森本 純也 院長の独自取材記事
MEDICAL CLINIC 森本医院
(堺市東区/北野田駅)
最終更新日:2023/08/02

南海高野線北野田駅前にある「MEDICAL CLINIC 森本医院」。院長を務める森本純也先生は、長きにわたって大学病院やがん専門病院で、食道がん、胃がんを中心に多くの手術に携わってきた消化器外科のスペシャリストだ。「もし、もっと早く精密検査ができていたら、治療できたのに……」と感じた経験から開業を決意。どんなことでも気軽に相談できるかかりつけ医のメリットを生かしながら、病気の早期発見に関わるべく先進の医療設備を備えるクリニックを2020年4月に開業した。今回森本院長に、開業に至った思いや、クリニックの特徴、診療に対する心がけなどをたっぷりと聞いた。
(取材日2022年8月31日)
高度な専門性で病気を治療する消化器外科の医師に
医師をめざしたきっかけを教えてください。

私の父は経営者であり、将来会社を継ぐという選択肢もありましたが、もし父のもとで働くと、一生父に対して頭が上がらないんじゃないかと(笑)。病気は誰でもなるものですし、また自分がもしドクターになれば、両親が将来病気にかかっても自分が診ることができるのではないかとも思ったんです。そこで父の仕事を継ぐのではなく、医師になる道を選びました。
なぜ外科の医師を選んだのでしょうか?
自分が磨いた手術スキルで治療できることに魅力を感じ消化器外科医になることを決意しました。私の専門は食道がんですが、食道は重要な臓器と接しているため、食道がんの手術は執刀医の技量がすべてと言っていいほど、高度な手術手技が要求されます。難易度の高い症例もたくさんあり、だからこそ自分が培った手術技術で病気を治療できることに医師としてのやりがいを感じました。10年ほど前、父親が膵臓がんであることがわかり、私自身が手術に携わることができました。医師になることを決意した際に、親も診ることができるようにと思い描いたことが実現でき、今でも感謝されるので親に対して恩返しができたことに、消化器外科医を選んで良かったと思っています。
開業に至った思いを教えてください。

私は予防医学や病気の早期発見に関わることのできる、地域に根差したかかりつけ医になるべく開業しました。私はこれまで消化器外科医としての約19年間、大学病院やがん専門病院で、主に食道がん、胃がんを中心に胸腔鏡・腹腔鏡手術、ロボット支援手術を行ってきました。ハードな環境ではありましたが、外科手術に非常に魅力を感じ、大きなやりがいと充実感を感じられる毎日でしたが、一方で病院に来院された時にはすでに外科手術では対応できない深刻な状態の患者さまにも数多く遭遇し、「もしもっと早く精密検査ができていたら、治療できたのに……」と感じた経験から病気の早期発見に携われるクリニック開業を決意しました。
地域の人々が気軽に相談できるかかりつけ医をめざして
クリニックの理念を教えてください。

内科、消化器内科、外科を標榜していますが、それ以外でも、そしてどんな小さなことでも、気軽に相談できる「かかりつけ医」であるクリニックをめざしています。そして受診ハードルの低いかかりつけ医としてのメリットを生かしながら、先進の医療設備を充実させているのも当院の特徴です。皆さまの健康を守るべく、検査に対する心理的なハードルを下げ、いち早く必要な検査を受けていただくことで、適切な検査と診断を行い、病気の早期発見につなげていけるよう努めてまいります。
当クリニックで受けられる検査の特徴を教えてください。
当院では、CT検査、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)や、下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)、腹部超音波検査が可能ですが、特に大腸検査においては内視鏡を挿入せずに大腸を診断する大腸3D-CT検査を導入しました。80列高精細マルチスライスCTを利用した先進の大腸検査方法です。大腸を炭酸ガスの注入によって拡張させてから、CT撮影をすることで、大腸の3次元画像を得る検査です。この検査のメリットは、下剤が少ないこと、痛みが少ないことに加えて、大腸以外の腹部臓器も併せて検査することができることです。例えば、大腸の検査で来られた方に膵臓がんが見つけられる可能性もあります。当クリニックが大切にしている、予防医学・早期発見の大きな役割を果たす検査だと実感しています。
どんな方に受けていただきたいですか?

大腸の病気が心配だけれども、大腸検査は痛そう、苦しそうと思っている方も多いかと思います。また前処置に行う下剤が苦手で検査を敬遠している方もいらっしゃると思います。特に高齢の方にとっては体力の不安もあるのではないでしょうか。大腸3D-CTは、下剤内服量を少量にすることができ、低侵襲な検査なので、患者さまの負担も少なく済みます。大腸検査へのハードルを下げることで、より多くの方が気軽に検査を受けていただけたらと思います。
じっくりと時間をかけて患者の思いに耳を傾ける
開業にあたりこの場所を選んだのは?

北野田周辺は、私自身が中学・高校時代を過ごした場所で、とても思い入れのあるエリア。知り合いもたくさん住んでいます。開業にあたっては、「地域の人たちに医師として自分がやってきたことを還元したい」と思い、他のエリアはまったく考えませんでした。内装に関しては、開業までの準備期間が短かったこともあり、シンプルで清潔感のある雰囲気を重視しました。現在は、近隣の地域の人々を中心に、風邪や腹痛などの一般内科症状を訴える方が多く受診されております。また健康診断・人間ドックも実施しており、健康な方も訪れられるクリニックをめざしています。今後とも地域医療に貢献できるよう精一杯努力していきたいですね。
診療の際に気をつけていることはありますか?
一人ひとりの患者さまに対して、きちんと時間を取って、その方の声に耳を傾けることです。そこで私は、診療時間がかかってもオープンクエスチョンで、「今日はどうされましたか?」と聞いて、患者さんに自由に話してもらうスタイルを取っています。しばしば話が脱線してしまったり、長くなってしまったりすることもありますが、そこから具体的に何が問題なのかポイントを探っていきます。自由に話してもらうことで、その患者さまの人柄や、どんなことをクリニックに求めているかもわかりやすいですし、生活習慣上の問題に気づけることもあります。クリニックが混んでいる場合ですと、こちら主導で話せば診察を早く回していけますが、そうはしたくありません。少なくとも患者さんにとって、「言いたいことが十分話せた」ということも重要だと考えております。患者さまの思いを知ることで有益な治療の提供に役立てていきたいです。
今後の展望をお聞かせください。

常に知識をブラッシュアップして、先進の設備で患者さまにベストな選択肢を提供して、患者さまの病気に向き合っていきたいです。そして「困ったらここ」と思えるよりどころであるようなクリニックになっていきたいと思っています。「専門外だから……」と言うのでなく、何でも気軽に聞かれるドクターであり続けることも目標。病気や予防など、健康に関することを何でも相談でき最初の窓口になることがかかりつけ医の役割だと思っていますし、必要であれば近郊の病院と連携することで治療スピードを下げずに、速やかに治療を開始することができます。今後も患者さまの健康を守るクリニックをめざして尽力していきます。
自由診療費用の目安
自由診療とはCT検査3500円~/上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)1万4000円/下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)1万8000円/腹部超音波検査4000円/大腸3D-CT検査3万2000円/人間ドック1万円~