福田 修二 院長の独自取材記事
福田歯科医院
(生駒郡平群町/平群駅)
最終更新日:2024/04/15

近鉄生駒線・平群駅より徒歩7分。「福田歯科医院」は自然に囲まれた地にある。長野県の恩師のもとでの学びを生かし、歯周病治療、予防歯科に注力し、患者とともに歩む治療を心がけている。また歯科医院での診療以外にも、子どもの遊び場や食の流通支援など、地域の健康拠点をめざしてさまざまな取り組み活動を行っている。そんなアグレッシブな福田院長に、これまでの道のりやこの地で開業した理由、歯科医院の診療内容、今後の展望など、たっぷりと語ってもらった。
(取材日2024年3月19日)
長野県での学びを平群の地で
これまでのご経歴について伺います。

大阪大学歯学部を卒業後、同大学付属病院の補綴科に勤務していました。補綴科は、歯が欠けたり失ったりした場合にかぶせ物や入れ歯などで修復することを目的として診療する分野です。そこで、患者さんが噛めるようになったり、見た目がきれいになることで喜んでくれる姿を見ることを楽しみに診療を行っていました。一方で、過去に治療を終えた患者さんが、その後来院が途絶え、状態が悪くなって再来院されるという状況を何度も目の当たりにしました。その経験から、壊れたものを治す治療から、壊れないようにする予防歯科が大切だと気づきました。そんな中、長野県で予防歯科を長年行っている先生のセミナーに参加する機会があり、悪いところがなくてもその先生のもとに30年以上メインテナンスで通い続けている人がたくさんいると聞いて、衝撃を受けました。
悩んでいた中で大きな衝撃を受けられたのですね。そこから長野県に行かれるまでの経緯をお聞かせください。
セミナーに参加していた当時、開業を考えていましたが、予防歯科ができる歯科医院を開業したいと強く思うようになりました。そこで、受講していたセミナーの先生の歯科医院で学ばせてほしいとお願いをしたところ、了承をいただき先生のもとで働けることになり、家族で長野県に移住しました。その歯科医院では「患者さんとともに歩む医療」をモットーに掲げていて、「どこを磨けばいいの?」と思うくらいピカピカのお口で来られる患者さんの笑顔や、そんな患者さんと信頼関係を築いている歯科医師・歯科衛生士の姿がとても印象に残っています。恩師のもとで勤務した4年半は、本当に大きな経験になり、自信につながりましたね。
奈良での開業を決めたきっかけや、この場所を選んだ理由は何だったのでしょうか。

私は大阪出身なので、近畿圏でというイメージくらいで、開業場所はどこでもいいと思っていました。メインテナンスの患者さんが増えた場合に歯科医院の拡張ができるよう、広い場所を探していて、設計士さんに条件に合う場所を探してもらいました。いざこの場所を見に来てみると、周りが山に囲まれた場所で、長野で診療していた歯科医院のあった場所の雰囲気ととても似ていて、どこか気持ちが落ち着き、直感的にここで開業することを決めました。
患者目線での治療を優先し、カウンセリングに注力
歯科医院のコンセプトや診療で大切にされていることを教えてください。

