吉田 裕志 院長、吉田 見紀 副院長の独自取材記事
北池袋 よしだ内科クリニック
(豊島区/北池袋駅)
最終更新日:2025/04/23

東武東上線・北池袋駅から徒歩3分、JR埼京線・板橋駅から徒歩7分。都内屈指のターミナル・池袋駅からひと駅とは思えないのどかな住宅街に2020年に開業した「北池袋 よしだ内科クリニック」。院長の吉田裕志先生は大学病院を中心に研鑽を積んだ日本循環器学会循環器専門医。妻で副院長の吉田見紀先生は内視鏡を駆使し多様な症例を手がけてきた日本消化器病学会消化器病専門医。豊富なキャリアを持つ2人の医師が異なる専門領域を診療している。「循環器、消化器に限らずどのような症状でもお気軽にご来院ください」と裕志院長。あくまで患者に寄り添った診察を心がけ、地域の病診連携に関しても個々の患者に最適な病院を紹介することに努めている。そんな裕志院長と見紀副院長に、開業の経緯と患者と向き合う姿勢について聞いた。
(取材日2025年3月27日)
さまざまな不調に専門領域を駆使して対応
北池袋に開業された背景をお話しいただけますか?

【裕志院長】もともとこのエリアに地縁があったわけではないのですが、開業に際して物件を探す中で、この北池袋の地に出合いました。池袋からも近く、それでいて落ち着いた雰囲気があり、住民の方々も親しみやすそうだと感じたんです。また、私は以前、練馬区の病院に勤務していましたし、妻は今も並行して北区の医療機関で診察をしています。この地域の実情や病院事情に一定の理解があったのも大きかったです。
【見紀副院長】城北地区の土地の雰囲気がよくわかりますし、地域の医療機関とのつながりもあったため、ここでなら開業後もスムーズに連携が取れると感じました。お互いにある程度情報や経験がある地域ということもあり、自然とこの場所を選ぶ流れになりました。
地域柄や患者さんの層に特徴はありますか?
【裕志院長】この北池袋のエリアは、池袋の近くにありながらも落ち着いた雰囲気があります。患者さんは住宅街に暮らす方が中心で、新しいマンションにお住まいの方もいれば、昔からお住まいの方もいます。ただ、高齢者の割合は比較的少なく、最近は外国籍の方も増えてきましたね。
【見紀副院長】以前勤務していた山梨と比べても、東京は高齢者がやや少なめだと感じます。ただ、循環器内科、呼吸器内科と、2人とも内科領域が専門ですし、高齢の患者さんには身近な内科の医師が必要だと感じていますので、地域の皆さんのお役に立てている実感はあります。
先生方は約30年のキャリアをお持ちですが、開業されるにあたって何か特別な思いはお持ちでしたか?

【裕志院長】このクリニックは2020年に開業しました。開業は医師の多くがいずれは考えることだと思うんですね。私は長らく大学病院などの大きな医療機関に勤務していましたが、その中で感じていた「制約」を超えて、患者さんにとって本当に必要な医療を自由に提供したいという思いから、開業を決めました。「頼ってくれる人の力になりたい」という思いがその根底にあります。
【見紀副院長】私も院長と同じく内科領域を専門としていますので、ここで一緒に開業するのは自然な流れでした。院長の言う制約という点では、やはり総合病院では、専門分野が細かく分かれていて、疾患ごとに診察する医師が変わってしまいますよね。ですが当院ですと、めまいでも風邪症状でも、何かしら不調を訴える患者さんはすべて診ることができるので、そこが大きな違いですね。
循環器と消化器、2つの領域の専門家が内科全般を診療
院長と副院長、それぞれに専門の異なる医師が診療を行っているのがこちらの大きな強みですよね。

