芝原 司馬 院長の独自取材記事
志木いろは橋クリニック
(志木市/志木駅)
最終更新日:2021/10/12

志木駅東口から車で10分、新河岸川を渡った中宗岡5丁目に2020年10月1日にオープンした「志木いろは橋クリニック」。院長の芝原司馬(しばはら・かずま)先生は、開院数ヵ月前まで都内の大規模病院の救命救急部門に勤務していたドクターだ。「あらゆる年代のさまざまな疾患やケガに対応してきた医療技術をこの地で実践することで、地域医療に貢献したい」と語る。とても穏やかな受け答えをするドクターで、説明も丁寧でわかりやすい。2歳になるわが子の話になると、思わず顔がほころぶ良きパパでもある。そんな芝原院長に、幅広くカバーする診療の内容や、地域の医療連携についての取り組み、今後の展望について話を聞いた。
(取材日2020年10月6日)
家族で通える「地域のよろず健康相談所」をめざす
まずはこちらのクリニックの特色や、先生のご経歴から伺いたいと思います。

僕は東京女子医科大学病院の救命救急部門に7年間在籍し、外勤でTMGあさか医療センターでも診療をしていました。この場所で開院しようと思った理由は、志木駅から離れた東側には総合的な診療を行う内科が少ないと聞いていたからです。病院の救急部門で経験を積んできたので、どんな病気やケガも対応可能であることが強みだと思っています。それを地域の皆さんにもわかりやすく伝えたいと思い、「ファミリーで通える地域のよろず健康相談所」を当院のコンセプトとしました。内科を中心に小児科・皮膚科、その他診療の範囲を幅広く取っているのが当院の一番の特色で、例えば、お子さんの診察で来院されたお母さんが、ご自身の気になる症状を相談されてもいいですし、高血圧の薬の処方で来院された高齢の患者さんが手荒れで悩んでいる場合は、その場で処置することも可能です。
救急でやってきたスタイルを地域医療にも生かすということですね。
前職では赤ちゃんから高齢者まで、搬送されてきた急性期の患者さんに即応してきましたので、当院でもスピード感を持った診断と処置を実践していければと思っています。その一方で、より専門的な治療が必要と判断すれば、すぐに地域で活躍されている各科専門の先生に紹介する姿勢でもあります。例えばお子さんのアトピー性皮膚炎や花粉症でも軽度の症状なら当院もケアできますが、重症化している場合には皮膚科専門の先生を紹介するなど、軽度かそれ以上か、その診断を下してお伝えすることも当院の役割と考えています。転んでしまって口の中も切れているし、顎も出血している、あるいは目の周りに湿疹ができているときなど、何科にかかればいいか迷う場合にも、僕は救急治療を経験してきたので応急処置もできますし、詳しい検査が必要か、他の専門科にかかるべきかなども判断して伝えています。
主な診療科の内容について教えてください。

内科については、腹痛や風邪、慢性疾患として糖尿病・高脂血症・高血圧など一般的な内科疾患全般を診察します。医療提携しているTMGあさか医療センター、地元のTMG宗岡中央病院などで手術した後のケアのほか、処方箋も当院で出しています。小児科では咳や鼻水、風邪など上気道炎の患者さんが多く、皮膚科ではアトピー性皮膚炎や湿疹といった症状の方が来られています。外傷は骨折となれば整形外科を紹介しますが、塗り薬や湿布で対応可能な軽度の症状であれば院内で処置しています。その他、市の予防接種や健康診断も行っていますし、男性型脱毛症や睡眠時無呼吸症候群の治療、禁煙治療など、幅広い診療に対応しています。地域の一次診療全般を診る窓口になりたいと考えていますので、軽度であれば当院でケアし、より高度な治療が必要な場合は地域の専門の先生や病院に紹介するというのが基本姿勢です。
先の見通しまで伝えることで安心感が持てるように
先生が診療で大切にされていることは?