「患者さん中心の医療」「予防を主体とした医療」「予防につながる治療」「チャレンジし続けること」を目標にしています。恩師のもとでは、患者さん目線で治療を続けていった結果、30年後にこんな状態になっていますという姿をたくさん見させていただきました。自分も同じようにできるなら何かと考え、健康な人を増やすこと、難しい治療を必要としない人を増やすことだと思ったんです。壊れたものを修復することに目がいきがちですが、もっと前の段階で防ぐことができれば「まったく治療しない歯科医院」になることもできる。そこをめざすべきだと思っています。それがかなえば、歯科医院は怖いところではなく、健康になるところ、病気を未然に防いでくれるところになり、多くの人が笑顔で通ってくれるようになると思っています。
カウンセリングに時間をかけているとお聞きしました。「患者さん目線での治療」とつながるのでしょうか。
患者さんはお口の悩みがあるから歯科医院に来ていますが、同時に他にもいろいろな悩みを抱えていることが多いです。そんな人に、歯の話を力説しても、「患者さん自身は本当に聞きたいのだろうか?」と思うんです。だから、今その人の問題は何なのか、本当はどうしたいのかを掘り下げていかなければいけません。聞き取るためには時間がかかりますが、それができれば、それぞれの事情に合わせて「この期間だけは来てね」「この治療は今はしなくても大丈夫」などと、一人ひとりに合わせた提案ができるようになります。その後はまた、長い付き合いの中でのベストプランを一緒に探っていけばいいと思います。本当に難しい作業ではありますが、できる限りカウンセリングに時間を取るようにしています。
補綴科での勤務医時代に感じていた「患者のモチベーション」のお話にもリンクしますね。

そうですね。患者さんには「治療は先生にお任せで」とは絶対に言わないでと、いつも話しています。これまでかかっていた歯科医院を変えてまで当院に来られるには理由があるはずです。例えば、詰め物が取れたのが嫌だったとか、以前通っていた歯科医院では自分で治療法を決められなかったのが嫌だったとか、一つずつひも解いていくと、だんだんと患者さんの中にある希望が見えてくるんですよね。しっかりと話を聞いて、自分の身体のことは自分で決めるようにと話をし、患者さん自身が望むことを具体的に提案できるようにしています。カウンセリングなく、歯科医師主導でどんどん治療を進めてしまっては、患者さんの根っこにある問題を振り返ることもできないですから。
歯科医療の枠にとどまらず、地域の健康の拠点をめざす
待合スペースでヨガ教室を開くなど、さまざまな観点から健康のサポートをされているとお聞きしました。

先ほどお話ししたように、患者さんが困っていることは歯だけではありません。ご高齢の患者さんの中には治療を始めようと診察台に座ってもらうと、首が痛くて曲がらないとか、腰が痛くてチェアを倒せないという方が多く、「歯の治療の前に体をどうにかしなくては」と思ったのがきっかけで、ヨガの先生に来ていただき、ヨガ教室を開催しました。今は私自身ももっと体について知りたいと思い、勉強中です。歯科医院ではありますが、いつか体をメンテナンスするような取り組みなども行えたらと考えています。また、食べ物で身体はできているので、栄養や食についても患者さんに話をしています。その一環で、地元の農家さんと協力し、患者さんに採れたての野菜をおすそ分けをしています。新鮮な採れたての野菜は患者さんに大好評です。
歯科医療の枠を超えた活動をされているのですね。めざすところを教えてください。
一番は「歯科診療を提供するだけで終わりたくない」という思いです。せっかく平群で開業したので、地域に何か残したいという気持ちがあって。例えば、歯科医院の隣に子ども用のジムをつくりたいと思っています。大きい子から小さい子までが一緒になって遊んだり、おじいさん・おばあさんに昔ながらの遊びを教えてもらったりするのもいいですよね。社会性を身につけながら体を思いっきり動かすことで、自然とお口の健康も守れる環境をつくることができたらいいなと考えています。この歯科医院を拠点に、いろいろな影響を与えながら、輪が広がっていけばうれしいですね。
あらゆる面から地域を盛り上げていきたいとお考えなのですね。

そうですね。地域が元気であればそこにいる人も元気になると思いますし、その逆もありますよね。根本から人を喜ばせることができないと、歯科医師として一人前になれないなと思っています。福田歯科医院で治療を受けることで、自分を大切にしてくれる人が増えてくれるとうれしいです。だからこそ、患者さんにも「先生にお任せで」とは言ってほしくないんです。患者さん自身が考える「健康」とは何か、「幸せ」とは何かを考えてもらい、自分を大切にできる方を増やしたいですね。自分の健康を守りたい方、大歓迎です。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。