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石束 光司 院長、石束 麻里子 先生の独自取材記事

いしつか脳神経クリニック

(福岡市南区/竹下駅)

最終更新日:2021/10/12

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頭痛はごくありふれた症状だが、その原因を正確に理解している患者は少ないだろう。西鉄大橋駅からバスで10分ほどの場所にある「いしつか脳神経クリニック」は、頭痛の症状一つ一つを見極め、さまざまなアプローチを行っているクリニックだ。同院は院長である石束光司先生と、漢方内科の石束麻里子先生の2診体制。頭痛相談以外には、めまい、認知症やパーキンソン病の患者も多く通う。頭痛ではカフェインの摂取や部屋の照明など、生活改善指導まで行う他、頭痛薬の乱用による頭痛の予防にも力を入れているという。また「きめ細かな対応は、脳神経内科と漢方内科で似通ったものがある」と考え、漢方薬を取り入れるメリットなどを模索し続けている。今回は治療スタンスや今後の展望などを2人に語ってもらった。

(取材日2020年12月5日)

頭痛、めまい、認知症など、地域患者の悩みに向き合う

落ち着いた色合いの、すてきなクリニックですね。

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【光司先生】真っ白の色味はなるべく使わない、というコンセプトでつくりました。真っ白という色は、頭痛に悩む患者さんにとってはきつい色味に感じられることも多いのです。なのでカーテンや壁紙なども、オフホワイトやベージュなどを使用し、受付スタッフの制服も黒。照明も蛍光灯ではなく間接照明を採用しています。皆さん不安を抱えてクリニックに来ていらっしゃるので、まずは少しでもリラックスしていただけるといいですよね。土地柄、高齢者の方も多く、また車いすの方などもいますので、バリアフリー構造にするなど、できる限りの配慮をクリニックには取り入れています。

では、クリニックを開業されたきっかけなどについてお聞かせください。

【光司先生】久留米大学卒業後は医局に所属し、福岡赤十字病院や聖マリア病院などで急性期の患者さんと向き合ってきました。脳神経内科には認知症やパーキンソン病などの患者さんがいらっしゃいますが、いずれも長期的な治療が必要な病気です。勤務医の頃は転勤などもあり、1人の患者さんを長く診られないことにジレンマを抱えていました。担当医が変わることで戸惑いを感じる患者さんも多いんです。ですから1つの場所に根をはり、1人の患者さんを継続的に診ていきたいという思いから開業を決めました。この場所になったのは、福岡赤十字病院や九州中央病院も近く、緊急性の高い患者さんなどがいた場合にも紹介しやすいと考えたからです。

開業されて間もないと伺いましたが、どのような相談が多いのでしょう?

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【光司先生】頭痛が最も多く、次いでめまい、認知症、そして体が動かしにくくなるパーキンソン病です。めまいや認知症の相談では60〜70代の高齢者が多いですが、頭痛は30〜40代の方も見られます。頭痛はごくありふれた症状で、多くが頭痛薬で対応されていることでしょう。しかし実はその痛み止めの使い過ぎが頭痛の引き金になり、薬剤使用過多の状態になっていることも多いということは、あまり知られていません。当院では頭痛予防を目的とする薬を使い、なるべく頭痛の発生を抑えていきながら、症状が出た場合には頭痛薬を使うことで、徐々に薬の使用回数を減らしていきます。頭痛薬によって頭痛が引き起こされるという悪循環を、予防で断っていく。このように適切な対応を見極めていけるのが、頭痛を専門とする当院の特徴の1つだと自負しています。

頭痛の専門家として、生活に根差したアドバイスを実施

院内の色味を抑えるのも、頭痛への対処法の1つでしたね。具体的にはどういったアドバイスを?

