宇野 仁揮 院長の独自取材記事
山鼻うの眼科
(札幌市中央区/山鼻19条駅)
最終更新日:2024/02/14

札幌市電山鼻線・山鼻19条から徒歩約3分にある「山鼻うの眼科」は2020年開業。「温かい心の通う安心・良質な眼科医療の提供」がモットーだ。宇野仁揮院長は、札幌医科大学附属病院をはじめ、道内の総合病院に勤務し、白内障、緑内障、網膜硝子体疾患などを中心に幅広い診断・治療を経験してきた。NTT東日本札幌病院で眼科医長を務めた後に同院を開業した。「これまでの経験を生かし、何でも気軽に相談できる眼のかかりつけ医として地域医療に貢献したい」という宇野院長に、診療内容や患者への思いなどを詳しく聞いた。
(取材日2022年12月2日)
コミュニケーションを大切に、病気だけでなく人を診る
はじめに開業のきっかけを教えてください。

患者さんに寄り添った治療を行いたいというのが自分のめざすところで、開業はかねてからの目標でした。基幹病院で約10年研鑽を積みましたが、勤務医は限られた時間の中で診療をしなくてはなりません。より患者さんとの対話を重視した診療を行いたいと思い、開業を決意しました。この場所は、開業前に勤めていたNTT東日本札幌病院も近く、地域連携もしやすいと思いました。また同じ建物に内科と薬局があり、地域の方が通いやすい環境であることも理想的でした。基幹病院はまれな疾患や重症の患者さんが多いですが、研究肌ではないので、細かいところもケアしながら皆さんがお困りの身近な疾患を診ていきたいと思いました。院内は手術室を含め、車いすでも入りやすいようバリアフリーに。眼科はさまざまな検査を行うので動線も工夫し、電子カルテも導入し、スタッフ間でしっかり情報共有しています。みんな穏やかで自発的に動いてくれるので頼もしいです。
白内障と網膜硝子体疾患がご専門とお聞きしました。
NTT東日本札幌病院の前は、札幌医科大学附属病院をはじめ道内の総合病院に勤務し、白内障、緑内障、糖尿病網膜症や加齢黄斑変性症などの網膜硝子体疾患などを中心に幅広い経験を積んできました。手術でも白内障をはじめ、緑内障、糖尿病網膜症、網膜剥離など多くの症例に携わってきました。過去にはおなかの外科手術も経験したことがありますが、目は見え方に直結する手術。手術によって、患者さんの見え方の変化につながります。そこに大きなやりがいを感じてきました。
こちらでは白内障手術を行っているのですね。

当院では白内障の日帰り手術を行っています。片目で10~20分くらいで終了するので簡単と思われがちですが、目の形態は人それぞれ違います。目の幅、眼球の形や大小など、同じ手術でも1~2mmの違いで変わってきます。これらの違いは、検査の段階でわかりますが、手術が始まってみると意外に難易度が高いということもあり、経験が重要と思います。医師になってから数多くの手術に携わってきたので、安心してお任せください。
クリニックのモットーをお聞かせください。
モットーは「温かい心の通う安心・良質な眼科医療を提供すること」。病気を診るだけでなく、人を診ることも大切にしたいと思っています。どちらもコミュニケーションが一番大切です。混んでいる時もありますが、できる限り患者さんとしっかり向き合い、安心して治療を受けていただけるよう努めています。眼科が専門ですが、いろいろな科で研修した経験もあるので、例えば患者さんから「どの科に行けば良いかわからない」「こんな治療しているが良くならない」などのお話を聞いたときには、かかりつけ医として目以外の悩みでもアドバイスできることはあると思います。そうしたことも大切にしていきたいです。
精度を高め、患者の負担軽減につなげる検査機器の導入
多くの検査機器がありますね。

