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新名 克彦 院長の独自取材記事

にいな鶴町クリニック

(日向市/日向市駅)

最終更新日:2026/03/25

新名克彦院長 にいな鶴町クリニック main

宮崎県北部に位置する日向市。2020年に中心部の日向市駅から徒歩2分の場所に開業した「にいな鶴町クリニック」の院長を務める新名克彦先生は、心臓や血管の専門家である。故郷・延岡での病院勤務時代、当時始まったばかりのカテーテル治療のノウハウを修得。血管外科医として活躍した後、日向市で新たなスタートを切った。専門家として長年経験を重ねながらも、地域住民の医療を支えるため、今なお研鑽を怠らない。「教授や先輩、仲間に恵まれ、大切なことを多く教えられた」と感謝の言葉を口にしているが、その温かな雰囲気と飾らない人柄に寄せる患者の信頼も厚い。今回は幅広い診療経験で地域住民の健康を支える新名院長に、その道のりと現在の姿勢を尋ねた。

(取材日2025年11月21日)

病気の苦しさを救ってくれる憧れの存在に

先生ご自身、病気で長く苦しまれた経験があると聞きました。

新名克彦院長 にいな鶴町クリニック1

私が医師になったのは、小さい頃の体験がきっかけだと思っています。もともと小児喘息で、幼稚園から小学校にいた頃は特に症状がひどかったんです。発作で苦しみ、よく病院に通っていました。そんな苦しい時に助けてくれる医師という存在に、とても憧れましたね。そんな幼少期の体験が根本にあって、医師を志すようになったんだと思います。その後、高校時代も喘息症状は続いていましたが、もともと理系で物理や数学が好きだったこともあり、医学部を受験しようと決意しました。医大生の頃も、約2年間にわたり喘息の治療を行いました。これも子どもの頃の話ですが、目をけがして入院していた時期もあり、医師のお世話になることが多かったのが進路に影響したと思います。

心臓血管外科を専門にしたのはなぜですか?

宮崎医科大学(現・宮崎大学医学部)の第2外科に入局する際に、消化器・呼吸器・心臓血管外科などの分野から自分の専門を決めるのですが、入ってからじっくり選ぼうと思っていたところ、その年は研修医が私を含め2人で、いきなり心臓血管外科に行くことになったんです。先輩から、心臓血管外科が一番きついという話を聞いていたこともあり、「いきなり心臓か」とかなり驚きましたね。当時は今と違って、臨床というよりすぐに現場の仕事が始まるという感じで、大いに鍛えられました。

心臓の手術というのは、緊張感もひとしおなのでしょうか?

新名克彦院長 にいな鶴町クリニック2

初めての心臓手術はやはり緊張しましたね。人工心肺をつけ心臓を止めて行うんですが、5時間くらいかかりました。ドキドキしながらやり終えた後の、あの安堵感は今も覚えています。血管露出に始まり、次に人工心肺の装着、その次は……というように一段階ずつ進み、やっとできるようになる。心臓の手術というのは時間もかかるし、とても細かい作業で器用さが求められます。私はわりと手先が器用なほうなのですが、うまい先生の手術を見るにつれ、自分もやりたい、こうなりたいという気持ちが強まりました。他の分野もひと通り回って学びましたが、最も印象が強かったのが心臓血管外科だったんです。

心臓血管外科医として、血管の病気のエキスパートに

メインが心臓から血管になっていったのはなぜですか?

新名克彦院長 にいな鶴町クリニック3

その後、県北エリアの宮崎県立延岡病院に勤務しました。当時、先輩医師が心臓麻酔をかけられる医師を探していて、たまたま私はその技術があったので応援に行ったんです。すると居心地が良くて、そのまま居着いた感じというか。延岡は生まれ育った故郷でもあり、地元に貢献したい思いもありましたから。宮崎の中心部からは遠くなるけれど、県北の要となる病院で、やりがいもありましたね。そこではもちろん心臓も診るんですが、血管外科のほうがメインでした。当時はカテーテルによる末梢神経の治療が始まった頃で、医療機器メーカーの人から情報収集するなどして、自主的に学ぼうと頑張りました。自分で切り開くしかないと、県外各地の病院の先生を訪ね教えを受けたり、勉強会に参加するなどしてカテーテルの技術を習得しました。