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【光司先生】片頭痛の方はまぶしい光が苦手といわれます。片頭痛の方であれば、カフェインやアルコール、チョコレートの摂取を控えるとか、スマートフォンやパソコンのブルーライトに気をつけるようにと伝えています。生活習慣の中で改善点が見つかることもあるので、そういったアドバイスを交えながらどの薬が合うのかを見ていきます。いくつものお薬を飲んでいる方が「こんなに飲めない」と悩んでいることもあるので、それに対してお薬の数を見直すといった加減が行える点は、専門家だからこそできることなのでは、と考えています。

そのためにも、MRIなどを使った診断が大切になってくるのですね。

【光司先生】めまい、認知症、頭痛など、いずれにせよまずは頭の中に病変がないかを、MRIでしっかり診断することが大事です。中には何も見つからないという方もいますが、それが安心感につながり、ストレスがなくなることで頭痛の症状にも影響するということもあるんですよ。逆にそこで病変が見つかった場合は、きちんと適切な医療機関へおつなぎします。気軽にクリニックに行けるというのは実はとても重要です。病院はハードルが高いと感じている方も多くいらっしゃいますから、何か心配事があった時にすぐに行けるクリニックである、というのは非常に大切なのではないでしょうか。

先生が患者さんと接する際に心がけていることは何でしょう?

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【光司先生】まずは笑顔ですね。優しく、笑顔で対応するのが第一です。患者さんはやはり不安を抱えていますから、少しでも安らいでいただけるように、また相談していただきやすいようにと心がけています。例えば、認知症の場合は、家族が不安を感じて来院することも多いですよね。火の元や車の運転など、本人だけではなく周囲へ迷惑をかけてしまう怖さもありますから。認知症では、お薬ももちろんですが、環境を整えることも非常に大事です。家族との接点をつくり、会話を増やすことはとても大事ですし、難しい場合はデイサービスなどを活用して他人と接し、運動する機会を増やすことが求められます。またいずれは自分もそうなるのでは…と考える方もいますから、そういった時も心置きなく相談してほしいと思っているのです。

東洋医学・西洋医学の両面から幅広い診療を提供

漢方内科との2診体制は、どういった意図で導入されたのでしょう?

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【麻里子先生】以前から、脳神経内科には内科ならではのきめ細かさがあると感じていました。それは東洋医学とも通じるのです。東洋医学では「望聞問切」という診察法により、各々の体質を考えながら処方や養生指導をします。脳神経内科では頭痛の患者さんに対して、特有の診察法で鑑別し、日常生活においてどんな点を気をつけたら良いのかなど、念入りにアドバイスをする院長の診療スタイルに共通していると感じています。東洋医学と西洋医学それぞれのメリットを融合し、オーダーメイド的な提案ができれば、もっと治療の幅が広がると考えています。私自身も片頭痛に悩む患者でもあり、実際に漢方内科でも頭痛の相談はとても多いです。漢方薬は保険診療に含まれますから、ぜひ活用していただきたいです。

脳神経内科での症状と漢方薬との親和性も高いんですね。

【麻里子先生】片頭痛に用いる漢方薬もありますし、脳神経内科では不安を抱えている人も多くいらっしゃいます。一般的に不定愁訴と呼ばれる症状も多いのですが、そういった時に役立つのが漢方薬です。診察室が隣同士なのでどんな患者さんが来ているのかも共有できますからね。漢方薬による治療は患者さんのメンタルの部分をサポートできる「養生」の治療だと捉えています。漢方内科は長く診ていくという点でも脳神経内科と似ていますし、同じクリニックの中で一貫したサポートができるのは、患者さんにとっても大きなメリットになるのではないかと考えています。

それぞれの経歴や特色を生かし、患者さんにアプローチしていくのですね。

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【光司先生】これまで多くの脳卒中の患者さんが病院に運ばれるのを見てきました。その中で感じるのはやはり予防の大切さ。医療が進歩し、回復する患者さんも多くいらっしゃる一方、後遺症に悩む方も多くいらっしゃいます。だからまずは地域のクリニックから、脳卒中および生活習慣病の予防を啓発していくことが大事なのだと感じています。めまいや頭痛、認知症だけではなく、そういったご相談もぜひ気軽にお聞かせください。不安や痛みを受け止め、患者さんの声を理解した上で、安心して通い続けられる環境を整えていければと思っています。

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