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千葉 知史 院長の独自取材記事

あおば・南吉成ペインクリニック

(仙台市青葉区/国見駅)

最終更新日:2021/12/06

千葉知史院長 あおば・南吉成ペインクリニック main

仙台市北西部に位置する青葉区南吉成、住宅街の一角に2020年7月開業の「あおば・南吉成ペインクリニック」はある。ペインクリニック外科と麻酔科を標榜し、腰や肩、膝をはじめとする体の痛みから帯状疱疹の痛み、術後の痛み、体のしびれまで幅広く対応。神経ブロック注射を中心とした治療にて痛みの緩和をめざしている。院長を務めるのは外科からペインクリニックに移った異色のキャリアを持つ千葉知史先生。日本ペインクリニック学会ペインクリニック専門医でもある。「愛・誠・調和」を診療ポリシーに掲げ、痛みに悩む患者一人ひとりに丁寧に寄り添う姿勢が印象的な千葉院長に、熱い思いをたっぷりと語ってもらった。

(取材日2021年10月6日)

生活に支障を来す痛みの緩和をめざす

この地域を開業に選んだ理由を教えてください。

千葉知史院長 あおば・南吉成ペインクリニック1

開業するなら青葉区と思っていました。というのも、宮城野区には以前私が働いていた「仙台ペインクリニック」があり、泉区にもペインクリニックがあり、人口が一番多い青葉区にはペインクリニックが不足していたんです。また、この場所に決めた理由は、「駐車場を広くとれること」でした。当院の患者さんは痛みを抱えている方が多いので、公共交通機関ではなく車で通院することが多いためです。この場所は仙台市郊外にあたりますが、仙台西道路、北環状線など道路の整備状況がよくまた仙台宮城インターも近いため、車でのアクセスという点では非常に恵まれています。また、当院はバス通りにも面しておりお車がなくても通院可能です。

ペインクリニックはどのような症状に対応するのでしょうか?

ペインクリニックはまだ知名度が低いと思います。当院は、「年のせいだから」や「治るのを待つしかないね」と思っているような痛みの患者さんを診療しています。具体的には年齢を重ねることで出てくる腰や肩、膝の痛み、帯状疱疹の痛み、ケガや手術後の痛み、原因がわからない痛みなどの患者さんです。実際は、腰痛の患者さんが全体の6割ぐらいそして肩や首などの痛みや帯状疱疹の痛みにお悩みの患者さんです。普段の生活に支障が出てしまう痛みや、薬を飲みながらただ我慢しているような痛みを抱えている方はぜひ相談に来ていただきたいと思います。

診療の流れについて教えてください。

千葉知史院長 あおば・南吉成ペインクリニック2

基本的には、まず痛みについて患者さんからお話を伺い「いつから」「どこが」「どんなときに」「どのように」痛いのかを詳しく問診します。同時にお薬手帳などで現在治療中の病気があればそれも確認します。次に簡単な検査ではエックス線撮影と血液検査を行います。腰や膝、肩などの痛みの場合には骨の変形具合も確認できます。患者さんの中には他院でエックス線検査では異常なしと言われて来院する方も多いので、エックス線検査ではわからない筋肉や靱帯などの軟部組織を、超音波装置を使って詳しく調べます。大切なのは「痛みの震源地」を見つけその原因をはっきりさせた上で、適切な処置をすること。この時点でお薬や神経ブロック注射など治療方針をいくつか提案できるので、患者さんとともに治療を進めていきます。通院の頻度は痛みがひどい場合には週に一度の通院をお勧めしますが、それも患者さんの生活スタイルに合わせて調整していきます。

超音波装置を用いた神経ブロック注射で精度を追求

こちらの特徴を教えてください。

千葉知史院長 あおば・南吉成ペインクリニック3

痛みのある場所の神経付近に麻酔薬を注入する「神経ブロック注射」を中心とした治療を提供している点です。薬を使った治療は、基本的には誰が処方しても同じような結果が出るわけですが、神経ブロック注射の場合は、ある程度の経験と修練が求められます。大切なのは、どの部分にどのくらいの量の薬液を入れるのかを正しく見極めることと、正確性と安全性を確保することです。そこで当院では、神経ブロック注射を行う際に超音波診断装置やエックス線透視システムを用いて、正確なポイントを見極めるよう努めています。そして、薬液の量は必要最小限にとどめるということも、私が特にこだわっている部分です。

麻酔は作用が切れるたびに、注射をし続ける必要があるのでしょうか?

