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玉川 祐司 院長の独自取材記事

たまがわ内科クリニック

(出雲市/直江駅)

最終更新日:2023/04/11

玉川祐司院長 たまがわ内科クリニック main

「たまがわ内科クリニック」はJR山陰本線の直江駅から徒歩6分。医療機関の少なかった出雲市斐川町に「地域の方が気軽に相談できる受け口になりたい」と、院長の玉川祐司先生が2020年10月に開院した。内科・消化器内科・内視鏡内科の診療を提供しているほか、小児科のクリニックが少ない地域の状況をカバーするため乳幼児の予防接種も行っている。玉川院長は、島根大学医学部附属病院をはじめとする医療機関や海外の研究施設で、長年消化器病の診療と研究に携わってきた消化器のスペシャリストだ。日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医として、そして町のかかりつけ医として、これまで培った経験を最大限に生かして地域の健康をサポートしたいと話す玉川院長に、同院を開院するまでの経緯や地域医療に対する思いについて語ってもらった。

(取材日2023年2月15日)

専門領域と内科全般をカバーし、地域の健康をサポート

医師を志したきっかけや、消化器内科をご専門にされた理由をお聞かせください。

玉川祐司院長 たまがわ内科クリニック1

子どもの頃の私は扁桃腺が弱く、高熱を出して入院したことがありました。その時に、痛くて苦しい状況を助けてもらった医師に憧れを抱きました。病院のスタッフさんも、患者さんとの接し方がすごく優しく丁寧で、その様子が子どもながらにとてもまぶしく感じたのも強い印象として残っています。加えて、通っていた高校が、医学部をめざしている友人が多く、その影響も非常に大きかったです。消化器を専門に選んだ理由は、消化管という臓器に対する興味からです。消化管は口からお尻の穴まで1つの管でつながっています。それぞれの場所で機能が違い、そして病気も違うという点が面白く、知識を深めたいと思いました。また、人は生きていく上で「食べること」が必要ですよね。しかし、原因があり食べられない人もいれば、逆に食べ過ぎて困る人もいます。人は食べないと生きることができませんので、そこに関わる臓器であることも惹かれた理由です。

斐川町に開院されたご経緯は?

私は、島根大学医学部附属病院や松江赤十字病院など多くの病院や、海外の研究施設で消化器病の診療と研究に携わってきました。そうやって積み重ねた知識や経験を地域の皆さんに還元したいと思ったのが開院のきっかけです。当院は2020年に開院したのですが、それまではこの地域には医療機関が不足していたんです。私の子どもがこの近くのこども園に通っていて、保護者さんや地域の方からも「体調が悪いときに、橋を渡り市街地のほうまで行かないといけないのが大変だ」というような話もよく聞いていました。家から遠いと病院に行くのもなんとなくおっくうになってしまいますから、そのような課題を解決するために、地域の人たちが気軽にかかれるクリニックをつくろうと思ったのです。

クリニックの特徴についてお聞かせください。

玉川祐司院長 たまがわ内科クリニック2

専門の消化器内科、消化器内視鏡に限らず、地域のかかりつけ医として内科全般を診ています。生活習慣病などの成人の方はもちろん、小さいお子さんから中高生の患者さんも多く来院されています。また、このエリアには小児科がなくて、どこに行っていいのかお悩みの親御さんも多くおられましたので、小児科の標榜は出していないのですが、乳幼児の予防接種も受け入れています。当院はバリアフリーですので、ベビーカーのまま入っていただけますよ。また、発熱症状の患者さんには、感染症対策室も用意していますが、患者さんが多いときには診療時間を分け、駐車場を活用するなど工夫をしております。

自分の健康を守るため、まず一歩勇気を出してほしい

ご専門分野である、内視鏡検査についてお聞かせください。

玉川祐司院長 たまがわ内科クリニック3

当院では、苦痛や不安に配慮した胃と大腸の内視鏡検査を行っています。まず胃の内視鏡検査ですが、鼻からファイバーを入れる経鼻内視鏡を導入しています。それでも、特に初めての方は、恐怖心や不安が先に立ちますので、まずは手順をしっかりと事前に説明をします。また検査中も、その都度お声がけをさせていただくなど、「思ったより楽に受けられました」と言っていただけるように、苦痛や負担の少ない検査に努めています。

大腸内視鏡検査についてはいかがでしょうか?