病気と治療法についてしっかりと説明することですね。さらにこの先の予測も伝えるようにしています。予測がつけば気構えもできますし、安心できると思いますので。例えば、初診で小児科にかかったお子さんだと、親御さんに「今晩や明日はまだ熱が上がる可能性があるけれど、水が飲めるならそれほど心配はいりません」とお伝えし、反対に「良くない兆候はこんな状態なので、そんな時にはもう一度いらっしゃってください」といったように、今後の見通しをしっかりと伝えることを大切にしています。
院内も開放感があって過ごしやすい空間になっていますね。
あらゆる年代層に利用してもらえるようにデザインや配色を考えました。例えば診察室の壁の色は子どもが好きそうな明るい色にし、キッズスペースではコロナ対策からおもちゃの代わりに淡水魚が泳ぐ水槽を設置したので、お子さんたちは興味深そうに眺めていますよ。待合室も開放感を持たせた造りになっていて天井に窓を設け、大型のファンで空気を攪拌(かくはん)しています。また、診察では待ち時間や感染予防対策として、診察の順番がわかるインターネットのアプリを導入し、診察の順番が来るまで車の中で待機できるようにと考えて駐車場も広めに確保しました。もちろん待合室でも密にならないよう人数制限をしています。
先生が医師をめざされた理由は何だったのでしょう。

学生時代に見たテレビドラマをきっかけに救急科の医師に憧れるようになりました。患者さんに対する思いの強さ、命を救うためにドクターたちが奮闘する姿がとてもかっこ良かったのです。それにプライベート旅行中の機内でも、救急患者が出て「どなたかお医者さまはいらっしゃいますか?」と言われた時に、救急の経験があれば即座に手を挙げることができ、社会の役に立てると思い、救急科を専門に選びました。親は医学とは関係ない職業でして、現在は事務長として手伝ってくれている妻もそうです。ただ弟だけは私に続いて医師となり、今は石川県の病院で外科医師として働いています。
地域の住人を「自分の家族」と思って診療したい
プライベートなことも少しお聞きしたいと思います。

わが家には2歳の男の子がいますので、今は僕も一緒に毎日家じゅうを走り回っています(笑)。前職では救急で来られたお子さんの治療には携わりましたが、後の通院治療では小児科の先生に任せることも多かったので、わが子と接することで小さなお子さんとのコミュニケーションの仕方はずいぶん上達したと思っています。小さなお子さんもそうですが、ご高齢になると転びやすくなり、家具にぶつかったりしてケガをすることもあるでしょう。そんなときに「どこに行けばいい?」と悩まず、「とりあえず芝原先生に診てもらおう」と思ってもらえるクリニックでありたいと思っています。
今後、考えられていることはありますか?
通院されている患者さんがいずれ足腰が不自由となった際には、訪問診療にも対応していきたいですね。また今後患者さんが多くなれば、非常勤の医師に診療を手伝ってもらったり、皮膚科や小児科など専門の先生の診療日を設けたりといったことも考えていて、そういったことも見据えて診察室も2室設けてあります。ここで小児科や皮膚科の専門的な診療が提供できるとなれば、患者さんの利便性にもつながるのではないでしょうか。もちろんそれ以外の診療科でも、専門の先生にサポートしてもらうことは考えています。僕はオールラウンダーに診る医師なので、地域の専門性ある先生方とうまく連携を図っていくことで、地域医療に貢献していきたいですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

この地域に住む皆さんが、健やかに笑顔で長く過ごせるお手伝いをしていきたいと考えています。今は、お子さんとご高齢の方が多く来院されていますが、中年の方にも利便性の高いクリニックだと思ってもらえるといいですね。お子さんを診てもらったついでにお母さんも診療するというケースは結構ありますし、もしご主人のいびきがうるさいならば睡眠時無呼吸症候群の検査を勧めていただくといったように、家族ぐるみで利用してもらえるとうれしいです。僕もスタッフも患者さんを自分の家族だと思って接するように心がけていますし、できれば当院のファンになってもらえるよう接遇にも気をつけていますので、自分の体のことや家族の健康で気になることがあればなんでも気軽に相談してもらえればと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは男性型脱毛症診察料/2000円~