女性の医師だとわかりますし、やはり女性の患者さんが多いですね。「お尻から出血があって不安で、女性の先生を探していました」「女性の先生の大腸内視鏡検査ならぜひ受けてみたい」といった声がとても多く、検査の予約もかなり埋まっています。私が特に検査を受けていただきたいと思っているのは、30〜40代の働き世代の女性の方々です。大腸がんは、日本人女性がかかるがんの罹患者数第2位で、死亡者数では第1位ですから、ぜひ私が女性だということをきっかけに、検査を受けていただければうれしいですね。
早めの検査が重要なのですね。
大腸がんの多くは、最初は小さな良性のポリープです。放っておくことで、悪性のがんになるものがあるんです。大腸がんを防ぐには、小さな状態のうちに見つけ、切除しておくことが重要です。私も3人の子どもがいますから、特に働くお母さんのお気持ちは痛いほどわかります。私自身も大腸がんや乳がんの検査を受けるときは、検査当日まで不安でいっぱいです。ですから来てくださった方には、まずその一歩を踏み出されたことに、ねぎらいの言葉をおかけします。とてもうれしいことに、出産後「自分は病気になるわけにはいかない」という親としての責任が芽生え、授乳中に検査を受けに来られる方や、お尻からの出血が気になって来られる方も多くなりました。私も出産を経験していますので、話しやすいと感じてくださるようです。
内視鏡検査に限らず、大腸に関する相談は多いのでしょうね。

そうですね。便秘、下痢、腹痛、便に血が混じっている、健康診断で引っかかったなど、さまざまなお悩みが寄せられています。話をお聞きして、焦ってすぐに検査をする必要はないと判断することもあり得ますが、患者さんたちが真に望んでいるのは、自分の悩みに寄り添ってくれる医師なのではないかと感じています。「こんな症状、誰に相談していいかわからない。でもここは女性の先生だから言えるかもしれない」と思ってもらうことが重要なのです。福岡市内で大腸内視鏡検査を受けられる医療機関はかなり増えていますが、診察から検査まですべてを女性の医師が担当するのは珍しいのではないかと思います。患者さんにとって大切な「安心できる」という点は、今後も一番に考えていきたいと思っています。
互いの人となりを知り、信頼関係を構築していく
スタッフさんとの連携はいかがでしょう。

スタッフは全員女性で、人としての優しさがあるか、患者さんの言葉を否定しないかなど、人間的に信頼できる人選を私自身が行いました。実際にチームワークもとても良く、検査を受ける患者さんのアフターフォローなども担ってくれています。とても勉強熱心なスタッフばかりで、患者さんの質問に的確に答えられるよう知識を蓄えていますし、診療や検査を円滑に進めるための気遣いにも長けた自慢のスタッフです。スタッフたちもこれまでに内視鏡検査を受けたことがあるため、どのようにすれば楽に検査を受けられるか患者さんに寄り添ったサポートができるのも強み。背中をさする時も絶妙なタイミングでサポートしてくれると思います。
患者さんへ寄り添うことを大事にされているのですね。
検査を受けたいと思いつつ、なかなか勇気が出せない時もありますよね。今すぐに検査が必要な症状ではなければ、まずはお薬で様子を見て、それから患者さんの心が決まったタイミングで検査をお勧めすることもできます。通院・診察をする中でお互いの信頼関係を構築し、そこから検査に移行するほうが覚悟も決まりやすいでしょうし、結果も受け入れやすいでしょう。無理に検査を行うことはありませんから、前述したような症状やお悩みがあれば、まずは相談にいらしてほしいですね。私が消化器疾患を診る医師をめざすきっかけとなった先生はどんなに忙しくとも患者さんお一人お一人に触れ、親身にお声がけされていました。そのような心遣いを私もしていきたいと常々思っています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

女性として、同じ女性の健康を守りたい。そこに自分の内視鏡検査の技術が活用できればと開業しました。皆さんのご不安の解消につながる、気持ちに寄り添える仕事だと誇りに思っています。女性同士たくさんおしゃべりをしながら信頼関係をつくり、大腸内視鏡検査だけではなく、日々のかかりつけ医としても皆さんとお付き合いできればと考えています。母子で来院されるケースも多く、ウェブ予約や事前のウェブ問診にも対応しています。たくさんの方が健康で過ごせるよう、これからもさまざまな工夫を凝らしてサポートしていきたいと考えていますので、ぜひお気軽に相談にいらしてくださいね。