早川 裕 院長の独自取材記事
はやかわ循環器内科クリニック
(鹿児島市／甲東中学校前駅)
最終更新日：2021/10/12
甲東中学校前電停近くにある「はやかわ循環器内科クリニック」は、2020年10月12日に開業したばかりのクリニック。繁華街にほど近い立地を生かし、働き盛りの現役世代をはじめ、地域の幅広い年齢層に対して、ヘルスケアを行う。院長の早川裕先生は、鹿児島厚生連病院をはじめ、循環器科専門の医師として幅広く経験を積み、多くの患者の命と向き合ってきた。その経験を地域医療で生かし、病診連携を大切にしながら一人ひとりの患者と向き合いたいと開院したのがこのクリニックだ。そんな早川院長に、同院にかける思いや診療方針について聞いた。
（取材日2020年10月28日）
忙しい現役世代のヘルスケアをサポート
開業のきっかけについて教えてください。
以前勤務していた鹿児島厚生連病院では循環器科の医師として、「心不全チーム」の設立の中心的な役割を担わせていただきました。チームでは、心臓病の患者さんが受ける運動療法や患者教育、生活指導を含めたプログラムである「心臓リハビリテーション」の導入など、さまざまな環境を整備しました。多数の講演にも登壇し、啓発活動や情報発信を行う中で、多忙な現役世代の方は「外来受診の時間がとれない」「内服の徹底ができない」などの理由で脱落されていく患者さんが多いと痛感してきました。また、十分な説明をもらえない、症状があるのに検査してもらえないなど、満足度の低い診療で医療不信に陥ったというケースも多数見受けられました。もっと患者さんの心に寄り添った診療ができないものかと日々悩み、私の医学生時代からの夢であったクリニックを開業することを決心しました。
病院のモットーにしておられる「情熱診療」について教えてください。
私の循環器内科の医師としての原点である、大学時代からお世話になっている先生がよく言っていたのが「情熱」という言葉でした。この仕事をする上で、患者さんに対して「情熱を持って真摯に向き合えるか」「情熱を持って苦しみや悩みに向き合えるか」が大切であるという言葉が、ずっと心に残っていたんです。患者さんも医師も人間ですので、合う合わないの相性はあると思います。患者さんの求める診療を提供するのはもちろんですが、満足していただくという点でも患者さんにとってどの治療がベストなのか、意見をすり合わせながら納得のいく治療方法を決定していきます。そこで相性が合えば、情熱を惜しまずとことん向き合う治療を進めていくというわけです。
開業にあたり、どのようなクリニックにしたいと考えましたか？
繁華街にほど近い立地を生かし、働き盛りの現役世代が気楽に診療を受けられる環境を提供したいと考えました。仕事や育児などで忙しい現役世代は体に異変を感じていても、受診を後回しにしがちです。大規模病院で受診するとなると、紹介状が必要だったり、専門的な検査もすぐに受けられなかったり、結果が出るまでに時間がかかることがほとんどです。受診のしやすさや検査の受けやすさを求める患者さんにとって、そうしたニーズに応えられるクリニックであり、ヘルスケアから治療のレベルまでしっかり対応していきたいと思っています。体の不調を感じているけど、どのような診療科を受診すれば良いのかわからないという人が、「とりあえず、はやかわ循環器内科クリニックに行ってみよう」と思っていただけるようなクリニックにしたいですね。
豊富な経験を生かし、循環器疾患の治療に注力
院内はとても明るい雰囲気ですが、インテリアにもこだわりがあるそうですね。
そうですね。患者さんにとって医療機関に行くということは、少なからず不安や心配があると思います。ここはビル内での診療で、繁華街の近くにあり人目が気になる場所でもありますから、居心地の良さと、できるだけリラックスできるよう空間づくりにこだわりました。院内では、季節や時間帯、天気などの情報から、AIがBGMを自動編成して音楽を放送してくれる有線を使っています。また、待ち時間を少しでも安らかな気持ちでいられるよう、クマノミが元気に泳ぐアクアリウムも置いています。立地上、外からの光を取り入れることが難しかったので、壁や床の色も明るく見えて清潔感のある白を基調とした内装にするなど、自分なりに配慮し、環境を整えました。
