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南家 俊彦 院長の独自取材記事

学園ハートクリニック

(町田市/玉川学園前駅)

最終更新日:2023/08/08

南家俊彦院長 学園ハートクリニック main

小田急線玉川学園駅北口から町田方面に歩いて約7分、高級洋菓子店などが並ぶ品の良い商店街を歩いていくと右手に「学園ハートクリニック」という大きな看板がある。その角を右に曲がれば見えてくる銀色のモダンな一戸建てで、院長の南家俊彦(なんけ・としひこ)先生は長年にわたり近隣住民の健康を守ってきた。循環器内科を専門とし、重篤な心疾患を未然に防ぐためにも、検査に力を入れているベテランドクターでもある。若い日には、ハーバード大学で心電図の解析に関する先端的研究に携わった経歴も持つ。近隣のクリニックとの連携にも注力しているという南家院長に、診療にかける思いなどを詳しく聞いた。

(取材日2023年4月10日)

留学経験を経てたどり着いた人対人の医療で地域に貢献

まず、医師をめざした理由、循環器内科を専門にしたきっかけなどを教えてください。

南家俊彦院長 学園ハートクリニック1

1歳の頃にかなりの大病をして「あなたはお医者さまにすごくお世話になったのだから、人の命を助けられるようになりなさい」と、親から言われ続けて育った影響だと思います。本当に小さかったので入院の記憶などはないのですが、病気のことがあってもサッカーやスキーを満喫する元気いっぱいの少年時代を過ごしていましたね。その後、聖マリアンナ医科大学に進み、循環器内科を選んだのはご縁に導かれてでしょうか。お世話になっていた先生が心電図を専門にしていて、声をかけてくださったんです。卒業後は同大学病院に長年勤務し、心電心音図室科長として不整脈、狭心症、心筋梗塞などの患者さんへの臨床に携わりました。

ハーバード大学への留学も経験されていますね。

1997年頃のことですが、当時、ハーバード大学はマサチューセッツ工科大学と共同でコンピューターに記録した心電図のデータを臨床にどう応用していくかといった研究を行っていたんです。今でこそ心電図波形をパソコンに取り込んで表示したり解析したりするソフトウェアも何種類かありますが、その頃はありませんでした。そのようなソフトウェアの基盤となった研究といってもいいでしょう。アメリカでの生活はこれまで休みもなく働いていた生活から一転、当時まだ1歳だった子どもと過ごす時間も増え、生き方を見直すきっかけにもなりました。結局のところ医療は人対人で、教科書どおりにはいかないことも多いので、精神的な余裕を身につけられたのは大きなプラスでしたね。

その後、こちらを開業した経緯や、クリニックの歴史についてお聞かせください。

南家俊彦院長 学園ハートクリニック2

このクリニックは私の義父が開業した中村医院をリニューアルして受け継いだものです。中村医院は40年以上、地域医療に貢献してきた診療所でした。私自身も副院長を務めていましたので、昔と変わらない気持ちで日々診療にあたっています。ホームドクターとして何世代にもわたってご家族で通ってくださる患者さんも多く、うれしいですね。ただ、リニューアルオープンからも15年以上が経過し、患者さんの高齢化も進んでいます。もう歩いて来られない、自宅で終末期を迎えたいという方々も増えてきたので、往診も欠かせません。クリニックの昼休みを利用して行っているため、対応できる患者さんの数にも限りはありますが、できるだけ要望に応えたいと思っています。

充実した検査体制で心臓疾患の早期発見をめざす

こちらのクリニックの特色を教えてください。

南家俊彦院長 学園ハートクリニック3

心臓疾患の早期発見のためにも検査に力を入れているのが特色です。心電図、エックス線検査、採血といった基本的な検査はもちろん、超音波検査は専門とする先生に来ていただいて行っています。心臓の超音波検査は高い専門性が必要ですからね。その他、血管年齢検査、血圧脈波検査、睡眠時無呼吸検査、24時間心臓の状態をチェックするホルター心電図検査なども実施しています。循環器に関する検査結果は私自身が解析しているので、患者さんにすぐ結果をお伝えすることができるのもメリットといえるでしょう。もし、高度医療が必要となったら、聖マリアンナ医科大学病院、町田市民病院、南町田病院、大和成和病院など近隣の大規模病院や、都内の榊原記念病院なども迅速に紹介できます。

循環器内科はどのような症状があったら受診すべきですか?