それが神経ブロック注射の誤解されている点だと思います。麻酔は神経を相手にしてますが、神経には運動神経と知覚神経、そして自律神経の3種類があります。神経ブロック注射では、そのうちの自律神経に麻酔がかかることがとても大切なのです。痛みを抱えている方というのは、自律神経の中の交感神経が活発になりすぎて体が過敏な状態になっていることが多いです。体が過敏になれば痛みもさらに強く感じます。この自律神経に神経ブロック注射をすることで過敏さを取り除いていきます。交感神経の過敏さが取り除かれると痛みのある部分の血の巡りが良くなり、患者さんの治る力が引き出されます。そして、結果として痛みの緩和につながります。痛みがよくなれば注射の頻度は自ずと下がっていきます。

診療の際に先生が心がけていることは何ですか?

千葉知史院長 あおば・南吉成ペインクリニック4

「人の痛みがわからない冷たい人間」という言葉もありますが、人の痛みを理解することや自分の痛みを人に伝えることはとても難しいです。患者さんの痛みをできるだけ正しく理解するためにも、診療の際、患者さんになるべく自由に話をしてもらい、「自分の痛みや苦しい思いをすべて自分の言葉で伝えてもらう」ことを常日頃から意識しています。とにかく患者さんの話を絶対に途中でさえぎらないこと、「こんなこと言ったら駄目かな」と遠慮させないことが大切です。これは当院スタッフも全員で共有し、患者さんが安心して話せる雰囲気づくりを心がけています。また治療の際に患者さんはブロック注射を初めて経験することが多いため、患者さん自身も何をされるかわからず緊張してしまいます。ですから、その際も患者さんと世間話などをしながらリラックスしていただけるように努めています。

外科時代の悔しさを原動力に、ペインクリニックの道へ

先生のご経歴について聞かせてください。

千葉知史院長 あおば・南吉成ペインクリニック5

もとは胃がんや大腸がん、乳がんなどの手術をする外科が専門でした。その時に出会った患者さんがきっかけで「どうしたら痛みをコントロールすることができるのか?」に興味を持ちました。そのことを教授に相談したところ、「仙台ペインクリニック」の院長伊達久先生を紹介してくださいました。そして伊達先生に「1年くらいうちで勉強してみたら?」と声をかけていただき、勉強を開始しました。最初は1年見学したらまた外科に戻ってがんの治療をしていこうと思っていました。しかし、実際に痛みのコントロールについての学びがとても興味深く、想像以上にやりがいを感じ、「これは天職だ!」と思いました。ペインクリニックは麻酔科学という学問の一分野ですが、そこに外科で培った経験を生かせることが、私の大きな強みとなっていると思います。

外科からペインクリニックの医師になったきっかけを教えてください。

外科医師として働いていた時に乳がんの患者さんを担当しました。20代の若さで骨や肝臓に転移してしまった状態で、痛みがどうしてもコントロールできませんでした。医療用麻薬を使うなどいろいろ試しましたが、結局亡くなるまで痛みを取ることはできませんでした。その後ご主人が「亡くなって痛みを感じなくなったんでしょう、自宅に帰ったら妻が笑顔になったんです」とおっしゃったんです。その言葉が心に突き刺さりました。当時はまだペインコントロールという言葉すらなく、「病気になれば痛いのは当たり前」という時代だったのですが、とにかく痛みを何とかしたいという強い思いが、ペインクリニックの医師になる大きなきっかけとなりました。お恥ずかしい話ですがそれ以前の私は、医師になって何がしたいのかわからないまま過ごしていました。ですが、その出来事以来、あの患者さんにしてあげられなかったことを追求していきたいと思うようになりました。

読者へメッセージをお願いします。

千葉知史院長 あおば・南吉成ペインクリニック6

「痛い」から「困っている」から病院にいらした患者さんに寄り添いそして「痛み」「苦しみ」を軽減させること。ペインクリニックは「医学の原点」と考えています。「痛み」という症状に悩んでいる患者さんに対し「どこも悪くないから大丈夫」で片づけるのは、患者さんの思いにまったく寄り添っていません。私はこれからもつらい痛みに悩む患者さんにしっかりと寄り添い、生活の質を上げるためのお手伝いをしていきたいと思います。またこのページを最後まで読んでくださったすべての方にどのような痛みであっても、そこから開放されることを諦めず、一緒に前に進みましょうとお伝えしたいと思います。

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