今里 匡宏 院長の独自取材記事
天神オーラルケアクリニック
(福岡市中央区/天神駅)
最終更新日:2025/05/13

天神駅から徒歩5分、西鉄天神大牟田線・西鉄福岡(天神)駅からも徒歩5分。福岡の中心である天神に2021年2月に開業した「天神オーラルケアクリニック」は、歯周病治療をはじめとして幅広い歯科治療の経験のある今里匡宏先生が院長を務める歯科医院だ。診療では患者とのコミュニケーションを大切にしており、カウンセリングや治療の説明を丁寧に行うのも、歯科医師と患者の信頼関係を重視しているからなのだとか。「できる限り今ある歯を大切にして、口腔環境の健康維持とメンテナンスに力を入れたい」と力強く語る今里院長に、これまでの道のりや同院の診療方針についてたっぷり語ってもらった。
(取材日2021年5月10日)
自身の歯でずっと過ごせるように、伴走してサポート
歯科医師をめざしたきっかけについて教えてください。

もともとは私の父が福岡県大川市の歯科医院を開業していたんです。1階にクリニック、2階に自宅という環境で暮らし、物心ついた時から父の歯科医師として働く姿を見て育ってきたので、高校生の頃には自然と「歯科医師になりたい」と進路が固まっていましたね。父は診療の際、歯科治療のことだけでなく、プライベートなことも患者さんと楽しそうに話していました。きっと患者さんに寄り添った診療スタイルだったのでしょう。患者さんにも信頼されていたと思います。そんな姿に憧れて、私も歯科医師を志すようになりました。
今里先生のご経歴について伺います。
日本歯科大学新潟生命歯学部を卒業後、佐賀県鳥栖市のクリニックに勤務し、歯科医師としてのキャリアをスタートしました。ご年配の方から働き盛りの若い方まで、幅広い年齢層の方が暮らしているエリアにあったクリニックでしたが、特に多かったのは、中高年の方の抜歯や神経を取る症例で、治療をしても元の歯の時のようには、物を噛めなくなるというケースを数多く見てきました。もちろん治療を行うことで、痛みや違和感については応急処置ができるのですが、削ったり抜いたりした歯はもう二度と戻ってきません。そのようなケースを少しでも減らしていきたいという思いがだんだん強くなっていきました。
歯をできる限り残すことを重視するようになったのですね。

そうです。義歯やインプラントなど、失った歯の代わりになる器具や装置にはさまざまな種類がありますが、それでも自分の歯に勝るものはありません。だからこそ、歯の違和感や痛みが生じる前にメンテナンスで歯科医院に来ていただき、適切なサポートとアドバイスができるようになりたかったのです。自分のクリニックを開業しようと考え始めた時、東京で歯周病治療のエキスパートでもある若林健史先生と出会い、ご指導を受ける機会を得たことも、今思えばターニングポイントでしたね。その時の学びとこれまでの経験を踏まえ「患者さまと長いお付き合いをしながら、お口を守る」をコンセプトに、このクリニックを開業しました。
原因をきちんと見つめ、根本的な治療を
力を入れている治療はありますか?

当院では一般歯科を中心に幅広く対応をしていますが、若林先生からご指導いただいた歯周病治療に力を入れています。これまで勤務医として働く中でも、年齢を問わず歯周病に苦しんでいる人や、歯周病の傾向がありながらも自覚症状のない方に数多く出会ってきました。だからこそ、当院に来ていただく患者さんには、歯周病のことをはじめ、自分の歯のことをまずは知っていただくために、初診の際に幅広く口腔内のデータを取ります。もちろん痛みや違和感がある際はその治療を優先しますが、その後同じ痛みや苦しみを繰り返さないため、そして健康で過ごしていくために、集めた情報をもとにアドバイスやメンテナンスを行っていきます。
先生が治療の際に気をつけていることは何ですか?
歯科医院が「怖くて痛いことをする場所」という印象を少しでも払拭できればと思っています。確かにこれまでは、歯が痛くなったら治療をするという認識の方が多く、歯科医療は痛みを伴う治療が中心だったのは事実です。しかし、本当の歯科治療は健康な歯を維持することに意味があります。だからこそ痛くなる前に自分の歯を守る予防を推進しています。また、自分自身が患者の立場になった際、麻酔を打つ時の痛みや患部に触れられた時の痛みの大きさを自身で体感しました。その時に、これまで自分はいかに自覚なく痛みに触れていたのかということを思い知らされました。それ以来、治療の中で患者さんにできる限り寄り添い、怖くて痛いという印象を少しでも変えていけるように努力をしています。
歯周病と、歯周病が招くリスクについて教えてください。