「鼓動がいつもと何かが違う」「一瞬、胸の違和感があった」というのは不整脈の疑いがあるので、ぜひ受診していただければと思います。不整脈があるかどうか検査するためのホルター心電図検査装置も最近は非常に小型化しているので、ストレスも少なく装着できると思います。さらに「胸の痛みが数分続く」というのであれば、狭心症、心筋梗塞の可能性もあるので、すぐに受診してください。症状によっては、ただちに連携している大規模病院にお送りしなければいけないかもしれません。循環器疾患は小さな症状を放置して重症化してしまうと、命に関わる事態になりかねないので、くれぐれも我慢しないようにしてください。

診療にあたって大事にしていることは何ですか?

南家俊彦院長 学園ハートクリニック4

大きな心臓疾患をいかに予知するかですね。例えば、不整脈は重大な病気の前ぶれの可能性もあるので注意深く見守らなければいけません。血圧やコレストロールを投薬でコントロールすることを図り、血管の健康を維持するために食事や運動にも注意して動脈硬化を起こさないようにしていくのも大事です。地味で地道な取り組みですが、小さな変化を見落さないようできるだけ定期的に通っていただければと思います。重篤な病気を起こさせない一次予防、起こしてしまった人には再発させない二次予防を継続的に行っていかなければいけません。ただ、予知に関してはいまだ解明されてないことばかりで、最後は臨床経験が頼りというところもあります。今後、予知に関してよりいっそうの研究が進み、救える命が増えるのを願っています。

町のクリニック同士のネットワークづくりにも意欲

昨年から、肺がん検診も受けられるようになったと伺いました。

南家俊彦院長 学園ハートクリニック5

町田市が推進している肺がん検診は当院でも受けられます。エックス線検査を行い、私と呼吸器科の専門医師の先生2人、合計3人で読影して総合的評価をするというシステムです。もし、疑わしい結果が出たら大学病院または近隣の呼吸器内科クリニックなどを速やかに紹介するようにしています。

今後の展望をお聞かせください。

大規模病院との病診連携はもちろん、町のクリニック同士の連携も深めていきたいと思っています。孤島の病院ならば、一人の医師がすべてを診なくてはいけないこともあるでしょう。しかし、ここは都会です。街中に数多くの診療所があり、それぞれ得意分野が異なる医師がいるのですから、お互いの専門性を生かしながら協力していったほうがいいと思うんです。患者さんにとって一番適している病院をすぐに紹介できるというのも、プライマリケアに携わる医師の使命なのではないでしょうか。これまでも町田医師会の内科部会を立ち上げるなどしてきましたが、今後ともいっそうクリニック間のネットワークづくりを進めていきたいと考えています。

忙しい毎日をお過ごしですが、リフレッシュ法などはありますか。

南家俊彦院長 学園ハートクリニック6

開業した頃に始めたゴルフでしょうか。普段の運動不足を解消するためにも、ゴルフ場ではたくさん歩くようにしています。運動は大事ですね。患者さんにお伝えしている血管の健康を維持するための運動と食事を自分自身も実践しています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

患者さん一人ひとりを大切にして病気だけではなく「人を診る」のを常に心がけています。命に関わる症例もあるからこそ、予防の大切さが身にしみていますし、緊張を忘れる日もありません。やはり、命は他に変えられませんからね。でも、心臓以外の小さなお悩みでも、まったく問題ありません。当院での治療が最良ではないと判断したら、他のさまざまなクリニックを紹介することもできます。また、健診で血糖値やコレストロール値が要注意となった場合なども、気軽に相談してほしいです。これから健康のためにどうしていったらいいか、一緒に考えていきましょう。

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