ここでは、どんな治療が受けられますか？
当院では、一般内科から循環器内科、生活習慣病の治療まで幅広く対応しています。特に注力しているのが、高血圧や心不全、不整脈などの循環器疾患の治療です。エックス線や心電図、心臓や血管のエコー検査、採血など当日すぐに対応でき、検査結果の説明もお伝えできるように努めています。開院してから「心臓が心配だけど、今日の今日で診てもらえますか」という患者さんの相談も実際に多くあります。また、糖尿病の検査での採血や、鹿児島大学病院の生活習慣病課に在籍していたことから禁煙の外来などにも力を入れています。少しでも体に不調を感じる場合は、まずは気軽に相談していただければと思います。
特に注力されている循環器疾患の治療について、もう少し教えてください。
私自身が、循環器科専門の医師として16年間幅広く専門性の高い医療の経験を積んできました。その経験を生かし、入院の必要がなく帰宅可能な軽症患者さんに対して行う一次医療から、入院しないとできない二次医療と生命の危機に関わる三次医療への架け橋となる治療を提供したいと考えています。当院は、複数の医療機関と連携した医療提供ができるのが強みで、前職で勤めた鹿児島厚生連病院をはじめ、複数の医療機関と連携した医療づくりを進めています。二次救急・三次救急機関への紹介施設として、高次医療機関での治療を終えた後の全身の管理を担う医療施設として役割を果たしていけたらと考えています。
医療連携を強みに良質な医療の提供をめざす
治療中に心がけていることはありますか？
求めるものは一人ひとり違うので、まずは「患者さんは何に困っているのか」「何を求めて来院されたのか」をしっかりカウンセリングします。さらに患者さんの意見をきちんとくみ取った上で、医療を提供する側としての医学的知識に基づいた診療の説明から治療方法について判断してもらい、エビデンスに従った診療を行っています。病気になり家族や周りが抱える管理に関することや実際に見てきた経験などをお話しし、現状だけでなく将来的な状況までしっかり提示します。何より患者さんの意思を尊重することが大切だと思うので、安心して最適な医療を提供できるよう、こういったことに日々心がけています。
これから、力を入れていきたい診療はありますか？
患者さんの心に寄り添う都市型のクリニックというのを念頭に置いて、専門性の高い治療から急を要する症状への治療、慢性的な症状への治療まで管理できるよう、デジタルツールを取り入れた診療に力を入れていきたいと考えています。近年注目されている「デジタル診療」は、患者さんと医療との接点を増やすためのツールです。忙しい現役世代の患者さんと医師が直接対面する回数を増やすのには限界があります。そこで、スマホアプリやオンライン診療などデジタルツールを活用して、治療の過程や治療後のシミュレーションをデジタルデータで見せるなど、患者さんが安心して治療に臨めるようにしたいと考えています。大事なのは、続けられる診療です。ストレス社会で、クリニックへの通院までストレスになってしまうのは困るので、「クリニックに行くのが嫌」ではなく、「少しでもゆっくりできる時間」と思っていただけるようにしたいですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
医療機関への受診が不慣れな若年層も、安心して受診できるクリニックでありたいと思います。患者さん一人ひとりの力になれることが重要だと思っているので、来院した方々がより良い医療を受けられるようにサポートします。エックス線や心電図、心臓や血管のエコー検査、採血、禁煙の外来などの当日受診はもちろん、大規模病院とのパイプを豊富に持っているので、ここでは難しい治療であっても、信頼できるその他の医療機関への紹介もできますよ。専門性の高さを追求し、緊急性の高いケースのいずれにも迅速に対応しますので、少しでも体に不調を感じる方は、仕事中でも受診をどうぞ。足を運びにくい場合は、電話での問い合わせもお待ちしております。