大腸の検査は、大腸がん検診で便潜血陽性となり要精密検査でいらっしゃる方がほとんどです。大腸内視鏡はお尻からアプローチする検査なので、特に女性の方は、恥ずかしいとか怖いという気持ちが強いはずです。でもその壁を乗り越えて検査を受けに来院されるわけですから、まずは「よく来てくださいましたね」とお声がけをします。また当院では、大腸の検査をして腫瘍が見つかった場合は極力その場で取るようにしています。1度目は検査のみ、2度目に腫瘍を取る方法もあるのですが、大腸内視鏡検査では検査前に腸の中をきれいにする準備のご苦労もあります。ですから検査と切除が1回で済めば患者さんの負担軽減にもつながるでしょう。ただし、腫瘍が多い場合などは2回や3回に分けて行うこともあります。

がんの早期発見に際し、私たちが日頃注意すべきことはありますか?

玉川祐司院長 たまがわ内科クリニック4

胃がんについては、ほとんど初期症状がないのですが、胃潰瘍やがんによる腫瘍が臓器を圧迫し、逆流性食道炎と似たような症状も起こります。逆流性食道炎と診断されてお薬を飲んでいる方も、一度は胃内視鏡検査を受けられたほうがいいと思います。また、健康診断などで医療機関の受診を勧められたら、できれば3ヵ月以内に受診するようにしてください。できれば「年度」はまたいでほしくありませんね。健診で引っかかって、1年以上たってから重い腰を上げて来院される方もおられますが、検査をすると進行性のがんだったというケースもありますので、先延ばしはご本人のためにならないと思います。「勇気が出ない」という気持ちもわかります。でも、そこを頑張ってクリニックに来ていただき、検査を受けてほしいです。もちろん私たち医療機関も患者さんが入りやすい雰囲気づくりをもっとしていく必要があると感じています。

病ではなく人を診る。地域のために尽くしたい

消化器内科ではどのような相談が多いのですか?

玉川祐司院長 たまがわ内科クリニック5

当院の場合、逆流性食道炎や便秘の症状で来られる方が多いですね。逆流性食道炎は、胸やけとか胃もたれが起こるのですが、胃酸が上まで上がってくると、喉がかすれる、咳が出るといった症状もありますので、耳鼻咽喉科や呼吸器内科で異常が見つからなくて当院を受診されるケースもあります。また、便秘については、便通異常がきっかけで検査をするとポリープや大腸がんが見つかるケースもありますので、些細なことでも気軽にご相談いただければと思います。

日々の診療で大切にされていることは?

「病を診る」ということも大事ですが、それよりもまずは「人を診る」ということでしょうか。町のかかりつけ医となった今は、胃内視鏡検査や大腸内視鏡検査を通してがんを早期に発見し、基幹病院に紹介して適切な治療につなげることが、消化器内科の医師としての役割だと考えています。万が一、がんの進行が早く、予後が思わしくない患者さんがいても、最後まで基幹病院と連携を取りながら、しっかりサポートしてきたいと思っています。

今後の展望をお聞かせください。

玉川祐司院長 たまがわ内科クリニック6

開院してすぐ新型コロナウイルス感染症の対応で多忙を極めましたが、最近はやや落ち着いてきましたので、今後は内視鏡検査や生活習慣病の治療に力を入れていきたいと思っています。また、私は地域の小中学校の校医もしているのですが、不登校の一つの原因として過敏性腸症候群が挙げられています。早ければ小学校3年生くらいから発症する病気で、おなかが痛くて学校に行けないとか、下痢が止まらずにトイレから出られないという症状があります。主な原因はストレスなので、例えば学校がストレスであれば通学しなければ、症状の改善も期待できるかもしれませんが、そういうわけにもいきませんから、症状を抑えて学校に行けるような治療を提案します。こうした専門性を要する病気に対応することも、地域貢献につながるのではないかと思っています。

読者へのメッセージをお願いします。

開院して2年半になりますが、多くの患者さんにご来院いただいております。地域の皆さんに必要としていただき、たいへんありがたく思っていると同時に、初診の方をお待たせすることもありとても申し訳なく感じています。今後はスムーズな診療体制を構築するため問題点を見直し、より多くの方を診療していきたいですね。これからも地域と深く関わりながら、1人でも多くの方の健康を支えられるよう力を尽くしていきたいと思っています。

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