【裕志院長】私は循環器内科を専門としています。大学病院などで長年カテーテル治療にも携わってきました。現在、クリニックではカテーテル治療は行っていませんが、勤務医時代に疾患の重症度や治療の適応を適切に判断できる力を培ってきました。例えば、「この患者さんにはどの時点で精密検査が必要か」「どの病院がより適しているか」といった判断を、的確に下すことには自信を持っています。患者さんにとっても、必要以上の検査や治療を避けながら、適切なタイミングで専門医療につなげることができるのは、これまでの現場経験があってこそだと思っています。
副院長のご専門についてもお聞かせください。
【見紀副院長】私は消化器内科を専門にしており、特に内視鏡検査に力を入れています。胃カメラや大腸カメラによる検査・処置は主に午前中に行っており、大腸と胃、いずれも多くの内視鏡検査を行っています。大腸の場合は、ポリープなどが見つかれば、可能な限りその場で切除するようにしています。病気の発見という点では、胃カメラは定期的に受けられるといいと思います。平時の健診に関していうと、豊島区では今、胃がん検診で胃カメラを2年に1回受けられるようになっていますので、そうした区の制度を積極的に受けていただければと思っています。
お二人が医師をめざしたきっかけと、それぞれの専門を選んだ理由を教えてください。

【裕志院長】医師の家系ではありましたが、私の父は医師ではありませんでした。理系の科目が好きだったのと、人の役に立てる仕事がしたいという思いがあり、自然と医師をめざしました。大学を卒業後は心臓、肺、腎臓、血液、といった領域を幅広く学びました。循環器を選んだのは、薬物療法などの治療を通じて、症状の改善だけでなく患者さんの生活の質の向上をめざせる点にやりがいを感じたからです。
【見紀副院長】私の家はまったく医療とは無縁でした。内科か産婦人科で迷ったこともありましたが、最終的には性別や将来の働き方も考慮して内科を選びました。消化器を選んだのは、内視鏡を用いて自分の手で検査・診断・処置ができるところに魅力を感じたからです。
病気だけでなく患者の人生設計も見据えた丁寧な診察
患者さんとの向き合い方について、意識されていることはありますか?

【裕志院長】私は「生活背景に寄り添う診療」を心がけています。その人がどんな生活をしているか、どんな職業なのか、将来のビジョンはどうか。そうした情報は診療に非常に重要です。診察室で病気を診るだけではなく、症状が改善することでその患者さんがこれから先どんなことができるようになるか、何をされたいのか、その方の人生について一緒にお話ししながら支えていけるような診療を意識しています。
【見紀副院長】問診、視診、触診すべてにおいて丁寧さを欠かさず、安全第一で行うようにしています。というのも、そもそも院長が非常に丁寧に診る診療スタイルなんですね。大学時代の先輩なんですが、開業してから久しぶりに一緒に仕事をして、「そうだ、すごく丁寧に診察する人だった!」と再認識し、私も日々見習いながら診療にあたっています。
このエリアでの開業を決めたポイントの一つとして病診連携を挙げていらっしゃいましたね。
【裕志院長】長年の勤務医時代の経験を通じて、都内や近隣エリアの病院とのネットワークがあります。それぞれの病院や医師の得意分野や治療方針、対応の姿勢なども理解しているので、患者さんの状態や性格に応じて医療機関をご紹介できるのが強みです。例えば、高齢でも積極的に治療してくれる病院や、手術実績が豊富な施設など、患者さんに最適なマッチングを意識しています。
【見紀副院長】病院紹介と一口に言っても、ただ大きな病院を紹介するのではなく、「どの病院がこの人に最も適しているか」を見極めることが大事です。そのため、紹介先の医療機関の特徴や温度感、過去の症例をもとに紹介先を判断しています。術前・術後のフォローも含めて、継続的にサポートする体制を整えています。
今後の展望についてお聞かせください。

【裕志院長】今のスタイルにはおおむね満足していますが、「本当にこのままでいいのか?」と常に考えるようにしています。例えば24時間体制の診療体制を求められることもありますが、医師としての持続可能性も踏まえて、無理なく対応できる体制づくりを模索していきたいと思っています。クリニックでは、病気だけを診るのではなく、患者さんの人生そのものに目を向けた診療を行いたいと考えています。「困ったときに頼れる存在でありたい」、それが私たちの根底にある思いです。
【見紀副院長】私は北区の病院でも診察しているのですが、今後、当院での診療時間が増えますので、より多くの患者さんを診られるようになりたいと思っています。困ったらまず来てください。症状や不安を一緒に受け止め、解決できるように尽力します。