永久歯に生え替わる前に行う
マウスピース型装置による小児矯正
ヤーマン歯科矯正歯科クリニック
(多治見市/多治見駅)
最終更新日:2024/02/21


- 自由診療
気づいたら子どもの歯並びが乱れており、今後を心配して歯科医院へ相談に訪れる親は少なくない。一方、日頃から歯に対する意識を持っていても、どのタイミングで受診し小児矯正を始めるべきか悩む人もいるだろう。そうした中、小児を中心に幅広い診療を行う「ヤーマン歯科矯正歯科クリニック」では、5歳を目安に小児矯正の開始を呼びかけている。永久歯に生え替わる前に歯並びを整えることができれば、将来的にさまざまなメリットが得られるという。まずは患者に気軽に足を運んでもらえるよう、多彩な取り組みにより子どもが受診しやすい環境づくりに努める山本将寛院長。歯並びが乱れる前にアプローチを始めることがなぜ重要なのか、欠かせない要素は何か、山本院長に詳しく話を聞いた。
(取材日2024年2月15日)
目次
小児矯正は、顎の成長と永久歯の正しい萌出を促すためのもの。親と子双方のモチベーションも大切に
- Q子どもの私生活において、歯列が乱れる原因は何ですか?
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A
▲家族連れで来院できるヤーマン歯科矯正歯科クリニック
食文化の西洋化により、やわらかい食べ物が主流となったことが大きな原因として挙げられます。加えて、授乳期から物を食べられるようになるまでの過程で、舌や口周りの筋肉が適切に使えないまま成長してしまったのも一因です。本来、授乳期から通常の食事に移行するにつれて飲み込み方は変わっていきます。しかし現代の子どもの中には、物を食べるようになっても授乳期の飲み込み方が残っているケースが多く見受けられます。そのような子は大きくなっても顎が小さいため、乳歯の時点で隙間なく歯が並んでおり、乳歯よりも大きく本数も多い永久歯が生えるスペースがありません。その結果、永久歯が傾いたり本来とは別の場所に生えたりするのです。
- Q子どものうちに歯列を整える重要性について教えてください。
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A
▲マウスピース型装置を用いた矯正に注力している
小児のうちに顎や口周りの筋肉の適切な使い方を習得することで、将来の本格矯正の負担の軽減につながります。ワイヤー矯正や矯正後の保定期間が不要になれば、時間的・金銭的な負担も大幅に減るでしょう。また、矯正によって動かした歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」を気にしなくて済むのもメリットです。小児矯正ではすでに生えている歯を動かすのではなく、永久歯が適切な場所に生えてこれるよう、乳歯のうちに顎の骨を成長させることに重きを置いています。当院では小児矯正を「予防的矯正」と呼んでおり、幼少期に予防的矯正を行っておけば後戻りは基本的に起こらないという考えのもと実施しています。
- Q小児矯正の適切な開始時期はいつですか?
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A
▲細かい検査を経て矯正治療が始まる
当院が考えるベストなタイミングは5~6歳で、リミットはだいたい8~9歳です。早ければ早いほど望ましく費用も抑えることがめざせますが、治療ではお口のトレーニングも行うため最低限のコミュニケーション能力は必要です。症状の観点でいうと、口がぽかんと開いている場合は顎の成長に支障を来す恐れがあるため、早めに始めたほうが良いですね。そして小児矯正で大事なのは、お子さん本人にやる気があり、親御さんもトレーニングのサポートを頑張れるかどうか。カウンセリングでは事前に必ずその旨をお伝えしています。そして親と子双方の意思を確認した上で矯正をスタートします。
- Qこちらのクリニックで行う小児矯正について教えてください。
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A
▲口腔内の筋機能訓練も行う
当院では、受け口などの不正咬合を改善するための咬合誘導装置など、お子さんの年齢や症状に合わせてさまざまなマウスピース型装置をご用意しています。悪い癖を直すことで顎の骨を広げることを図ると同時に、アクティビティーテキストを使ってお口のトレーニングを行っているのも特徴です。トレーニングメニューは毎月違ったものを3つずつ、宿題として出しています。院内で指導後、次回の診察までに自宅で実践してもらい、できるようになったら次のステップへ進むという流れです。また近々、管理栄養士と一緒に小児矯正の患者さんへの食事指導も始めようと計画しています。
- Q治療後のメンテナンスの内容も伺います。
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A
▲治療したらその後のメンテナンスも重要
矯正終了後は月に一度のメンテナンスを推奨しています。そこで顎の成長具合や歯の生え方をチェックするほか、おしゃべりをしたり水を飲んだりしている動画も撮影します。これは日常生活の何げない動作を見て、悪い癖が残っていないかなどを確認するためです。考え事をしているときに口が開いていた子や飲み込む際に首が動いていた子が、1年間のトレーニングを経て改善が見られたとしたら、私もスタッフもうれしいと思いますね。親御さんにはトレーニングの継続を呼びかけつつ、今後は新たに管理栄養士とお菓子に関する指導も行う予定です。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置による小児矯正/33万円~(4~5歳からの場合、毎月のトレーニング料とチェック料は別途5000円)
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。