歯周病はサイレントキラーと言われるほど、自覚症状がなく進行していることがあります。そのため、定期的に歯科医院を受診して、歯周病を早期に見つけて治療することが大切です。また、口腔内だけでなく全身の健康に影響を及ぼすとも言われています。例えば、糖尿病や高血圧などがそうですね。これらの疾患と歯周病との関連性は明らかになってきており、歯周病を防ぐことでこれらの病気のリスクも下がるデータも出ています。今後は、医科と歯科が連携し、口腔と全身の健康を守っていくことが重要になってくるでしょうから、当院もその一助になれるよう、全身の健康を考えた歯周病治療の提案に力を入れていきたいと考えています。
痛くなる前に、通い続けたくなるクリニックへ
予防歯科にも力を入れていらっしゃるんですね。

歯科の治療のおいて、予防歯科・メンテナンスはとても重要です。例えば、皆さんが日頃乗っている車も定期的に車検を行う必要があります。これは長く安心して車に乗り続けるために、メンテナンスと確認が義務づけられているんです。もしも車検やメンテナンスをしなければ、突然故障してしまう車が増えるはずです。これと同じで、歯も健康なうちから定期的に確認とメンテナンスをする必要があります。毎日休みなく食事を取って動かしている歯だからこそ、故障する前に点検をするのが大切です。また、事前の点検をして口腔内のことを知ることで、今後のリスクを予想することができます。根本的な原因をきちんと知って対処することで、繰り返し同じ症状で苦しむということを防げます。
とても明るくて居心地の良いクリニックですが、設備についてこだわったところは?
待合室からカウンセリングルーム、診察室にかけてカフェのような雰囲気で統一をしています。ほっと落ち着けるような居心地良い空間にしたくて、院内にはいくつか写真などを飾りました。実際に、患者さんから「この写真や絵はどこで買われたんですか?」と聞かれることもあって、歯科医院のイメージアップに貢献してくれています。設備面については、すべての診察室が個室になっており、プライバシーや感染症対策の面でも安心して治療が受けられる環境となっています。また、世界でも厳しいとされるヨーロッパ基準をクリアしたクラスB規格のオートクレーブを導入し、器具やマスク、ガウンは患者さんごとに新しく取り換えるなど、衛生管理もしっかり行っています。院内に歯科用CTも備えていますので、根管治療やインプラントなどの精密な検査を必要とする治療にも対応可能です。
最後に、読者にメッセージをお願いします。

歯科医院にはなかなか行かないという方も、きっと美容室には毎月通われている方が多いのではないでしょうか。髪型を整えるような感覚で、歯のメンテナンスやケアを受けに、歯科医院にも定期的に通ってみてはいかがでしょうか。毎月とは言いません。2ヵ月から3ヵ月に1回くらいの頻度でも、自分では磨きにくい奥歯などお口全体しっかりクリーニングすれば、それだけでも虫歯や歯周病予防にもつながります。痛くなってから歯科医院に行くよりも、痛くなる前にメンテナンスをする場所として、ぜひ歯科医院を活用していただきたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/およそ50万円(1本/オペ管理費込み)