検査機器は新鋭のものを取り入れています。白内障手術の精度を高めるために、光学式眼軸長測定装置という眼の長さを測定し、眼内レンズの度数を決定するための装置を導入しました。眼に触れずに眼軸長(目の長さ)を測ることができ、麻酔薬が不要なので患者さんの負担も少ないと思います。緑内障や網膜疾患などの診断に重要なOCT(網膜画像診断)装置は、網膜の中の状態を把握するものです。当院のOCTにはアンギオグラフィー機能が搭載され、造影剤を使用せずに網膜の血流の状態が確認でき、やはり患者さんの負担軽減につながると思います。導入しているところはまだ少なく、基幹病院でも入っていないこともありますが、精度向上につながるのはもちろん、何よりも造影剤不要で、薬剤アレルギーの心配もありません。患者さんの負担軽減につながることが大きなメリットと思い、ぜひ導入したいと思いました。
どのような疾患で来院される患者さんが多いですか?
白内障が一番多いですね。あとは40歳以上では20人に1人と言われる緑内障も多いです。緑内障は、まず目薬による治療が第1選択となりますが、効果が得られなかったり、点眼を忘れがちという方もいらっしゃいます。そうした方にはレーザー治療をお勧めします。最近のレーザー機器を用いた治療は組織破壊がほとんどなく、目に対する負担が少なくなっており、効果が期待できる治療といえます。緑内障は自分では気づかない病気なので、検診を受けることは、やはり大切です。
最近、目の疾患で増えているものはありますか?

小学生など若い世代に近視が増えており、年々加速していると統計的にも現れており、実感もあります。タブレット端末の授業なども影響しているかもしれません。お子さんは検診で引っかかって受診することが多いので、明るい環境で画面から目を離して見るなど、対策をしっかりお伝えするようにしています。私も小学生の後半から眼鏡を使うようになりました。姿勢も影響するので、姿勢が悪かったり、本に近づいて見ていたことなどが原因かなと思っています。
勉強会にも積極的に参加されているそうですね。
新しい知識、新しい知見に基づいた、より効果のある治療、その時のベストな治療を行っていきたいと考えているので、勉強会にはできるだけ参加したいと思っています。主に東京、大阪、京都などで金~日曜日に開かれることが多いのですが、新型コロナウイルス感染症の流行下でウェブ開催が多くなったことで、今は参加しやすくなっています。
目のかかりつけ医として、長く地域に貢献していきたい
先生が医師をめざしたきっかけ、眼科を選んだ理由を教えてください。

父親が医師で小さい頃から親の背中を見ていたというのが大きく、小学生の時には医師になりたいと思っていましたね。父は血管治療を専門とする外科の医師で、腎臓病や透析患者さんを診ていました。父はとても器用でしたが、私も小さい頃から細かい作業が好きでした。眼科ではほとんどの手術が顕微鏡を見ながらの細かい作業になるので自分の長所を生かせるのではないかと思いました。また、自分で診断から治療まで一貫して行えるので、長く患者さんとお付き合いしていけると感じたことも、自分に合っていると思いました。
ご自身の健康の秘訣や趣味などについて教えていただけますか?
ビールやワインなどを飲むのが好きですが、しっかり休肝日を取るようにしています(笑)。手術が終わった日や、達成感が大きい時などに飲むことが多いですね。一日の診療が終わって反省する日もあります。傷口、手際など日々、振り返って次に生かし、より良い手術を行っていきたいと考えています。また診療中はほとんど座っているので、日頃から歩くように心がけています。個人的な趣味と聞かれれば、ゴルフですね。小学生になった息子と一緒に遊ぶのも楽しい時間です。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

当院のモットーとして掲げている「温かい心の通う安心・良質な眼科医療の提供」を重視し、コミュニケーションをしっかり取っていくことをこれからも大切にしていきたいです。目のかかりつけ医として気軽に相談でき、また安心して治療を受けられるよう、スタッフ一同、日々研鑽しながら成長していくことが、一番めざしていることです。相談しやすい環境を整えているので、お困り事があれば些細なことでもご来院ください。