心臓と血管の幅広い診療経験を生かし、クリニックを開業されたのですね。

宮崎県立延岡病院にトータルで17年間勤務し、52才で辞めて、循環器内科と心臓外科のクリニックを開業しました。実は、この建物は元は別の内科医院のものでした。そこをいわゆる居抜きで内装をリフォームしたのです。場所がとても便利な上に、手術室をつくることができる広さも必要だったので、ここでの開業を決めました。外科的な治療をするために、どうしても手術室が必要だったんです。

どのような患者さんが多いですか?

新名克彦院長 にいな鶴町クリニック4

循環器系の病気の患者さんで、やはり高齢の方が多いですね。中には検診で要再検査となったという現役世代の方もいらっしゃいます。高血圧や高脂血症、不整脈や心臓弁膜症の方などさまざまです。心臓弁膜症などでは手術適応があるかどうかを見定め、必要な場合は手術が可能な病院を紹介しています。心臓弁膜症は自分で気づかないことも多く、息苦しさなどの症状が出たらかなり重症です。普段から自分の体調を意識し、定期検診をきちんと受けること大切ですね。

先生が専門とする足の病気について教えてください。

下肢静脈瘤というのは、足の静脈が膨らんで、こぶのようにボコボコと浮き出た状態になる末梢静脈の疾患です。美容師・調理師・接客業など立ち仕事が多い方や、親が罹患していたという方に多く診られます。開業してからたくさんの症例を診てきたのですが、診察する医師が少ないんです。緊急性がないからと放置してしまうと危険な場合もありますから、足の痛み・重さ・だるさ・かゆみ・むくみ・こむらがえりなどがある方はご相談ください。当院では日帰りの手術も可能です。レーザー治療・グルー治療などの手術そのものは20分ほどで、終了後はすぐに歩いて帰宅することができます。手術以外の治療法もありますから、足に不快な症状を感じている方は、まずは気軽に相談してください。

医師はけっして高圧的であってはならない

患者さんへの接し方で大切にしていることはありますか?

新名克彦院長 にいな鶴町クリニック5

高圧的にならないということでしょうね。心臓血管外科というと、厳格で怖いイメージがあるしょう。でも研修医時代に所属した医局はそんなことはなかったんです。担当教授がとても穏やかで優しい人柄の方で、モットーが「和をもって貴しとなす」なんですよ。教授からは、「常に患者さんの立場に立ってものを見なさい」と教えられました。手術や診察の技術だけでなく、患者さんへの接し方もこの時に学びましたね。当院の患者さんは高齢の方、やや女性が多いですが、なるべくしゃべりやすい雰囲気を心がけています。それはスタッフに対しても言えることです。働く環境を悪くしたら絶対に駄目で、皆が余裕がなくなってギスギスしてしまいます。日頃から良い雰囲気づくりを大切にしています。

診療の面で他に気を配っていることはありますか?

患者さんの立場に立って、保険診療のことを考慮した検査を行うようにしています。検査は数をたくさんこなせば良いというものでなく、その人に合った数・種類の検査をすることが重要です。一気にたくさんの検査をするのも、患者さんは疲れてしまい負担が大きいですから。一人ひとりに寄り添った適切な検査を提案するようにしています。

最後に先生から読者へのメッセージをお願いします。

新名克彦院長 にいな鶴町クリニック6

循環器系の病気というのは生活習慣病であることが多いです。大切なのは定期的に検診を受け、自分自身の状態を日頃から気にすることです。そして禁煙、これが一番です。あとはお散歩でいいですから適度な運動ですね。そして、バランスの良い食事や減塩、節酒、十分な睡眠やストレス管理といった生活習慣の改善も大切です。こういった点に日々気をつけることで循環器系の病気の発症や悪化を予防することができます。いつまでも長く健康で生活できるように心がけましょう。