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柳原 孝章 院長の独自取材記事

ひとやすみこころのクリニック

(福岡市西区/姪浜駅)

最終更新日:2021/10/12

柳原孝章院長 ひとやすみこころのクリニック main

福岡市営地下鉄空港線姪浜駅から徒歩1分の好立地にある「ひとやすみこころのクリニック」。2021年2月に開業したばかりの同院は、柳原孝章院長を中心に患者の人生に深く関わり、それぞれの幸せにつなげようと尽力している。精神科の治療において、「合った医師を見つけることが一番大切」と語る柳原院長は、しっかり話せる時間が取れるよう心理士を常駐させ、患者の悩みに親身に耳を傾ける。また、誰もが気軽に足を運べるようにと、初診からインターネットでの予約を受けつけるなどこまやかな配慮も怠らない。自身は漫画を読むことが大好きで、「患者さんの好きなことを聞くことも楽しい」と爽やかな笑顔を見せる柳原院長に、治療方針や今後の展望などを聞いた。

(取材日2021年3月30日)

相談しやすい精神科医を見つけることが重要

医師をめざしたきっかけと、こちらのクリニックを開業するまでのご経験を教えてください。

柳原孝章院長 ひとやすみこころのクリニック1

子どもの頃から漫画を読むことが好きで、天才外科医が主人公の作品を読みかっこいいなと感じたことがきっかけで医師を志しました。大学卒業後は心臓外科に勤め、少しのミスが患者さんの命に直結するような世界だったので緊張感もあってかなりハードでしたが、患者さんが良くなっていく様子を見るとやりがいもひとしおでした。外科医を経験したことで、今になって生きていることもあります。例えば、「私はうつだ」と思って来院される方が、実際はうつではなく、体の不調から元気や食欲がなくなっている場合もあるんです。心と体の病気の治療法は根本的に違いますので、その診断を医師が誤ると治るものも治りません。体と心の両面から多角的に捉えて診断できることは私の強みの一つだと思います。

心臓外科から精神科に転身したきっかけは何だったのでしょうか?

患者さんの人生に一番深く関われるのが、精神科・心療内科だと思ったからです。心臓外科の時に勤めていた病院は、数多く手術を手がけていました。刺激も多く、成長させてもらいましたが、外科医が担当するのは手術だけで、患者さんとふれあう機会がなかなかありませんでした。私が追い求めていた理想の医師像はこうだったかと自問自答し、もう少し患者さんと対話できる科に行きたいなという思いを抱き、精神科に移りました。患者さん自身がどうしたいか、どう治療していきたいかということを大切に、お一人お一人のライフスタイルを含めて一緒にしっかりと考えていけるような医師が私の理想です。

患者さんの人生に深く関わる精神科で大事になることはどんな部分でしょうか?

柳原孝章院長 ひとやすみこころのクリニック2

精神科・心療内科は通院が長引くケースが多い分野です。1、2年はもちろん、長い方だと何十年単位で通われる方もおられます。そうした時に非常に大切になるのが、患者さんに合った医師を見つけることです。患者さんにとって合わない先生だと、悩んでいることをうまく相談できませんよね。そうすると、医師は「困っていることや悩みはないみたいだ、うまくいっている」と捉えてしまい、患者さんの思いとずれが生じてしまいがちです。それは、医師にとっても患者さんにとっても不幸なことです。もし、当院に来てもらっても、私と合わなければ言ってほしい。と伝えています。その場合は、次を探す準備を一緒にします。それくらい、患者さんにとって合う医師を見つけられるかは肝になると考えています。

心理士が常駐。気軽に来て一息つけるクリニックに

開業して約1ヵ月がたちますが、患者さんの来院状況はいかがでしょうか?

柳原孝章院長 ひとやすみこころのクリニック3

想定以上に多くの患者さんにお越しいただいています。新型コロナウイルス感染症の流行が影響して、お困りの方が増えているのかもしれません。ストレス発散法が制限されることが大きな要因で、精神面に影響が出て来院されている場合もあるのではないかと感じています。当院がある姪浜はファミリー層が多いので、働き盛りの30代から40代が多いのではないかと予想していましたが、10代や20代の患者さんにも多くお越しいただいています。話を聞いていると、やりたいことや楽しみを見つけられず、「自分はなんで生きているのか、なんのために勉強しているのか」という思いが隠れている場合もあります。貧困、虐待、いじめの問題がバックグラウンドにあることもあるので、そのあたりまでしっかりケアしたいと考えています。

こちらのクリニックの特徴を教えてください。

当院の特徴として大きいのが、心理士が常駐していることです。患者さんが増えてくると、一人ずつに診察時間を長く取ることが物理的に難しくなってしまいます。ただ、しっかり話して、心理療法にも取り組みたいという患者さんもおられます。そういう方のケアができるように、心理士は絶対に必要だと考えました。また、病気ではないものの、「人生ってどうしたらいいのか」「夫婦げんかが絶えない」といった悩みがある場合など、誰に相談したらよいかもはっきりしないときがありますよね。まさしくそういう時が心理士の出番です。悩みがあれば気軽に相談に来られる、ほっと一息つけるようなクリニックにしたいですね。

患者さんとのコミュニケーションではどのようなことを大切にされていますか?

柳原孝章院長 ひとやすみこころのクリニック4

一番大切にしているのは、患者さんを否定しないことです。私は、患者さんとコミュニケーションを取る際、患者さんから話をしてもらうスタイルを取っています。自分から「こうなりたい、こうしていきたい」と言ってもらったほうが、患者さんも自発的に動きやすくなると思うんです。そこを引き出すことが私の役割だと考えています。ただ、無理に引き出すことはありません。まずは相談しやすい環境をつくることが最優先です。話してもらう中で、自分の中で心境の整理をしてもらい、自分で解決策を導き出してもらえることが一番です。私はそのお手伝いをさせていただきます。

幸せを一緒に模索。相談先の一つに思い浮かべてほしい

患者本人はもちろん、その周囲で悩んでいる人も多いと思いますが?

柳原孝章院長 ひとやすみこころのクリニック5

本人が病気ではないから行きたくないという場合、家族が悩んでいるケースもあります。病気や年代、患者さんの人柄にもよりますが、周囲の方ができることがあります。強制をしないことです。「あなたが困っているなら私も協力するよ」というスタンスをとり、本人が自発的に動けるような環境を整えてあげてほしいです。無理やり受診を進めても逆効果です。例えば、家で引きこもっている方は何かしら悩みや困り事があります。不安を抱えているものの、それを言い出せない場合が多いと思うので、「いつでも相談してね」と構えるのがいいかなと思います。例外として、ご本人が死のうとしている、他者に危害を加えようとしている場合は、強制的にでも治療をしなければ危険です。それ以外のケースに関しては、周囲は無理強いせずにサポートしてあげてください。

こちらのクリニックに通われる患者さんがどうなっていくことが理想ですか?

クリニックですので病気が治ることが大切ではありますが、それ以上に、患者さんが幸せになれるかどうかが重要だと私は思います。幸せって人によって違いますよね。お金持ちになることが幸せな人、お金持ちでなくてもこういう生活ができれば幸せだなという方など、価値観は多様化しています。患者さんとお話しする中で、その方にとっての幸せは何なのかということを明確化して、それに向かって治療に取り組んでいきたいと考えています。誰でも漠然と、人生って何なのだと考えることってあると思います。無理に話す必要はありませんが、相談したいのに誰に相談したらよいかわからないで困っているというときに、当院を相談先の選択肢の一つにしてもらえるとうれしいです。

読者にメッセージをお願いします。

柳原孝章院長 ひとやすみこころのクリニック6

迷ったときはまずお越しください。病気ではないとか、こんな悩みで相談してもいいのだろうかと不安な方もいると思いますが、まったく遠慮はいりません。誰でもお越しいただきやすいような立地ですし、初診からインターネットでの予約もできます。それが来院のハードルを下げることにつながっているのか、当院には精神科、心療内科に初めて来たという方も多いですよ。私にやれることはすべてやろうと思っています。孤立してしまうと悪い方向にしか向かわないと思いますので、どこかとつながっていてほしいです。困り事があって誰かに相談したくなった時、患者さんの頭にぱっと思い浮かぶようなクリニックで在りたいと思います。今後は、保健所や児童相談所とも連携を取って、私一人だけではなく、いろんな人と一緒に患者さんを支えていきたいです。

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